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第九十話 絶望

『助けてやってくれ....』


俺の耳元から、誰かのささやき声が聞こえる。その声はアドレでも、要でも、イヴでもない。その声を確かに知っているのに、効いたことがあるというのに。それでも俺は思い出せない。


『アドレを、止めてくれ...!』


その叫びで、俺ことユイガは目を覚ました。目覚めたばかりだからか、うまく体が動かせない。それに、脳みそもまだぽわぽわしているようで、まともな判断があまりできない状況だった。


「ユイガ、起きたんだね」


あたりを見渡すと、そこにはアドレ以外の全員が集まっていた。みんな。と声をかけたいところだったが、全員が神妙な顔つきでうつむいている。一体何があったのだろうと、俺は意を決して要に話しかけた。


「なにかあったのか?」そう俺が効くと、要は目を伏せながらすべてを話し始めた。

「僕たちはみんな、レイナを倒した後に白髪のアドレ君に気絶させられちゃったみたいなんだ。そのあとみんなこうやって意識を取り戻したんだけど、その時にはレイナもいないしアドレ君もいないしで。そこであちこちを探し回ったんだけど、だれも見つからなくてさ。捜索に行き詰まっちゃったんだ」


そういえば。と、俺は先ほどの出来事を思い出した。『アドレを止めてくれ』それは一体、どっちのほうに言っているのだろうか。俺にはまだわからない。

 だがただ一つ言えることは、俺たちはアドレを探さなければならないということだった。


「行こう」俺はそういうと、即座に足を動かし始めた。

「いったい、どこに行くというのじゃ」リレイル所長が俺に尋ねた。

「アドレのもとに行くんです........。わかんなくても、いち早くあいつのもとに行かなくちゃいけないんです!」


俺にもよくわからない。どうしてこんなに慌てているのか。どうしてこれほどに必死なのか。そう疑問に思っている間も、俺の焦燥心は強くなっていく。


「わかりました。それじゃあ、アドレ君と親交が深いユイガ君を先頭にしてついていきましょう。」


オルトの提案により、俺たち一行は俺を先頭にし、ついにその城から離れることにした。

 城から出ると、四方八方に平原が広がっていた。が、先ほどとは一つ違う点があった。それは目の前に竜巻のようなものができていたことだった。それは地面をえぐり、あたりにあったものすべてを飲み込んでいた。


「あそこだ...!!」


俺たちは、急いでそこまで走っていった。

 数分ほど走っただろうか。俺と要は移動に役立つスキルを持っていたから平気だったが、ほかの面々は息を荒げていた。

 これで応戦できるだろうか。

 しかし、それは別にどうでもいいことだと、次の光景を見て思ってしまった。それ以上に、衝撃的なものを、俺たちは見た。

 なんと、アドレは仰向けになっているところを、白髪のアドレが腹を踏みつぶして痛めつけられていたのだ。


「ああぁぁ....!!」


リズムよく踏んでいく白髪のアドレ。そのリズム通りに、アドレは痛みのあまり悲鳴を上げる。そんな光景を、何回も、何回も見せられた。その途中、俺が助太刀に入ろうとしたが、助太刀に入ろうとするたびに、白髪のアドレはこちらを向いてにやりを笑った。つまり、俺たちが付け入るスキはまったくもってないということだった。

 目の前にいるのに助けられない。その悔しさから、俺は強く歯ぎしりをした。







何度も、何度も彼に踏みつけられた。何度も、何度も傷みつけられた。

 ストームを食らった後、僕は体力をほとんど持っていかれ、スキルをあと一回、体はまったくもって使えない状況下に陥っていた。

 それ故に、僕は蹂躙され、何も抵抗できずにいた。


「もう終わりか...?」


彼はその言葉の後に、強く僕の腹を踏みつける。


「ああぁぁ.....!!」


あまりの痛みに、声にならない悲鳴があたりに響き渡る。が、誰も助けには来ない。僕の視界の隣で、ユイガが助太刀をしようとするが、彼がユイガをにらんで抑制する。

 みんな分かっているのだ。彼が最強だということを。助太刀をしてしまえば最後、自分自身が死んでしまうということを。


「詰まらんな」


強くけりだされ、僕は一時的に遠くまで吹き飛ばされた。

 いまだ....!!

 僕は即座に時スキルを使い、体力を全回復させた。


「あと一回のスキルだったのに、それでよかったのか?」嘲る様に笑いながら、彼は僕に尋ねた。

「いいんだよ。これで」


直後、剣とナイフが再び交わる。しかしそれは一瞬。攻撃のタイミングに遅れが生じて、つながるようにして判断の遅れが生じた。その遅れを彼が見逃すわけもなく、ナイフを僕に当てようとした。が、僕はなんとか身をよじる様にして回避を行い、紙一重で回避することに成功した。

 行ける...!

 たった一撃しかよけれてはいないが、それでもよかれることができた。それはつまり.....。


「一回あったら、もう一度あるにきまってる...!!」


そう叫んで、僕は再び彼と剣とナイフを交えるのだった。

最後まで読んでくださりありがとうございます!執筆速度は遅いですが、これからもこのシリーズを続けていこうともいますのでブックマークをして待っていただけると嬉しいです。

 これからもこのシリーズをよろしくお願いします!

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