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第八十四話 グレイヴ&要vsレイナ

「これは...」


目の前に現れたレイナを見て、グレイヴは顔をしかめた。


「あらあなた、なかなか強そうな見た目をしているじゃない」


そういうレイナの目は、どこか鋭く、殺意を向けていた。

 まずったな。

 ごくりと、要は息をのむ。

 今回の作戦では、アドレがレイナと接敵。ほかは別の勢力と戦う予定だったのだが、今回は要たちに来てしまっていた。

 そう、要は勘違いしている。


「グレイヴさん、先に僕が戦うよ。僕と彼女が戦っているところを見て、グレイヴさんはあの子の戦闘パターンを見極めてほしい」

「わかった。くれぐれも、死にはするなよ」

「わかってる!!」


勢いよく要が飛び出すと、レイナは静かにナイフを抜き、戦闘態勢に入った。

 直後、狙いすましたはずの一閃は、レイナの髪をかすめた。しかしレイナのナイフは、要の頬をかすめた。

 このスピード域についてこられるなんて....。

 格上にはあまり効かないと思っていたが、まさかここまでとは、要は思いもしなかった。


「すごいね。このスピード域についてこれたのは、アドレ君とグイドさんだけだったよ!」

「それは光栄なことね。だけど、残念ながらあなたのスピードは見切ったわ」


直後、レイナは要の背後に回って一突き。

 しかし、要は大ぶりの回避をすることで、その攻撃を回避することに成功した。

 直後、ナイフから一直線上に炎が解き放たれた。

 地面は、深さ一メートルほどにまでえぐれていた。


「すごいね....。まさかこれほど強いなんて」

「これでも、まだ全力の二割程度しか出していないのだけれど。まあいいわ。ほかの私は苦戦しているようだから、さっさと決めさせてもらうわ」


直後、レイナのラッシュが始まった。 

 何度もよけてはスキルで距離をとろうとするが、それでも当たるし、おまけについてくる。それはまるで、あの時のアドレそっくりだと、要は思った。

 打つ手をすべて出しても、今の要では勝てないことは、だれがどう見ても明らかであった。

 そしてついに、要は地面に膝をついた。


「もう大丈夫だ。私も加わるぞ」

「ハハ....。これは頼もしいね。いい作戦でも思いついたかい?」

「ああ。あいつの戦術は、限りなくあいつに近い。だから、あいつと戦った経験が私を主軸として、この戦いに勝つぞ」


そういって、要たちは戦闘態勢を整えた。


「お前は私のサポートを頼む」

「わかった」


お互い息を整えたところで、二人は同時にレイナの元へと飛び出した。

 直後、レイナがバリアを展開するが、グレイヴはそれをすり抜けた。


「あいにく様だが、私にこざかしい真似は効かぬぞ」


グレイヴがレイナの腹に攻撃を入れると、どごっ。と、重々しい音が響き渡った。

 レイナは腹を抱え、姿勢を崩した。その瞬間、要の猛攻が始まった。

 攻撃から攻撃。その間隔を感じさせないように、極限にまで速度を上げる。やがて、要の息が上がると思に、レイナは膝をついた。


「よくやってくれた。あとは、この私に任せろ」

「うん。頼むよ...」


そのまま、要は意識を失った。


「さて、と。お前に一ついいことを教えてやる......。人の戦術なんてまねても、お前はしょせんお前だ。今のお前じゃ、私には勝てぬぞ」

「そうかしら。あなた程度、造作もないと思うけれど...」

「じゃあ、試しにやってみようか」


その後、レイナがどれだけ攻撃を当てようとも、グレイヴにあたることはない。

 必死に攻撃を当てようとするレイナを見たグレイヴは、やはり、エディタ・アドレ、いやエディタ・アドレの中にいたあいつが特別なだけなんだなと改めて実感した。

 しばらく攻撃を続けていたレイナだったが、疲れたのか、一度攻撃を中断した。


「どうした?」

「ちっ...!これなら、どうだ!!」


直後、レイナは巨大な黒の球体を生成し始めた。

 そう、ブラックホールの下位互換である。


「そんなものを、この私が黙って見過ごすわけがなかろう」


グレイヴがそういった時には、レイナの腹部には深く、グレイヴの拳がめり込んでいた。

 レイナはよろよろと千鳥足で後ろに下がると、白目をむいて地べたに倒れた。


「ふん」


グレイヴが倒れているレイナを見つめていると、レイナの姿は次第に透明になり始めた。

 なんだ?

 そう疑問に思っている間も薄くなっていき、最終的に、レイナの姿はまるで幻だったかのようにどこかに消えた。


「こいつは本体じゃなかったか....」


グレイヴはそう言って、次の一歩を歩み始めようとした。

 その時、グレイヴの体が浮き始めた。

 高く、高く。やがて人一人分ほどの高さにまで浮くと、まるで圧迫されたかのように 

目の前から一人の男が陰から現れた。

 白い髪に赤い目。その特徴的な見た目は、グレイヴの記憶を奮起させた。


「お前は....」


そこにいたのは、紛れもなくアドレだった。


「あの戦いぶりだな。依然と変わりないようで何より....」


アドレは嘲る様に笑うと、グレイヴのほうに手をかざし、ぎゅっと拳を固めた。

 直後、グレイヴに四方八方から圧力がかかる。次第に力は強くなっていき、ついにはグレイヴの左腕を折った。

 これはまずい...!

 そう判断したグレイヴは、急いでスキルを発動し、何とかその拘束から逃れた。

 しかし、その時にはすでにアドレはグレイヴの目前にまで接近していた。


「どれほど強くなったのか見てやりたいところだが、あいにく、今の俺には時間がないのでね.........ここで気絶していただこう」


そういって、アドレはグレイヴの腹部に重く打撃を与えた。

 グレイヴはその攻撃の重みに耐えきれず、たまらず意識を手放した。

最後まで読んでくださりありがとうございます!執筆速度は遅いですが、これからもこのシリーズを続けていこうともいますのでブックマークをして待っていただけると嬉しいです。

 これからもこのシリーズをよろしくお願いします!

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