第六話 新たな仲間
「いいよ。」
即答だった。深い意味は特になく、ただただ冒険者ギルドに誘ってくれたせめてものお礼なのかもしれない。
彼女はあっけらかんとした感じでこちらを見ていた。
「いいのか?もしかしたら〜とか、考えないのか?」
「いいや、考えませんね。だって、僕はそういう相手の心を読む。とか苦手なんです。だから疑わない。それだけです。」
「アンタ、きっといつか誰かに騙される日が来ると思うぞ。そんな感じだと。」
そう、少し心配したような目でこちらをみてくる。僕、何か変なことでも言ったかな?
そう思っていると、彼女は手を差し伸べてきた。
「私の名前は、エナ・オーリー。よろしくな。」
よろしくと僕も言って、その手を取った。
そうして、僕達に、新しい仲間が加わったのだった。
エナが仲間に加わってからしばらく経ち、僕は、クエスト依頼が貼ってある掲示板を見ていた。
が、どれも高難易度のクエストばかり。僕らが受けられるようなものはない。
どうするか迷っていた時、ちょうど良さそうなクエストを見つけた。
実力を上げるのにもちょうど良さそうだ。そう思い、そのクエストを受注した。
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クエスト ダンジョンのモンスターを一掃せよ
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で、ダンジョンに来たのだが、皆さん気合が入ってますね。
そう言って、みんなの方を見る。
「シャア!天上天下唯我独尊。ユイガ様のおとぉりじゃあ!」
意気揚々としすぎだろ。と、思いながらもダンジョンの深部へと進んでいく。勿論、それと同時に雰囲気も禍々しくなっていく。
しかし、モンスターというモンスターはおらず、ただただ歩いていた。
「おかしいわね。クエスト内容と一致していないじゃない。」
そのとおりだ。クエスト内容は、モンスターを一掃すること。しかし現状、モンスターはいない。もしかして、そう思った瞬間、モンスターの集団が一斉に僕らに襲いかかってきた!
ユイガは倍スキルで自己強化をし、僕は剣を抜いて突っ込む。
勿論モンスター共は次々と倒れていき、僕らはこの一難を乗り切ることができた。
「おい、そこにいるおまえら!」
僕らが歩いていると、突如、男に呼び止められた。振り返る。短髪の赤髪。ずっしりとした鎧。まさに冒険者といっても差し支えない格好をした男がいた。
「あんたらのせいで、ここらにいるモンスターたちが全滅しているんだが?」
何故?本当に何故?僕らはモンスターに襲われたからその対処をしたってだけなのに。
そこまで考えた末、僕はある結論に行き着く。
あ、こいつやばいやつだ。と。
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