第四話 ようこそ冒険者ギルドへ
「えっと、貴方は?」
正直、急に入ってきて急にこにのチンピラ共を倒したのは君たちか?なんて聞かれたもんだから誰?という疑問をぶつけてしまった。
が、彼女はごめんごめんと僕たちの目の前で手刀を作り、切った。
「私は冒険者なんだが、どうも近頃こいつらが暴れてるから退治してくれ。っていう任務が出ていてな。まあ結局、アンタらに先を越されちまったわけだが。」
ああ。そういうことか。だからなのね。なんかそれを聞くと、さっきの考えに罪悪感を覚えた。
だからこそ、その償いをするかのように、僕は、彼女に向かって口を開いた。
「これ、あなたに渡しますよ。僕、冒険者じゃないんで。」
そう言って、3人のチンピラを指差す。
彼女は沢山武器を備えた厳重な服を揺らし、一歩後退った。
「いや、そういうわけにはいかないんだ。私は自分の力のみで上に上がりたいんだ。」
交渉決裂か。とはいえ、どうしようか。このチンピラを放っておくわけにもいかない。だとしても解決策が思いつかない。
そう思っていると、イヴが歩き始め、僕の横に来た。
「じゃあ、冒険者ギルドへ入ればいいじゃない。冒険者ギルドに入っておけば、この先の旅も楽になるわ。まあ、お金はちょっとかかるけど。」
冒険者ギルドねぇ。たしかにそれはいい手かもしれない。
そう思ったときには、僕はユイガとイヴを連れて、彼女に案内を頼み、冒険者ギルドへと向かうのだった。
で、冒険者ギルドに来たんだが、どうも周りの目が怖い。
しかも、その視線の主である筋肉のつきが良い男どもは、全員僕らを見ている。だが、彼女はそんな目にもくれず、カウンターの方へと進んでいく。スゲェ。
「こいつらを冒険者ギルドに入会させたいんだが。」
すると、カウンターの女性は首をゆっくりと縦に振り、了解しましたとだけ言い、その場をあとにした。
一体、何が始まるってんだ。そう思っていると、女性はその小さな謎の機械を手に乗せ、置いた。
「入会料300マニーとなります。」
その瞬間、僕に、雷が落ちたような感覚が襲ってきた。300マニー?もうなくなっちゃうよ~(泣)まあこれで後に元を取ることができるはずだ。そう思ったため、惜しみなくそれをカウンターに置いた。
さようなら、僕のマニーたち。
「それでは、この機械に手を通してください。」
恐る恐る手を伸ばす。が、それよりも先に、ユイガの手が僕の手を追い越し、その機械に触れた。
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個体名 ユイガ
種族 人間
スキル 『倍』
レベル 2
攻撃力 15
防御 10
速度 10
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そう、機械に表示された。
なるほど。手を通せば自身のステータスが見れるのか。
「それでは、ユイガ様はランクをA〜Eランクのうちの、Dランクとさせていただきます。」
そう言って、カードのようなものに、烙印を押される。これが自身のランクを証明するのか。
そう思いながらも、僕も手を伸ばす。さっきのを見てしまったからか、少し手が震えていた。そして、ようやくその手は機械に触れた。
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個体名 エディタ・アドレ
種族 人間
スキル 『時』『?』『?』
レベル 1 ? ?
攻撃力 15 925
防御 15 950
速度 15 910
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僕は、その数字を見て、驚愕した顔を隠そうともせず、ただ呆然と眺めていた。
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