第三話 レベル3のチンピラ共
僕達は、何故か男たちに囲まれていた。
男たちとは関わらないようにしていたのか、近くにいる住人たちは僕達を無視する。
「おい、兄ちゃんよぉ。随分とお金持ちじゃねぇか。俺達はよぉ、金に困ってんだ。少し、くれねぇか?」
そういって、僕達へと歩いて来る。そしてその度、冷や汗がたれてくるのが理解できた。
しかし、僕の目の前にユイガが現れ手を水平に伸ばしていた。
「ほぉ~?どうやら、力の差がどうにもわかってないみたいだ。なら、教えてやろう。」
顔をグイッと近づけ、威嚇するようにその、欲に満ちた顔を見せつける。
「ここにいる俺らは、全員レベル3なんだぜ?」
レベル、3。僕達よりもよっぽど強い。しかも相手は3人ときた。勝てるはずがない。なら、どうする?
『少し、俺に代わってくれねぇか?』
その瞬間、僕の中でまた何かが囁く。勿論、その言葉通りに、僕はまた時スキルを頭に使うのだった。
「そうだな。だが、それがなんだ?」
俺は、そいつらにそう挑発をした。
ユイガは、その言葉に驚いたのか俺の方を向いて、目をまん丸にした。まあ、イブもそうなんだが。
「つまりは、俺たち程度どうってことないと?」
隠そうとしても隠しきれない苛立ちを奴らは見せながら、俺にそう問いかけてきた。
「そういうことだが、何か変なことを言ったか?まあいい。どうしようとも、俺はあんたらと戦わなきゃいけないからな。10秒で終わらせる。」
その言葉に、遂に男どもは目を大きく開けながらツッコんできた。
「俺たちに歯向かったこと、後悔すんだな!」
しかし、その攻撃は俺が首と胴体をほんの少し捻る事によって無効化された。
驚く男ども。俺はそいつらを嘲笑うかのように見る。
「まとまったな。これで、一瞬で決着をつけることができる。」
そうして、俺は1秒でそいつらが気絶する程度の打撃を放ち、無事に奴らは気絶したのだった。
「さて、ユイガ。」
そうして、俺はユイガに向き直り、先程との雰囲気とは打って変わり、朗らかな雰囲気を出した。
そして俺は、その一言を告げる。
「友を守るのは素晴らしいことだが、時にそれは自分の身を滅ぼすことに繋がるんだ。」
瞬間、俺はまたもや異変に襲われ、意識が落ちていくのだった。
そして、僕は目を開ける。それと同時に、さっき起こった出来事が、僕の脳に伝播する。
「なあ、アドレ。お前って、何者なんだ?」
脳に伝播し終わった瞬間、丁度ユイガがそんな質問を僕に繰り出してきた。
とはいっても、なんて言おう?
そう思っていると、背後から足音が聞こえてきた。そして、その足音は僕の近くで止まった。仲間が来たのではと、恐る恐る後ろを振り向くが、そこには仲間ではなく女性が立っていた。
「あなたたちですね?このレベル3のチンピラ共を倒したのは?」
出会ってそうそう、そんな事を聞かれた。
っていうか、誰?
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