第二十一話 小林 鹿目
「大会?」
それを聞いた僕は、衝撃のあまり思わず聞き返してしまっていた。
大会。おそらくはただ出場してくれ。という意味なのだろう。でも、それにしても軽い気がしてならない。
「そうだよ。最近、大会に参加してくれる人が少なくなってきちゃっててねぇ〜。ちょっと人が足りなかったんだ。」
片目でウィンクをして、おちゃらけるそいつ。
にしても、大会か。やったことないのに、どうしてこうも懐かしい感覚に囚われるのだろうか。まさか、『アイツ』の記憶を、僕が引き継いだからだろうか。いや、きっとそんなことはない。
そう思い、さっきの考えを振り払うように首を横にふる。
「けど、今の君たちじゃあきっと大会参加しても予選敗退だろうけどね。言っとくけど、僕はそこにいる二人が本戦に出場しないと許す気はないよ?」
予選敗退?ムカつくが、それはさっきのチンピラとの戦いで十分に理解した。そして、本戦まで勝ち進めろと?つまりこいつは勝てない勝負を提案してたのか。クソッ。なんか、ムカつく。ただ、本当に勝てないのは事実だ。だったら、
そう思っていた時だった。そいつは、僕にある提案をしてきた。
「僕が、君たちを鍛えよう。それでどう?」
「まあ、ユイガがいいのなら僕はいいよ。」
「頼むぜ!」
断ってくれオーラ全開だったってのに、この男は。まあいい、あいつからゆっくりと特有の技の弱点とか、全部見つけ出してみせる。
そして、こいつにぎゃふんと言わせてみせる。
「じゃあ、自己紹介でもしようか。僕の名前は。えっと、まあ小林 鹿目だ。気安く小林と呼んでほしい。それじゃ、よろしく。」
「よろしく。」
手を差し伸べてきたので、それを取って握手することにした。
こうして、僕達の特訓が始まるのだった。
そうして連れてこられたのは、紅法堂という場所だった。
小林曰く、一人暮らしらしい。で、さっきのチンピラ討伐とかやって生計を立てているらしい。
あたりは紅葉が咲き乱れており、幻想的な雰囲気を醸し出していた。
そして、その僕達が全力で戦っても大丈夫そうなほどの広さを誇る庭で、特訓を始めようとしていた。
「さて、まずは技の種類について話そう。じゃないと、君たち本来の技を引き出すことはできないからね。ちなみに、僕は刀だよ。」
どうやら、戦う戦闘スタイルによって技や使う武器が変わってくるらしい。
それを、いったいどうやって見分けるのだろうと思っていると、小林は急にすごいことを言い始めた。
「そうだなぁ〜。まず君たちの戦闘スタイルや使う武器がわかんないから、とりあえず二人で戦ってみたら?」
と。
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