第十四話 大金の使い方
そして、僕達は大量の肉を食らいながら、今回もらった45万マニーの使い道について考えていた。
僕達が持っている25万マニーに足して45万。合計で、70万マニーを僕らは手に入れていた。普段なら誰かに奢るだの装備を整えるだのと、お金を使うことを考えるであろう。しかし、僕はそんな事は何一つとして考えていなかった。理由は至極単純。どこかのポンコツ聖女さんが僕たちのお金を勝手に使ってしまうからである。あとは今後の宿の確保とか含めて70万マニーは軽く超えてくるだろうと予測しているのだ。
「なあ、そろそろ装備を整えないか?」
「いいわね!私も杖が欲しかったのよ!ねえ、いいよわよね?」
「だめに決まってるでしょ!そんなことしたら、マニーがなくなっちゃうでしょ!しかもイヴに関してはめっちゃ杖持ってるし。」
あんな鈍器なんか持ってるし、装備に関して一番困らなそうな奴が変な事をほざいていたので、激励することにした。
っていうかユイガくん。君はモンスターを無双できるほどの実力を持ってるんだから、装備何か一番いらないんじゃ?
そう思ったが考えてもきりがないと思い、僕は考えるのをやめた。
にしても、こんなのんびりしてると最強に成り上がるもクソもなくなってしまう。そろそろ、この国を出て次の国に行くとするか。
「僕達は、あくまで各国を旅するというのが目的なんだ。そんなにマニーを使ってしまうとこっちだって困るんだよ。分かったか?誰が何と言おうと、これは変えん!」
本当に、マニー今後の使い方について話し合っておいて正解だったな。もしこの話を切り出していなかったらと考えると、少しだけ背筋が凍った、今日このごろだった。
あの話し合いから一週間が過ぎ、買い出しの当番になった僕は、市場で様々な物を買っていた。できるだけ、安いものを買うように。
すると、どこか見覚えのある男。いや、ダンジョンで僕達を説教した理不尽なおじさんがいたので、スルーを決め込むことにしたのだが、、、
「やあ、久しぶりだね。」
うん、声をかけてきた。おじさんはとても明るい声色で話しかけてきたので、敵意はないと判断した僕はそのまま返事を返すことにした。
「久しぶりです。あの時のダンジョン以来ですね。」
「ああ。あのときは申し訳なかった。ちょっと、イライラしていてな。そこだけは、わかっていてほしい。」
なんだ。ただのいい人ではないか。さっきまで警戒していた僕を殴りたくなった。
勿論、悪意がないということはわかったので、和解することにした。
「わかりました。それじゃあ、和解ってことで。」
そう言って、手を取り合った。
こうして、僕の悩みのうちの一つが解消された。
「ああそうだ。君にあるものを渡したくてね。」
「それって?」
「これだよ。」
瞬間、僕の腹に強烈な痛みが走るのだった。
もし、この物語が面白い。と思いましたら、どんなご感想でも結構ですので、評価やブックマークをしてくれるととても励みになります。何卒よろしくお願いします。