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5-1:小学館FTノベル賞の応募作品を206作品読んでみた!

 今回は「小学館ファンタジーノベル&コミック原作大賞(小学館FTノベル賞)」の応募作品についての分析&考察を書いていきますね。


 小学館FTノベル賞の開催期間は2023年10月6日から2024年1月5日。「ファンタジー」と「恋愛」をメインテーマにした作品を募集していました。

 受賞作品は小説として書籍化、さらにコミカライズもされるみたいです。


 小学館FTノベル賞の応募作品は206作品読みました。

 アイリスと同じように、読んだ作品すべてに独自の評価点をつけています。


 というわけで、その評価点をもとにいろいろ分析&考察した結果を発表していきますね。


 数字がいっぱい出てくる上に長いので、要点のみ知りたい場合は下の方にある『まとめ』というところまで飛ばして見てください。



 * * *



 小学館FTノベル賞の応募総数は、締め切り(2024年1月5日)時点で3581作品でした。アイリスIF3大賞は1890作品だったので、アイリスの約1.9倍は作品が集まったみたいです。

 アイリスで応募作品が一番多かったのはアイリスIF大賞(第1回)だったんですけど、その時でさえ約2500作品だったということを考えれば、小学館FTノベル賞はかなり人気のあるコンテストだったといえそうです。


 さて、今回も読む作品の条件は絞っています。


 今回読んだのは、8万字から20万字の完結済み連載作品。

 除外ワードは「悪役令嬢」「婚約破棄」「乙女ゲーム」「ざまあ(ざまぁ)」、そして「悲恋」。

 それに加えて、「ボーイズラブ」「ガールズラブ」も除外。

 男性向けの作品や、男性向けなのか女性向けなのか分からない作品も除外。

 アイリスの時に読んだ作品も除外しています。


 そうして絞り込みをした結果、206作品を読むことになりました。

 総合ポイント別の作品数はこんな感じ。


 0~99pt:44作品。

 100~999pt:77作品。

 1000~2999pt:44作品。

 3000~9999pt:27作品。

 10000pt~:14作品。


 それでは、小学館FTノベル賞の応募作品につけた独自の評価点の結果を発表していきますね。

 できるだけ平等に評価点をつけるため、事前に作品のポイントは確認せず、作者さまの実績なども調べず、その作品の内容のみで判断するようにしています。

 評価点は思いきり主観的につけています。ご了承ください。


 アイリス(第1~3回)378作品のデータも合わせて発表します。



 評価点の平均。


 1.『読みやすいか』(5点満点)


 0~99pt:2.1点【アイリス2.2】

 100~999pt:2.4点【アイリス2.6】

 1000~2999pt:2.7点【アイリス2.6】

 3000~9999pt:2.8点【アイリス2.9】

 10000pt~:2.5点【アイリス3.0】



 2.『キャラは魅力的か』(5点満点)


 0~99pt:2.4点【アイリス2.5】

 100~999pt:2.8点【アイリス3.0】

 1000~2999pt:2.9点【アイリス3.1】

 3000~9999pt:2.9点【アイリス3.0】

 10000pt~:2.5点【アイリス3.0】


 3.『起承転結があるか(クライマックスで一番盛り上がっているか)』(5点満点)


 0~99pt:2.3点【アイリス2.5】

 100~999pt:2.2点【アイリス2.7】

 1000~2999pt:2.4点【アイリス2.6】

 3000~9999pt:2.4点【アイリス2.5】

 10000pt~:2.1点【アイリス2.6】



 4.『読後に満足感があるか』(5点満点)


 0~99pt:1.9点【アイリス2.1】

 100~999pt:2.3点【アイリス2.5】

 1000~2999pt:2.4点【アイリス2.6】

 3000~9999pt:2.4点【アイリス2.5】

 10000pt~:2.0点【アイリス2.4】



 合計評価点(20点満点)の平均。


 本屋さんや図書館に並んでいそうなのが12.0点以上。

 買いたいなと思うのが15.0点以上、というイメージです。


 0~99pt:8.7点【アイリス9.3】

 100~999pt:9.8点【アイリス10.8】

 1000~2999pt:10.4点【アイリス11.1】

 3000~9999pt:10.6点【アイリス10.9】

 10000pt~:9.1点【アイリス11.0】



 きゅんきゅん度の平均。


「きゅんきゅん度」とは、恋愛ものとして欠かせない心のときめきがどれくらいあるのかをパーセンテージで表したものです。

 50%以上あれば、恋愛ものとして読める作品。

 70%以上あれば、恋愛要素が多めで満足できる作品、という感じです。


 0~99pt:37.3%【アイリス35.0%】

 100~999pt:43.0%【アイリス44.6%】

 1000~2999pt:45.5%【アイリス46.9%】

 3000~9999pt:46.7%【アイリス44.7%】

 10000pt~:48.6%【アイリス48.4%】


 きゅんきゅん度50%以上の作品(恋愛ものとして読める作品)との遭遇率。


 0~99pt:36.4%【アイリス44.0%】

 100~999pt:61.0%【アイリス60.0%】

 1000~2999pt:61.4%【アイリス66.7%】

 3000~9999pt:59.3%【アイリス59.1%】

 10000pt~:71.4%【アイリス80.0%】


 きゅんきゅん率70%以上の作品(恋愛ものとして満足できる作品)との遭遇率。


 0~99pt:2.3%【アイリス4.3%】

 100~999pt:0.0%【アイリス10.7%】

 1000~2999pt:9.1%【アイリス14.8%】

 3000~9999pt:11.1%【アイリス4.5%】

 10000pt~:14.3%【アイリス0.0%】



 好みに刺さったお気に入り作品の発掘数。


 0~99pt:2作品【アイリス4作品】

 100~999pt:4作品【アイリス13作品】

 1000~2999pt:6作品【アイリス5作品】

 3000~9999pt:4作品【アイリス3作品】

 10000pt~:2作品【アイリス1作品】


 好みに刺さったお気に入り作品の発掘確率。


 0~99pt:4.5%【アイリス4.3%】

 100~999pt:5.2%【アイリス9.3%】

 1000~2999pt:13.6%【アイリス9.3%】

 3000~9999pt:14.8%【アイリス4.5%】

 10000pt~:14.3%【アイリス4.0%】



 おまけ。

 小学館FTノベル賞とアイリス、ポイント関係なくすべて合計したデータ。



 評価点の平均。


 1.『読みやすいか』(5点満点)

 小学館FTノベル賞:2.5 アイリス:2.6


 2.『キャラは魅力的か』(5点満点)

 小学館FTノベル賞:2.8 アイリス:2.9


 3.『起承転結があるか(クライマックスで一番盛り上がっているか)』(5点満点)

 小学館FTノベル賞:2.3 アイリス:2.6


 4.『読後に満足感があるか』(5点満点)

 小学館FTノベル賞:2.2 アイリス:2.4


 合計評価点(20点満点)の平均。

 小学館FTノベル賞:9.7 アイリス:10.5


 きゅんきゅん度の平均。

 小学館FTノベル賞:43.2% アイリス:42.9%


 きゅんきゅん度50%以上の作品(恋愛ものとして読める作品)との遭遇率。

 小学館FTノベル賞:56.3% アイリス:58.2%


 きゅんきゅん率70%以上の作品(恋愛ものとして満足できる作品)との遭遇率。

 小学館FTノベル賞:4.9% アイリス:7.9%


 小学館FTノベル賞でのお気に入り作品発掘率。

 小学館FTノベル賞:8.7%(206作品中18作品) アイリス:6.9%(378作品中26作品)




 * * *



『まとめ』



 小学館FTノベル賞206作品の合計評価点(20点満点)の平均は、3000~9999ptが10.6点で一番高かったです。その後は、1000~2999ptが10.4点、100~999ptが9.8点、10000pt~が9.1点、0~99ptが8.7点と続きます。

 つまり、面白い作品は1000~9999ptのポイント帯に集まっていたということです。とはいっても、本屋さんや図書館に並んでいそうなレベルが12点以上と考えているので、全体的には物足りなく感じる作品が多かったですね。


 それにしても、10000pt~のポイント帯の評価点がかなり低くて驚きました。100~999ptよりも下になるなんて、さすがに想定外でした。

 なぜこうなったのかというと、私が読んでいるのが「応募作品」だからだと思います。面白い作品は既に書籍化しているので、「応募作品」としては絶対に出てこないんですよね。なので、このポイント帯には「高ポイントなのに書籍にするのは難しい」と判断されたお話が集まってきやすいのです。

 まあ10000pt~の中でも私の好みに合わないタイプのお話が、今回たまたま多かっただけかもしれませんけど。


『読みやすいか』については1000~9999ptが優秀です。『キャラは魅力的か』については1000~9999ptはもちろん、100~999ptも優秀でした。


『起承転結があるか(クライマックスで一番盛り上がっているか)』『読後に満足感があるか』については、どのポイント帯も物足りなかったです。

 一応クライマックスを盛り上げようと事件などを起こしてはいるけれど、読者の感情を揺さぶるレベルではない感じ。ストーリー構成力や演出力(物語をドラマチックに見せる力)が足りないと感じる作品が本当に多かったです。


 恋愛ものとして欠かせない心のときめきがどれくらいあるのかをパーセンテージで表した「きゅんきゅん度」については、高ポイントになればなるほど上がるという結果になりました。

 特に10000pt~の作品は優秀で、恋愛ものとして楽しめる作品が71.4%もありました。3作品読めば2作品は恋愛ものに当たる感じ。

 0~99ptは恋愛ものとして楽しめる作品が36.4%しかなかったので、この差はかなり大きいですね。


 お気に入り作品の発掘率は3000~9999ptが14.8%、10000pt~が14.3%、1000~2999ptが13.6%となっていて、1000pt以上の作品は優秀といえそうです。このポイント帯なら、10作品読めば1作品はお気に入り作品に出逢える感じですね。

 一方、1000pt未満だと20作品読んで1作品くらいの確率になっています。ここは思ったよりも差が激しかったかも。




 小学館FTノベル賞とアイリスの応募作品の比較もしてみましょう。


 合計評価点(20点満点)を見てみると、小学館FTノベル賞が9.7、アイリスが10.5でした。応募作品全体のレベルはアイリスの方が高かったみたいですね。


 この差が生まれた原因は、おそらく「きゅんきゅん度」にあります。

 恋愛ものとして()()()作品との遭遇率は小学館FTノベル賞が56.3%、アイリスが58.2%。恋愛ものとして()()()()()作品との遭遇率は小学館FTノベル賞が4.9%、アイリスが7.9%。

 そう、アイリスは恋愛要素の面で優秀だったのです。


 私は恋愛要素が多い作品が好きなので、恋愛ものとして満足できる作品には評価点を高くつけます。今回、その差が評価点の差として現れたと思われます。

 恋愛要素が多めの作品に出逢いたいなら、小学館FTノベル賞よりもアイリスの方が少しだけおすすめといえそうです。


 ただ、お気に入り作品の発掘確率は小学館FTノベル賞が8.7%、アイリスが6.9%です。この点においては小学館FTノベル賞の方が上ですね。

 小学館FTノベル賞は恋愛よりもヒューマンドラマ要素で魅力を発揮するタイプの作品が多かった印象でした。恋愛ものにこだわらないのなら、小学館FTノベル賞の応募作品を読むのも意外とおすすめ。




 以上、小学館FTノベル賞の応募作品についての分析&考察でした。


 今回もたくさんの作品を読むことができて、とても楽しかったです。

 ランキングが好みに合わないという人は、まずは応募作品の1000~9999ptのポイント帯から読む作品を探してみることをおすすめします。


 小学館FTノベル賞の結果発表は2024年2月末頃。もうすぐですね。

 今回は10000pt以上のお気に入り作品が2作品あるので、その作品が良い結果を残してくれるのではないかと期待しています。


 小学館FTノベル賞で受賞するにはどんな作品が有利なのか。

 結果が発表されたら、また分析&考察をしようと思っています。


 どんな結果が出るか、本当に楽しみです!




小学館FTノベル賞の結果の分析&考察も、このエッセイに追加していく予定です。

そのときには、また読みに来てもらえると嬉しいです♪



小学館FTノベル賞の結果発表、まだみたいですね(2024年3月16日時点)。

いつまで待てばいいんだろう……?

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アイリスIF大賞の応募作品を100作品読んだエッセイ。
i646209
(バナー制作/楠結衣さま)
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