3-1:アイリスIF3大賞を分析&考察してみた!
アイリスIF3大賞(第3回)の開催期間は2023年6月20日から2023年9月19日まで。
第1回、第2回と同じように、女性向けの「恋愛」「ファンタジー」をメインテーマにした作品を募集していました。
アイリスIF3大賞(第3回)の応募作品は92作品読みました。
この第3回でも読んだ作品すべてに独自の評価点をつけています。
というわけで、その評価点をもとにいろいろ分析・考察した結果を発表していきますね。
数字がいっぱい出てくる上に長いので、要点のみ知りたい場合は下の方にある『まとめ』というところまで飛ばして見てください。
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アイリスIF3大賞の応募総数は、締め切り(2023年9月20日)時点で1890作品でした。第1回は約2500作品、第2回は2048作品だったので、毎回減少しています。今回は重複応募可だったのに、応募数があまり増えていませんでした。残念です。
さて、今回も読む作品の条件は絞っています。
今回読んだのは、8万字から20万字の完結済み連載作品。
除外ワードは「悪役令嬢」「婚約破棄」「乙女ゲーム」「ざまあ(ざまぁ)」、そして「悲恋」。
それに加えて、「ボーイズラブ」「ガールズラブ」も除外。
男性向けの作品や、男性向けなのか女性向けなのか分からない作品も除外。
第1回&第2回の時に読んだ作品も除外しています。
そうして絞り込みをした結果、92作品を読むことになりました。
(ちなみに、第1回&第2回の時に読んでいるので除外した作品が29作品、女性向けではないので除外した作品が51作品、流行ワードがタイトル・あらすじに入っていたため除外した作品が5作品ありました)
92作品の総合ポイントの分布はこんな感じ。
0~99pt:25作品。
100~999pt:31作品。
1000~2999pt:17作品。
3000pt~:19作品。
それでは、アイリスIF3大賞の応募作品につけた独自の評価点の結果を発表していきますね。
できるだけ平等に評価点をつけるため、事前に作品のポイントは確認せず、作者さまの実績なども調べず、その作品の内容のみで判断するようにしています。
評価点は思いきり主観的につけています。ご了承ください。
第1回&第2回の結果(女性向け作品に絞った数値)も合わせて発表します。
評価点の平均。
1.『読みやすいか』(5点満点)
0~99pt:2.0点【第1回2.3、第2回2.2】
100~999pt:2.5点【第1回2.7、第2回2.7】
1000~2999pt:2.8点【第1回2.8、第2回2.6】
3000pt~:2.7点【第1回3.0、第2回3.2】
2.『キャラは魅力的か』(5点満点)
0~99pt:2.4点【第1回2.6、第2回2.6】
100~999pt:2.7点【第1回3.1、第2回3.0】
1000~2999pt:3.1点【第1回3.1、第2回3.0】
3000pt~:2.7点【第1回3.1、第2回3.1】
3.『起承転結があるか(クライマックスで一番盛り上がっているか)』(5点満点)
0~99pt:2.0点【第1回2.7、第2回2.6】
100~999pt:2.5点【第1回2.8、第2回2.6】
1000~2999pt:2.5点【第1回2.9、第2回2.3】
3000pt~:2.3点【第1回2.5、第2回2.8】
4.『読後に満足感があるか』(5点満点)
0~99pt:2.0点【第1回2.1、第2回2.2】
100~999pt:2.3点【第1回2.7、第2回2.4】
1000~2999pt:2.5点【第1回2.7、第2回2.4】
3000pt~:2.3点【第1回2.5、第2回2.6】
合計評価点(20点満点)の平均。
本屋さんや図書館に並んでいそうなのが12.0点以上。
買いたいなと思うのが15.0点以上、というイメージです。
0~99pt:8.4点【第1回9.6、第2回9.6】
100~999pt:10.0点【第1回11.3、第2回10.7】
1000~2999pt:10.9点【第1回11.4、第2回10.3】
3000pt~:9.9点【第1回11.0、第2回11.6】
きゅんきゅん度の平均。
「きゅんきゅん度」とは、恋愛ものとして欠かせない心のときめきがどれくらいあるのかをパーセンテージで表したものです。
50%以上あれば、恋愛ものとして読める作品。
70%以上あれば、恋愛要素が多めで満足できる作品、という感じです。
0~99pt:29.6%【第1回34.2、第2回40.3】
100~999pt:45.5%【第1回46.0、第2回42.3】
1000~2999pt:51.2%【第1回45.9、第2回44.0】
3000pt~:49.0%【第1回42.8、第2回50.5】
きゅんきゅん度50%以上の作品(恋愛ものとして読める作品)との遭遇率。
0~99pt:40.0%【第1回24.6、第2回46.9】
100~999pt:64.5%【第1回46.2、第2回58.3】
1000~2999pt:82.6%【第1回59.3、第2回60.0】
3000pt~:84.2%【第1回52.7、第2回73.7】
きゅんきゅん率70%以上の作品(恋愛ものとして満足できる作品)との遭遇率。
0~99pt:8.0%【第1回1.5、第2回3.1】
100~999pt:0.0%【第1回14.1、第2回8.3】
1000~2999pt:5.9%【第1回25.9、第2回0.0】
3000pt~:0.0%【第1回3.6、第2回7.1】
好みに刺さったお気に入り作品の発掘数。
0~99pt:2作品【第1回2作品、第2回0作品】
100~999pt:2作品【第1回9作品、第2回2作品】
1000~2999pt:1作品【第1回4作品、第2回0作品】
3000pt~:0作品【第1回は2作品、第2回2作品】
アイリスIF3大賞でのお気に入り作品発掘率は5.4%。
【第1回9.6、第2回3.7】
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『まとめ』
今回は、第1回の時と同じような結果となりました。
1000~2999ptの作品が一番平均評価点が高く、その次に100~999ptの作品、3000pt以上の作品と続きます。
やっぱり0~99ptの作品は評価点が一番低いです。
うーん、今回も起承転結が弱く盛り上がりに欠ける作品が多かったなという印象です。読みやすさやキャラクターの部分も、今までの作品たちと比べると全体的に弱い。
でも、恋愛ものとして読める作品との遭遇率は、これまでで一番良かったです。
1000pt以上の作品の8割は「恋愛もの」! すごい!
恋愛要素を入れようと頑張っている作品が増えてる感じです。良い傾向!
それなのに、なぜか3000pt以上の作品の評価点が思っていたより低かったんですよね。
なろうで人気の設定を使うことに気をとられて、文章力やキャラ設定が微妙な作品が多かったからかな? 設定のせいで主人公のキャラがぶれていたり、無個性になっていたりする作品が多い感じでした。
文章力やキャラ設定に問題がない作品は、既に書籍化してるんでしょうね。
今回のお気に入り作品の発掘率は『5.4%』でした。20作品読んだら1作品くらいの確率で発掘できる感じ。
今回は0~99ptの作品から2作品も発掘できて、ちょっとビックリ。
前回よりは発掘率が上がったので、嬉しかったです♪
ただ、3000pt以上の作品からお気に入り作品がひとつも出ていないんですよね。なので、私が推している作品が受賞するのは難しそうです。一次通過も厳しいだろうなあ。
今回も寂しい結果発表になりそうです。
次は、応募作品を読んでいて困ることについて書いていきます。