†晴天の空の下では町の噂が広がる†
「ローレリア様、ベディヴィア公爵令嬢のローレリア様が殿下に婚約破棄をされて服毒自殺をしたらしいぞ!」
「ええ? あの優しい方がどうしてそんな事に?」
「なんでもディルイア殿下が贔屓にしていた男爵令嬢に悪い事をしたらしいぞ」
「ローレリア様が? 信じられない」
「まってまって私は聞いたよ。冤罪で罪を被せられたって」
「冤罪っ!?」
「ああ、そうさ冤罪さ。なんでもその男爵令嬢を贔屓にしていたのは殿下だけではなく、騎士団長のご子息様とかローレリア様の弟 ロダン様も含めて数人程、5人だったかもしれないし6人だったか? 魔導士長のご子息様も居たはず。とにかくそのくらいの人数の男性が男爵令嬢を気に入っていたらしい」
「はぁ、なんでまたその男爵令嬢ってのはそこまで気に入られているんだい?」
「男の扱い方が上手いんだろうよ。知らないけど、話は戻すけどそのど偉いご子息様達が気に入っていたらさ、ど偉いご子息様の婚約者達がどんな気分になると思う?」
「私だったらくっそムカツク男爵令嬢にも男にもね」
「だろ? だからその婚約者の令嬢達が男爵令嬢に嫌がらせをしていたんだよ」
「まぁ、それは仕方のない流れでしょ、むしろよくやった!」
「私もそう思うんだけどその令嬢達は自分達の罪を全てローレリア様になすり付けたんだよ」
「ええ!? なんでっ!!!」
「ローレリア様だけは令嬢達と一緒に行動しなかったのさ、ただじっと耐えて我慢してたんだよ」
「はぁ、殿下はいつか自分の所に戻ってくるって待っている系の女だったんだね、ローレリア様は」
「そう! だけど結局待っていたのは冤罪で断罪されて裏切られた、ローレリア様の心はさぞかし絶望しただろうね、なんでも自分が断罪されると分かっていたらしいから舞踏会に毒を持参していたらしいよ」
「ローレリア様、なんて可哀そうな」
「ローレリア様はね、最後の最後まで殿下を愛していたらしい。私達、民とそして殿下を支えたかったとそして愛していたと、最後の言葉は殿下に幸せになってほしいって言って終わったらしい」
「ええ? そりゃちょっと出来過ぎじゃない?」
「本当の話だよ、大勢の人間が見てた中であった出来事さ、同じ話をどの屋敷の使用人達からも聞いたよ」
「ああ、ローレリア様おいたわしや」
「大勢が集まる舞踏会の場で婚約破棄をを命じられて恥をかかされた上に冤罪までかけられ、それでも一途に殿下を想い続けて死ぬだなんて、とんでもない悲劇だわ」
「そのあとローレリア様はどうなったんだい!」
「ローレリア様は従者に連れられたってさ、なんでも思い出の場所に行くとか、その思い出の場所って知らないけどね」
「……まって、それって花畑じゃない?」
「なんでそう思うんだい?」
「この間さ、木の実を取りに行った時にお役所の人達が花畑に居たの、その時に役人の人達が見ていたのは真っ黒い木材、結構な大きさだった馬車が焼けて朽ちたらあんな感じかなって思うくらいのやつ、もしかして従者はローレリア様の後を追ってローレリア様の遺体を胸に焼身自殺したのかしら」
「うわ、……っ、それはもう確実に」
「役所の人達の顔はどんな感じだったんだい!」
「遠くて分からないけれど、もしかしたら凄く焦っていたかも」
「焦っていたって事はきっと骨があったんだ、二人の」
「そうか、その従者ってのはローレリア様の事を愛していたんだね」
「まぁ、なんて事なの」
「身分違いの恋、そして手の届かない想い。片思いでも死ぬ時まで一緒だなんて泣けるじゃない」
「辛いねぇ、せめて二人があの世で仲良く幸せにしている事を祈るまでさ」
「そうね、きっとあの空の上でローレリア様と従者の人は穏やかな時間を送っているはずだわ」




