仕事は坊っちゃんに「おやすみ」を言うこと 《異世界恋愛》
《あらすじ》
メイドのメアリには一風変わった仕事がある。お勤めしているお屋敷のご令息、アイザック様に『おやすみ』を言い、朝まで添い寝をすることだ。それの始まりには深く悲しい理由があったのだけど、すでに十年以上が経過してアイザックは立派な青年となった。いい加減、この習慣はやめなければならないとメアリは考えているけれど……。
私の仕事は変わっている。雇い主は伯爵で事業家でもあるノエル・アルバーン様。表向きの役割はハウスメイド。だけど一番重要な仕事は旦那様のひとり息子アイザック様に『おやすみ』を言うことだ。もう十三年も続けている。
でも今それが、大問題になっているのだ。アイザック様はお年頃の十九歳。伯爵家の跡取りで聡明かつ美丈夫だから、婚約の打診は後を絶たない。でも全て成約にいたらない。理由は……。
「父上。僕の出す条件なんて、たったひとつです。それを飲めない方とは結婚など不可能です」
アイザック様の言い様に応接間のソファに座った旦那様が頭を抱える。ここ数年続くやり取りで新鮮味はないけれど、当事者になってしまっている私は居たたまれない。
「僕はメアリの『おやすみ』の一言と添い寝がなければ眠れません。父上もよくご存知でしょう」
「どこの世界に妻とメイドと同衾する男がいる」と旦那様。「いや、いるかもしれないが、結婚前からそれを条件に出す阿呆は世界広しといえどもお前だけだ。いい加減、メアリから卒業してくれ」
「僕をこのようにしたのは父上でしょう」
旦那様が私をちらりと見る。殺意のこもった鋭い目。私はただ縮こまることしかできない。
旦那様は深いため息をついた。
◇◇
私が伯爵様に雇われたのは、十一歳の時だった。
父は平民だったけれど旦那様のように事業をしていて私は裕福に育った。けれど十の歳に母が病で亡くなり、すぐに新しい母と姉たちがやって来た。それから一年も経たないうちに今度は父が事故死。義母は私を使用人に落とし、暴力をふるうようになった。
それを見かねた父の仕事仲間が、伯爵邸の仕事を紹介してくれたのだ。どうせ働くなら給金が出たほうがいいだろう、なに、伯爵様は良い方だから何の心配もないよと言って。
ところが私に会った伯爵家の面々はひどく驚いた。私の声がふた月ほど前に亡くなった伯爵夫人とよく似ているというのだ。夫人は二十代半ばの立派な大人であったけれど、声だけは幼くやや舌ったらずだったそうだ。
そうして私の特殊な仕事、アイザック様に『おやすみ』を言うことが始まった。
伯爵夫人は馬車で移動中に盗賊団に襲撃され殺されたらしいのだが、その時にアイザック様も一緒にいたという。母が抱き締めていたおかげで賊に死んでいると思われ生き延びたとか。
不幸中の幸いだけれど、当時六歳だったアイザック様には辛いことだった。
恐怖や悲嘆から眠れなくなったアイザック様は不眠になりどのような対処法も効果がなく、日に日に弱っていった。そんなところに私が現れたのだ。
伯爵は可愛いひとり息子にこう言った。『神様の特別な計らいで、アイザックが良い子にしていたら夜だけお母様が一緒にいてくれることになった。だけれど決して目を開いてはならないよ』
私は明かりを落とした暗い部屋で、父親の言い付けを守って懸命に目をつむっているアイザック様の枕元に行き、頭をそっと撫でる。そして『お母様』として
「おやすみ、アイザック」
と言う。
するとアイザック様は
「はい、おやすみなさいお母しゃま」と舌足らずな口調で返して眠りにつく。私はそのまま空が白むまでお側で見守る。
最初の頃は床に座ってうとうととしていたのだけど、アイザック様が大熱を出した晩から添い寝になった。泣きながらも必死に目をつむり、
「お母しゃま、お母しゃま」
と、私をひっぱるアイザック様に根負けして、ベッドの中で彼を抱き締め共に眠ったのだ。以来、その状態でないとアイザック様は眠れないようになってしまった。
アイザック様に私の存在を知られないよう、昼間は彼の視界に入らないよう細心の注意を払ってメイドの仕事をした。
そのおかげでアイザック様は十四歳になるまで、亡くなった母が夜だけ会いに来てくれていると信じていた。
実は母ではなくただのメイドだと分かった後もアイザック様は私の『おやすみ』と添い寝がなければ眠れなかった。そのせいで寄宿学校に入ることもできなかった。そうしてこの頃から旦那様とアイザック様の私を巡るケンカが始まったのだった。
今のアイザック様は本邸を離れて大学に通っている。父親の事業を手伝うために必要な勉学を修めており、とても優秀らしい。飛び級もしている。
そんなに立派であるのに私がいなければ眠れないアイザック様は寮には入れないので、近くに小さな屋敷を借りて住んでいる。当然、ご学友の溜まり場になる。しかもアイザック様は私とのことを平気で仲間に話すので、彼らの間で私は『母代わりのメアリ』と呼ばれている。
私は使用人であるにも関わらず、ご学友たちは気軽に話しかけてきて、外の世界で《息子》がしたこと──主に悪ふざけなのだが、それを話して最後に「叱ってやってくれ!」などと言う。アイザック様はそんなやり取りを楽しんでいるようだ。
私にとって今の生活は悪くない。けれど十九にもなるアイザック様が私なしでは眠れないのは問題だし、時おり旦那様がやって来てはあのようにケンカになる。本当ならば私は、アイザック様が私から卒業できるようにしなければならないのだけど──。
◇◇
今日、応接間から聞こえるのは賑やかな笑い声だ。旦那様がお帰りになったのでアイザック様のご学友たちが来ているのだ。
楽しげな雰囲気を感じながら廊下を歩いているとご学友のひとり、リアム・コッカー様がやって来た。
「アイザックのやつ、また伯爵とケンカになったんだって?」
リアム様はご学友の中でも特にアイザック様と仲が良い方だ。しかも懐が深い。長期休暇になると自分の屋敷に友人を招待するのだけど、アイザック様に付いていく私への配慮もする。
父親は公爵で、アルバーン家よりもずっと規模の大きな事業を手掛けている。そのような身分の方が使用人風情に話し掛けてくるのは普通ではないような気はする。けれど私もすっかり慣れてしまった。
私がはいと答えれば、たったそれだけの返答にリアム様は楽しそうにお笑いになる。
「お願いです、リアム様からも説得して下さいませ。このままで良い筈がありません。アイザック様には不眠の治療を受けてほしいのです」
「無理だね。ことはそう簡単ではないようだから。僕の説得で治療に行くのなら、とうに行っているさ」
「このままではアイザック様の将来に関わります」
「そうかもしれないな」
ここ二、三年は私も危機感を持っている。いくらトラウマがあろうとも、アイザック様はもう子供ではない。母親が恋しい年齢ではないはず。なのにアイザック様は私の『おやすみ、アイザック』の一言がなければ眠れない。何度となく自ら、もしくは旦那様の指示で勤めを辞めて姿を消したけれど、毎回アイザック様は二日以内に私を探し当てた。目の下に濃いクマをつくり、頬はげっそりとこけさせて。
最終的にアイザック様の掛かり付け医に、命の危険があるから離れてはならないと命じられた。
「でも君は、アイザックの将来が心配なだけで、『おやすみ係』が嫌な訳ではないのだろう。もう少し様子を見てみたらいい」
「それは……」
以前、口の上手いリアム様に乗せられてつい明かしてしまった本心だ。初仕事の夜、舌足らずな口調で母親を求めるアイザック様に心を打たれ、力になりたいと思った。以来その気持ちが消えたことはない。
「学生のうちはまだ構わないと、僕は思う。いっぱしの社会人になったら流石に改めるべきだけどね」
「でも旦那様が、社交界でおかしな噂になっていると仰っていました」
「ああ、それは」と笑いながら頷くリアム様。「アイザックはどこでも、誰が相手でもこのことを隠さず話すから。こんな面白いネタに食いつかない人なんていないさ。本人が噂されていいと考えているんだ、君が心配することはない。──と言っても君なら心配してしまうか」
リアム様は振り返り、応接間を見た。それから再びこちらを向くと、ぐっと顔を近づけ、手を口元に当てた。
「これは内緒だ」とひそめられた声。「アイザックは父親が嫌いなのさ」
「え?」
そんな話は聞いたことがない。
「彼の母親が亡くなったとき、父親は何をした?声がそっくりの少女にすべてを押し付けただけ。自分が息子の添い寝をしようとはしなかった」
「当たり前のことではないでしょうか」
上流階級では大人と子供の世界は分かれている。親が子と共に眠るなんてあり得ない。
「だけどアイザックは普通の状態ではなかった──と執事からも聞いている。本当に息子が心配ならば慣習にとらわれている場合ではないだろう?だが伯爵は違った。自分は何もせず君にやらせ、であるにも関わらず、都合が悪くなったら君を厄介払いしようとする。
彼の不眠が治らないのは、父親に対するそんな不満もあるのさ。君が気に病む必要はない」
「アイザック様からそんなお話は聞いたことがありません」
寝る前にアイザック様はたくさんの話をする。昔は目をつむったまま『お母しゃま』に、今は視線を合わせて私に。でも父親への不満など一度も耳にしたことがない。
リアム様は目を細め、いたずらげな表情になった。
「彼だって君に話せないことのひとつやふたつあるさ」
──当然のことだ。私は使用人で、彼の母親のニセモノでしかない。
そう思うのに、胸の奥にキリで突かれたような痛みがある。
「リアム、何をしている」
掛けられた声にはっとする。応接間からアイザック様が顔を出してこちらを見ている。
「君の話をしていたのさ」とリアム様。「彼女は君のことが心配でならないらしいから」
するとアイザック様の顔が緩んだ。
「メアリ。僕のことで煩わせてすまないね。いつかきちんとするから、心配しないでくれ。父上のことなら放っておけばいい」
ね、と笑みを浮かべるアイザック様にかしこまりましたと答える。
◇◇
アイザック様の『おやすみ』係を初めて三ヶ月ほど経ったころ、彼が夜中にうなされはじめた。顔は汗だくで、触れると炎のように熱かった。まだ十一歳だった私は狼狽し呼び鈴があることも忘れて、部屋を飛び出した。誰か大人を連れてこなければと暗い屋敷内を走り、扉から光が漏れている部屋を見つけた。
駆け寄り聞こえてきたのは、旦那様とそのご友人の声だった。
「君は悪人だよ」と笑いを含んだご友人の声。「ライバルの愛娘をいびるために雇うなんて」
「平民のくせに調子にのるほうが悪い。あいつのせいで我が事業は傾き、資金援助を父に頼みに行った妻は盗賊に遭ってしまった。恨みを晴らしたかったのに、さっさと事故死するのだから、どこまでも腹の立つ奴だ。せめて娘を悲惨な境遇にしてやりたいと考えて何が悪い」
「悪いに決まっている、悪人め」
「だが結果的に良かった。まさかあの小娘が妻と瓜二つの声とは。おかげでアイザックが眠れるようになった」
「ま、これであの娘は助かったな。悪人の旦那様に虐められずに済む」
「当面はな。用無しになったら娼館に売り付けてやるさ」
「……まだ子供だろ?」
「だから?」
話題に上がっている娘が自分のことだと分かった。娼館がどんなところなのかは知っていた。義母に一度売り飛ばすよと連れていかれたことがあったのだ。
膝がガクガクとし、恐怖とショックで涙がボロボロとこぼれた。震えながらなんとか寝室に戻ると、アイザック様が
「お母しゃま、お母しゃま」と繰り返し呟いていた。
伯爵邸に来る前、義母の暴力が辛かった私は、毎晩亡くなった母を思って泣いていた。優しい母に会いたくて仕方なかった。だからこそまだ幼いアイザック様の力になりたいと思ったのだ。
このまま屋敷にいたら娼館に売られる。
だけれどアイザック様を見捨てたくもない。
どうするのがよいかと迷ったものの、布団の上をさ迷うアイザック様の手を見ていたら心は決まった。──売られるときに逃げればいい。
そうして私はお屋敷勤めを続けることにしたのだった。
今にして思えば、アイザック様の力になりたい気持ちは半分で、残りの半分は誰かに必要とされたい気持ちだったのではないかと思う。
いずれにしろ私はアイザック様を選び、予想外に長く母親を演じることになった。旦那様が私を殺したい目で見るのも仕方ないことだ。今ではアイザック様の手前、私を娼館に売ることもできないらしい。退職させられた時も売られはしなかった。
だから私は安心して『おやすみ』係を卒業できるのだ。アイザック様にも一刻も早く私を卒業して、安心して眠れるようになってほしい。──それが使用人としての、わきまえた望みのはずだから。
◇◇
私と旦那様の希望とは裏腹に、アイザック様は私から卒業できないまま月日が過ぎた。婚約者も決まらない。伯爵家の跡取りとしては由々しき事態なのに本人はどこ吹く風だ。
そうしてついに明日は大学卒業の日。いつだったかリアム様がアイザック様がひとりで眠れなくとも『構わない』と言っていた期間が終わる。
だというのにアイザック様はニコニコしてベッドの上に胡座座をかき
「メアリ」
と私を呼ぶ。今日も旦那様と大喧嘩をしたのに。
「そんなに心配そうな顔をしないで、こちらにおいで」
仕方がないので一礼してベッドに上がる。自分より高い位置にある頭をそっと撫でて
「おやすみなさい、アイザック様」と静かに言う。
「メアリ。君の仕事は今日で終わりだ」
「え?」
「本当はとっくにひとりで眠れる」
息を飲む。
「君が母でないことも、小さいころから知っていた」
「小さいころ?」
「そう。六つのころ。熱を出した夜から。ずっと騙していて悪かった」
「六つ……」
そんなの、ほぼ最初からではないか!
呆然としているとアイザック様が私の頭を撫でた。
「……熱くて苦しくて辛いときに、母上の手が離れたんだ。行かないでほしいと目を開くと母上が部屋を出ていくのが見えた」
それはあの晩だ。旦那様の話を聞いてしまった晩。
「また母上がいなくなってしまったと絶望したけど、やがて戻ってきてくれた。でも母上ではなかった。泣いている少女だった」
アイザック様がまた私の頭を撫でた。
「少女は僕の手を握り、母上の声で『お母様』と繰り返し呟いていた。僕はこの人も僕と一緒で母がいないのだと思った。朝になると『母』はおらず執事やメイドに看病されていたから夢だったかとも考えたけど、夜になったらまた少女が現れて母上の声でおやすみと言った。だから夜に現れる『母』のことをこっそり調べ始めたんだ」
「何故ですか。私を問い詰めるなり、旦那様に尋ねるなりすれば簡単でしたのに」
「あの晩君は『売られたくない』とも言った。父は気に食わない使用人に向かって『売り飛ばすぞ』と脅すことがあったからね。君を母だと信じているふりをしたほうがいいのだろうと、幼いながら考えたんだ」
それに、とアイザック様ははにかんだ。
「僕には君の『おやすみ』が必要だった。父が口にするおざなりの言葉じゃない。優しさに満ちた『おやすみ』だったから。君がいなければ寝られないのは本当だったよ。十歳くらいまでだけど」
「十歳……。十年以上前ではないですか!」
どうしてと詰め寄る私の手をアイザック様が握りしめた。
「君の父上が事業に成功したことで、僕の父の事業は危機に陥った。父はそれを逆恨みして鬱憤を晴らすために君を雇い入れたんだ」
「ご存知だったのですか!」
「やっぱり君も知っていたのか」
はっとして口をつぐむ。
「執事がすべて教えてくれてね。僕が『母』を必要としなくなったら君は娼館に売られるというから、ずっと君なしでは眠れないふりをしていた。彼は僕と君の味方だよ。君が辞めるたびに行き先を調べて僕に教えてくれていた。父は執念深い。僕の目の届かないところへ行った君に害をなす可能性があったんだ」
「私を守って下さっていたのですか」
アイザック様が穏やかな顔で頷く。
「ずっと……私がアイザック様の力になっているつもりでした。驕りだったのですね」
「それは違う!メアリの存在がどれだけの安心を僕にくれたことか。君がたった一言『おやすみ』と言ってくれるだけで不安も恐怖も消えたんだ。その声が母のものでないと知ってからもだ。だから僕は君を守りたいと思った」
あまりに予期せぬお話に胸がつまる。言葉が出ず、代わりに頭を下げた。
「顔を上げて、メアリ。まだ話はある──明日で僕は学生の身分が終わる。これからは父の事業の手伝いをする予定だ」
旦那様のご希望でアイザック様はご友人と卒業の感慨にふける間もなく、仕事に就くらしい。ご友人たちの多くは見分を広めるためのご旅行に行くというのに。
「僕はこの時を待っていた。明日、父に選択肢を突き付ける」
「選択肢?」
「今後一切君に、娼館に売る等その他の害悪を為さないとの誓約書を書くかどうか」
誓約書?
いまいちアイザック様の意図が分からない。だけれど彼はにっこりとした。
「書くのならば僕は父の望む通りに生きよう。だが書かない、もしくは誓約書の誓いを破ったなら、家を出る」
「ですが、それは」
「コッカー公爵の会社で雇ってもらう」
リアム様の父君!私も何度かお見かけしたことがある。コッカー邸に泊まったときに。近寄りがたい雰囲気の方だけれど、アイザック様とはいつも議論を楽しんでいるらしい。
確かにあの方ならば雇ってくれるかもしれないけれど。
「既に話はついている」
とアイザック様。なんて手回しが良いのだ。
「公爵の承諾書も貰っている。あちらは公爵、父は伯爵。父にはどうにもできない」
「でも旦那様はお怒りになるでしょ」
「怒って僕を絶縁したとしても、僕にはたいしたことではないよ。もう何年も前から庶民になる可能性も考えて計画を練ってきたから。そんなことにはならないと思うけどね。父もそこまで愚かではないはずだ」
アイザック様は自信満々の顔をしている。
「……何年も?」
「そう、何年も。待たせてしまいすまないね。だけれど明日には君の脅威はなくなるし、この仕事は今夜限りなのだ」
『今夜限り』。
その言葉に胸の奥に痛みが走った。
アイザック様の不眠が治ることを願っていたはずなのに。相手の存在を必要としていたのは私のほうだったらしい。
「アイザック様は旦那様に選択肢を突き付けると、お決めになっているのですね」
「その通り」
「分かりました。では、そのように」
頭を下げる。と、アイザック様の手が私の頭を優しく撫でた。
「おやすみ、メアリ」
「はい。おやすみなさい、アイザック様」
「明日からは……」
途切れた言葉は、なかなか続かない。顔を上げるとアイザック様ははにかんだお顔で頬をかいていた。
「いや、やっぱり明日言おう。それから今夜は昔のように『様』はなしでお願いしたい」
私は頷いて手を伸ばした。
「おやすみ。アイザック」
エブリスタ




