社畜、転生す
結論から言う。
俺は死んでしまったらしい。
原因は過労死。
残業200h越えの超絶ブラック企業に勤めていたのでいつ死んでもおかしくない環境にはいたと思う。
なんかもう1周回って後悔はない。
今はこの何も無い空間が心地いい…。
あぁ意識が………………
「ちょっと待ちなさい!!」
甲高い声が鳴り響いた。
なんだ…?今眠れそうだったのに…
「消える前に人生やり直してみない?」
あぁ…お決まりの展開だ…。
これは多分……
社畜「あの……女神様だったりしますか?」
「理解が早いじゃない!私は女神イシュタルって言 うの!当然知ってるわよね!」
いやそんなさも常識みたい語られても…
宗教関連の知識は疎いんだが…
まぁそんな事は置いといて
イシュタル「私は愛と美の女神!愛でることを許すわよ!」
社畜「そんな事はいいんで転生の話ですよね?」
早々に本題を切り込んだ。
イシュタル「あら可愛くないわね。話が早くてたすかるけど、こんな可愛い女神がいたんですもの。もう少し騒いでもいいのよ?」
社畜「俺は転生しません。」
イシュタル「話を聞きなさいよ!!」
怒号が鳴り響く。
そんな事言われても嫌なものは嫌なのだ。
イシュタル「このまま寝たら、あんたは空間に溶けて存在自体が完全に無になる。それでもいいってわけ?」
社畜「なんすかソレ…最高じゃないすか!」
もう何も考えなくて済むんだ。
このまま人生を終えよう。
イシュタル「駄目。私が許さない。」
社畜「えぇ…?なんでぇ…?」
この女神様は人の意見なんか聞く気はないらしい。
なぜこんなにも疲れてるのに寝かせてくれないのか?
転生したいとすれば動物園にいるナマケモノになりたい位だ。
イシュタル「あんたのその異様なまでの責任感。必ず次の世界で活かせるわ」
社畜「責任感……?」
責任感…?まぁ確かに与えられた仕事は真面目にこなしていたが……
イシュタル「あんた仕事押し付けられ過ぎて会社の8割の仕事あんたがやってたのよ?」
社畜「ナニソレ!!マジで!?8割!!?」
驚愕の結果である。そりゃ過労死するわ。
イシュタル「普通は死ぬ前に辞めるなり幾らでも選択肢はあるんだけどね…」
社畜「仕事を終わらせたら辞めようとは思ってたんですが…」
イシュタル「終わる訳ないじゃない!ほぼあんた一人で会社の仕事やってたんだから。それで死んでちゃマジで馬鹿みたいよ!」
まぁご最もである。
俺だけ仕事量がおかしいとは思っていた。
イシュタル「私はそのメンタリティに着目したわけ!最後まで折れない精神力にね!」
社畜「女神様?俺の話全然聞く気ないですよね?」
雲行きが怪しい…コレは…
イシュタル「私が見てきた中でかなり面白い人間よ!このまま消えるなんて勿体ないわ!」
社畜「女神様?ですから」
イシュタル「あんたに恩を売ってあげる!!また人生をやり直すチャンスをね!」
社畜「だからいらないって言ってんでしょ!!」
女神っていうのは皆こうなのかふざけやがって!
イシュタル「次の世界は実力重視の世界!個々の強さ事にランク分けがされてるわ!そしてこれは命令よ!最強になって帰ってきなさい!!」
社畜「いやだからやらないって!!おい!下に魔法陣っぽいものが!!話を聞け!!」
イシュタル「あ!パラメーターは1個オマケで特化しとくわ! じゃあ私の期待を裏切らないでよね!!」
社畜「このクソ女神がァアアァァ!!!!」
こうして、自己中のクソ女神に恩を売られた俺は転生する事になった。
しかも最強なれと言う制約付きで。
前の世界より最悪の事態にならないことを祈る。
読んで頂きありがとうございます。
暇つぶしにぼちぼち更新します。