その続き的な。
『どういういみねこ?』
「何が、かな?」
唐突のねこからの質問に首を傾げた酉
『ひつじとさるのことねこ』
「……なんの話かよく見えないんだけど」
『ねこねこにゃんにゃんねこ』
「いやわかんない」
『さるがひつじにあまえているんじゃなくて、ひつじがさるにあまえている、というとりのけんかいのことねこ』
「ああ、未クンに申クンを好く理由でも聞いたんだね」
『わかるねこ?』
「理由を答えたくないなら、そう答えて誤魔化すのが無難だって教えたのオレだしね」
酉はどう答えようか、と少し思惟して、
「申クンの中には"憐憫"が入っているんだよ」
と言った。
『つまり、さるはひつじをあわれんでるってことにゃん?』
「そういう事」
「……なんかひつじがかわいそうねこ」
「本人はそれで良いって思っているから、君が気にする必要はないと思うよ……卯クン」
物陰から卯がひょこっと頭を出した。
「……バレてたのね」
「まあね」
それでもしばらくは申は卯にちょっと冷たくされたのでした。
「なぁ卯、俺なんかした?」
「自分の胸に聞いてみなさい」
『ひつじといてさるにめりっとはあるねこ?』
「さぁ、どうかなぁ。
穢れは自分の利益にならないことはしないから、何かはあるだろうね」
と酉は少し大袈裟に肩を竦めた。
『でも、そしたらじゃけんにあつかうりゆうはなんなのにゃ?』
「きっとそこに申クンの利益があるんだよ。でもこれ以上は本当に聞かないでくれるかい。いま出ていかれると困るんだ」
『ふに?』
ーー
by妹。