蹴る。
日常的な描写をちらほらする予定。
『に¨ゃん』
「あ」
「ごめん大じょ」
その瞬間、跳んで蹴りの構えをとった卯が見えた。
「ぐ、」
同時に鉄鋼が落ちてきたかのような衝撃が、腹部に刺さる。 骨が砕ける音と肉がちぎれる音、潰れる音が内側から聞こえ、腹の底から迫り上がってくるものがあった。 堪え切れずに少し、口元を抑えていた手に吐き出した。
ぐっ、とどうにか耐えて立ち止まろうとしたが勢いは消せず、酉は膝をついた。
「ふん」
華麗に着地を決めた卯は鼻を鳴らし、つんと澄ました様子で遠くに飛んだねこを回収して去っていった。
×
「なあ酉、大丈夫か」
「平気平気。 なんともな」
(体液が口から溢れて倒れる
「本当に大丈夫かお前?!」
「……常人なら全治1ヶ月、ってとこさね」
「愚かですねー」
※1週間で治した
要約すると酉が組織内を歩いていたら急に足元にねこが現れ、酉はそのまま、ねこを蹴り飛ばしてしまった。
弾力のあるねこは蹴られたゴム毬のように勢いよく遠くに飛ばされ、酉がそれ認識した瞬間に、目の前に怒りの表情で飛び蹴りの姿勢をとった卯が現れ、そのまま腹を思い切り蹴られた。
卯の脚力は凄まじく、今まで膝を付いたことのなかった酉を跪かせる程の勢いがあった。
耐えられると酉は踏んでいたが、凄まじい勢いは酉に『痛み』を強く自覚させ、このままだと危険だと判断した酉は自身から痛覚を一瞬で抜きとったものの、衝撃が消せるわけではないので、そのまま膝を付いた。
それを一通り見ていた申が心配そうに声を掛け、酉はいつも通りに答えようとしたが、破壊された内部は修復されておらず、酉はそのまま倒れる。
後日、全治ひと月をいいわたされた。