第4章・ちょいと過去編①
あれは確か高校に入学してからやっとみんなが慣れ始めた4月の終わり頃
俺はほんの少し前に引っ越して来たばかりでこの街に慣れるのに精一杯で友達も1人しか出来おらず、ぶっちゃけ事件が無くてもぼっちコースを辿りそうな始末であった
それでも高校入学後すぐに出来た唯一の友達である瑠奈とは結構話してたりしてた
まぁたまたま知り合って好きなアニメや漫画が好きだったっていう事で仲良くなれたんだが
多分高校生活はじめての友達だと思う
そしてその事件(?)の日も俺は瑠奈と2人学校から二駅ほど離れた場所にあった大型ショッピングモールにあるアニ〇〇トのような場所に来ていた
俺達は目的の限定グッズのために朝早くからその店の前に並んでいたもののまさかの一つしか手に入れることが出来ないという事態になり店の前でどちらのものにするか話し合っていた
「んー、どうする?ここは無難にじゃんけんで決めるか?」
と俺が言う
例え相手が女子だろうが男には譲れないものがある
それを聞いた瑠奈は
「いや、ここはじゃんけんなんかで決めるべきじゃない。ゲームで勝負しよう」
と提案してきた
俺達2人は一般と比べると総じてゲームが上手い部類に入る
だって他に遊ぶ友達がいないからゲームする時間が必然的に多くなる……なんか言って悲しくなるな
そして得意分野は異なるが俺と瑠奈の実力は大抵が拮抗している
それを受け俺は
「いいぜ、ならゲーセンに行って勝負だな」
と快く受け入れた
その後俺と瑠奈はその店でそれぞれの目的の品を買った後ゲーセンに向かうことにした
ゲーセンに着いてまず俺は瑠奈に
「ならとりあえず5本勝負でいいか?先に3本取った方の勝ちで」
と聞くと瑠奈は
「分かった、それでいい。まずはどれからする?」
と返してきた
それに俺は
「そうだな・・・なら最初はUFキャッチャーでいいか。小物を取るやつで数取れた方の勝ちな」
と言うと瑠奈が頷いたので俺達はどこのゲーセンにもある飴やチョコを取るタイプの奴の元へ行く
そして
「なら300円で取れた方の勝ちな」
と言う俺の言葉をきりに俺と瑠奈はそれぞれ台を探さ始めた
こういうのはなるべく落ちやすいように溜まっている奴が狙い目だ
そして俺は良さげなところを見つけるとそこで早速はじめることにした
数分後、俺は3回のプレイで12個ものお菓子をゲットすることに成功していた
まぁまぁの戦果だろうと思い瑠奈を探す
すると瑠奈は取ったものをビニール袋に入れているようで俺の方へと向かってきていた
「どうだった?俺は12個しか取れなかった」
と俺が言うと瑠奈はにやりとして
「私は28個、私の勝ち」
と言ってきた
それを聞いて俺は驚きながら
「28個!?いったいなにを取ったんだ?」
と聞くと
「これ、数取るだけなら1番簡単」
といい袋から取ったものを見せてくれる
それはよく見るプラスチック製の宝石の形をした玩具だった
それを見た俺は
「あ〜、その手があったか……。それなら簡単に取れるもんな・・・1個目は俺の負けか」
とため息をつきながら言った
それを見て勝利者の余裕からか瑠奈が
「次も呂阿が決めていい」
と言ってきたので俺は自分の得意分野をここで使用することにした
「よし、なら次はシューティングゲームだな。バ〇ハやろうぜ」
と言うと俺達は目的の機体の前へと向かっていく
シューティングゲームは動体視力の良さからか昔から得意で少し前はゲーセンのスコアを荒らしまくっていた
お目当ての機体に着いてみると誰もそのゲームはしておらず丁度良かった
お金を入れてはじめる準備をしてから俺は
「勝負内容は単純にスコアだな。それじゃはじめるぞ」
と言いスタートボタンを押した
そして何の波乱もなく無事俺の圧勝にて勝負は終わりを告げた
まぁ瑠奈も上手いが俺には叶わない
俺は勝ち誇ったように
「今回は俺の勝ちだな」
と瑠奈に言う
すると次は瑠奈が勝負を決めるようで
「次は私が決める、次の勝負は音ゲーにする」
と言ってきた
音ゲーは瑠奈の最も得意な分野である
そして俺の最も苦手な分野でもある
なぜなら俺は基本的に殆どのことは並大抵に出来るが飛び抜けて出来ないのが音楽系である
歌もだめ、楽器もダメ、なんの曲を聞いても同じに聞こえると言うと逆ハイスペックである
言わゆる、音痴である
瑠奈の音ゲー選択を聞いた俺は
(ここで一本とって先に王手をかけるつもりか、これは負け確だから次のやつを慎重に選ばないと)
と思いつつ
「分かった」
と瑠奈に了承しておく
すると瑠奈はこの勝負勝ったと確信したような笑みを浮かべながら俺達は音ゲーのある場所へと向かっていった
その間俺はずっと次をどうするかを考えていた
このゲーセンは広いためかなりの種類のゲームがあるから慎重にならないといけない
格ゲーやらの対戦ゲームは実力がほぼ互角だから安定して勝ちはとれない
かと言って麻雀やクイズ等も運要素が強い
そんなことを考えていると音ゲーの機体のある場所へとたどり着いた
俺は考えと覚悟をきめゲームをはじめるべく機体に立ち向かう
そして苦痛の数分間が終わりをつけた
結果は言わずもがな俺の大敗である
……To be continued →