第4章・クラスメイト達の腕試し(後)
俺が向かってくることによって3人は意識をこちらに戻したようで俺に対して身構える
そして俺を警戒しつつ3人は相談しはじめた
「・・・・どうする希暗、もう私は魔力がほとんどないわよ……それに体力も………」
と桜前が2人に言う
それに続くように
「私ももう魔力ほとんどないよ………魔力の無い私なんて荷物にしかならないね………」
とやや自嘲混じりに言ってくる
それらを聞いて希暗は
「・・・・・僕が足止めするから逃げて欲しい」
と言うと切れていた精霊魔法を再び使うとそのまま
そして2人の制止を聞かぬまま俺に接近してきた
それを見て俺は口を開く
「懲りぬ奴だな、いいだろう貴様から殺してやる」
と言い、計画通りの面白そうな展開になってきたなぁと思いつつ俺も武器なしで肉弾戦に付き合うことにした
そして俺は希暗と肉弾戦というなの殴り合いをはじめる
俺は魔力を希暗は炎を纏った拳でお互いノーガードで顔や胴体に次々と殴っていく
そして数分間殴りあった後先に限界が来たのはやはり希暗の方であった
俺の方が圧倒的にステータスが強いし格闘スキルもレベルが高い
そして希暗は疲れとダメージから徐々に動きが悪くなっていく
だが俺は希暗がまだ能力を出し切れていないことを知っているので手を抜かない
希暗は現在属性を一種類ずつしか纏うことが出来ないようであるが希暗の本領はその上にあることを俺は進化したスキルによって把握できている
ここはそれを引き出すためにまた一芝居打つしかないだろう
というのが俺の計画の一部だ
そして俺は希暗の鳩尾に強烈な一撃をくれてやった
それを受け希暗は沈む
立ち上がろうとするがどうやら力が入らないようだ
その様子を見て俺が口を開く
「どうやらもう限界のようだな………。では先に後ろの2人を殺すとするか」
と言うと俺は自作魔法・鉄壁結界によって2人を取り囲む
それを受けた2人は
「何よこれ!?なんて強度なの」
と桜前は持っていた刀で結界に攻撃しており
一方白月は
「これは私の結界より数段強い……出られない……」
と絶望している様子であった
そして俺は希暗を放置して2人に近づいていく
それを見て希暗は
「くっ・・・待ってくれ!2人には手出ししないで欲しい」
と言うがまだ立てないようである
それを受け俺は
「何故待たねばならん、我は全員殺すと言ったはずだ。貴様も時期殺すからそこで見ているがいい、大切な人を目の前で失うその瞬間をな」
と言い放ってやった
これを聞いた希暗は雰囲気が一変した
「だめだ!僕は決めたんだ、もう大切な人を失うことがないように強くなるって!うぉぉーー!」
と叫ぶと段々立ち上がってくる
そして希暗の周りに精霊が集まってきているのを俺は視認できた
そのうちに希暗の様子がだんだん変わり魔力が高まっていく
そして魔力の高まりが終わったあと希暗は金色の髪に深黒の瞳をしていた
どうやら無事に自身の能力を全て引き出せたようだ
これが希暗の能力の最高で、全属性の精霊魔法を使える精霊王の能力を使える状態にある
そうして観察していると希暗はこちらに向かって
「こんな時にまた力が覚醒するなんて………でも今回は間に合った。いまから全力をもって僕はお前を倒す!」
と言うとこっちに向かってきた
さっきよりも格段に早い
俺が咄嗟に希暗のステータスを確認すると現在の状態だと全てのステータスがSランクであるようだ
ただしその反面時間制限もあると思う
(てか思ったより強くなったなぁ~、結構力出しても大丈夫そう♪︎)
なんて思いながらも俺は向かってくる希暗と再び殴り合いをはじめる
今回の希暗は全ての属性を変え替えに纏いながら拳を繰り出してくる
俺の肉体には一切ダメージがないが流石にこの甲冑にも限界が近づいてきているようでだんだんピシピシと音をたてながらヒビが入っていく
その後も俺と希暗は肉弾戦というなのノーガード殴り合いを繰り広げていった
この間結界の中に未だいる2人は心配そうに事の成り行きを見守っている
そして少しした後やはり限界が訪れたのは又しても希暗の方であった
だが俺の甲冑ももう壊れる寸前である
すると希暗が
「はぁはぁ、これでもまだ勝てないなんて……。でも負けるわけにはいかない!この一撃に全てをかける」
と言うと右手に全魔力を集中させ始めた
俺もこれを受けて
「こい、我にここまでダメージを与えた者よ。その一撃しかと全ての受けきってくれるわ」
と最後の悪ノリである
これを喰らえば確実に甲冑は壊れて素顔が見えるだろう
正直悪ノリが過ぎた
これだと逆にここまでやったことを3人から総攻めを受けかねない
だがそれもお巫山戯が過ぎた罰だろうと俺は甘んじて受け入れることにした
少しして希暗が右手に魔力を集め終わる
そして
「これが最後の一撃だ!」
と俺に向けて右手に載せた全魔力を放ってきた
俺は両手を広げて構えると
「はーはっはー、全て受けて耐えきってやるわ」
と言うと
希暗の最後の全力の一撃を正面から受けた
直後再び轟音と共に衝撃波と砂埃が生じる
そして砂埃が晴れたあと立っていたのは俺だけであった
希暗は膝をつきながら苦しそうに言う
「全力の一撃を真正面から受け止められてこれなら僕の負けみたいだね………」
だがそれを受けて俺は口を開く
「いいや、お前の勝ちだ」
そう言うと俺の甲冑が音をたてて全て壊れさった
そして俺の素顔が顕になる
それを見て唖然としている3人向かって俺は
「悪かったなこんな真似してしまって。いやぁ強くなったなぁ、久しぶりだな!」
と苦笑いをしながらもあっけらかんとして言い放った
……To be continued →