第4章・クラスメイトの腕試し(中)
俺は希暗の言葉を聞いて口を開く
「ならまず貴様から葬ってくれよう。他のものも一斉にかかってきてもかまわんぞ?」
と言うと
それを聞いたラハットが
「ここは4人で戦うべきだ、一人ではまず敵わない」
と希暗に小声で提案している
それに続くように桜前と白月も口を開く
「そうよ希暗、1人でやるより私達みんなでやりましょう」
「そうだよ黒晴君!みんなでやればきっと勝てるよ」
と口々に希暗に声をかけていく
それらを受けて希暗は
「・・・うん、そうだね。分かった2人とも一緒に戦おう、ラハットさんもお願いします」
と協力を了承したようであった
それを見て俺は口を開き
「全員でくるようだな、では貴様らの実力しかと見せてくれ」
と言いながら俺は両手にを広げて空に翳す
動きにいちいち下手な芝居がかかっているが多分後悔するのは今のテンションが切れてからだ
それを受けてラハットが
「まずは俺が切り込む、3人は連携して援護を頼む」
といい俺に向かってきた
やはりスリイア最強の男、こんな時でも冷静に指示を出すことが出来るようだ
今回ラハットにはあまり用がなかったがちょっと実力を図りたくなったため俺はラハットとは接近戦を行うことにした
ラハットは片手剣と大盾を使う
それに対して俺は二刀流で対抗することに決める
そう考えた俺はすぐさま持っている大剣を背中にしまい込むと二本の至って普通のなんの付属効果のないミスリル製の片手剣を両手にそれぞれ持つ
いきなり新たな武器が現れたことに4人が驚いているがそんなの関係ない
そして俺は突っ込んでくるラハットを迎え撃った
それから俺とラハットは互いに1歩も引かず剣戟を繰り広げていく
ラハットも流石の経験と能力なだけあってまぁまぁ強い
でもこれならセリアが強いなぁとか思いながら様子見をしていると後ろから炎の剣が迫ってきた
俺はそれを片方の剣で受けるがただのミスリル製では強度が足りずすぐに炎によって燃やし尽くされてしまった
俺は咄嗟にラハットに蹴りを入れる
ラハットは盾でしっかりとガードするも威力は抑えきれず吹っ飛ばされる
そしてすぐさま炎の剣の持ち主である希暗に向き合うと希暗は再び斬りかかってきた
なので仕方ないが背中の剣を抜きその斬撃を受け止めた
するとみるみるうちに希暗の炎の剣が小さくなっていき消えた
それもそのはずでこの剣は魔法を吸収する
希暗の作り出す魔法の剣からすると相性が最悪であるのだ
希暗は剣が消えると驚いたようであったがすぐさま俺と距離をとった
そしてラハットの元へと移動してから口を開く
「・・・ラハットさん、どうやらあの剣は魔法を吸収する能力があるみたいです。さっき実際に大炎剣に込めた魔力が吸い込まれていくのを感じました」
とかなり焦ったように報告する
たったの1回の剣戟で見抜けるあたり希暗の能力はかなり優秀だ
それを聞いたラハットは少し考え込んだ後、俺に聞こえないように他の3人に何やら作戦を伝えているようであった
そして作戦を伝え終わったのか3人が理解したのを確認したラハットは再び俺に接近してくる
作戦の中身を聞いても良かったが面白く無さそうなので遠慮して俺はどんなのか楽しみにしながらラハットと再び接近戦に付き合うことにした
その後も暫く剣戟を繰り広げていくと、どうやら作戦の発動なのかラハットが
「お前達いくぞ!ユニークスキル・金剛化」
と言うとラハットの体が少し輝き出す
そして
「覚悟しろ!」
と言うと俺の方に接近してガッチリと組んで俺が逃げることを出来ないようにしてきた
すると後ろにいた3人はそれぞれ魔力を込め始めていたようで魔法を使ってくる
どうやら金剛化しているラハットごと俺に向けて全力で魔法を打ってくるようだ
「火精霊魔法・火精霊の咆哮」
と希暗が
「上級風魔法・大乱嵐災」
と桜前が
「上級水魔法・海王乃三叉」
と白月がそれぞれ自身の最大魔法を込めれるだけの魔力を込めて使用してきた
それを見た俺は
(流石の3人だな〜、こんなのくらったら大抵のやつなら戦闘不能だろ。てかこれラハットも流石にやばいんじゃね?)
とこれまた呑気に思っていると
「お前のその剣は使わせんぞ!うぉぉー!」
と更に気合いを入れて俺に肉薄してきた
そうしてる間も3人の巨大魔法が迫り来る
そしてついにラハットを盛大に巻き込んで俺に直撃した
凄まじい轟音と砂埃が立ち上がる
まぁそれでもその砂埃の中俺は平然としていた
なぜならこの甲冑には一回分の大きな魔法を防げるように予め工夫をしておいたからだ
そのため3人の魔法が同時に来たのを1回とカウントでき無効化することが出来た
そして目の前のラハットは死に体であった
わざわざ俺が手を下す間でもなく倒れるだろう
そして俺は砂埃が晴れるのを俺は待っていた
そして数分後砂埃が晴れる
3人を見てみるとラハットのことを気にしながらも俺がどうなったのかを気にしているようだった
そして砂埃が晴れたあとに倒れているラハットと汚れながらも平然と立っている俺を見て3人は絶望したような表情をしていた
その3人に向けて俺は口を開く
「今のはなかなかいい作戦であったぞ、だが後少し押しが足りなかったな。さて、そろそろこの戦いにも飽きてきたから終わらせるとするか」
と言うと未だショックが抜けきっていない3人に向けて俺は歩みを進めはじめた
……To be continued →