第3章・つかの間の休息( ´Д`)y〜
部屋についた俺はまず全身の汚れをどうにかしたいと考える
一応基本的に魔力で全身を覆っているため俺の衣服には外側から汚れが付くことはほとんどないが、内側からの汗はどうしようもない
セリアを見ても防具の至る所に傷があり、服も少し傷んでいるようであった
今までは旅の途中ということもあり生活魔法・洗浄や水魔法による全身水浴びからの生活魔法・乾燥によるものですましてきたがたまにはお風呂に入りたくなるのはお風呂が当たり前だった俺には仕方ないと思う
なら入ればいいじゃないかと思うかもしれないけどこの世界の風呂は一般的に王族や貴族しか使用出来ない
魔法があるなら準備も簡単じゃないかと思ったが一般の魔法を使える人が1回の水魔法で出せる水の量は良くてコップに5杯分くらいらしい
よって水を準備するのも一苦労、更にそれを温めるのも一苦労なのだ
魔法を使える人が少ないので尚更だろう
たがここは魔王城
俺は期待を込めてリーニャに聞いてみる
「なぁリーニャ、このお城にお風呂ってあるか?」
すると
「うん、あるよー。大きなお風呂があってリーニャそこでいつも泳いでたの!」
と望んでいた答えを元気よく返してくれた
それを聞いた俺はテンションがあがる
「まじか!ならそのお風呂って使わせて貰えるか?」
と聞くと
「お父さんかお母さんに聞いてみたら分かるかも」
と答えたので早速聞きに行くことにした
魔王はまだ広間にいるらしく感知スキルによって場所は特定できている
俺はすぐさま広間へと向かい中に入るとゼラスに声をかけた
「魔王!この城にあるらしい風呂を使わせてくれ!」
とちょっと勢いよく言うと
「あ、ああ・・別にいいぞ」
と驚いたように返してきたのでそのまま踵を返して早歩きで広間を後にする
よく考えたらかなり失礼だがまぁいいだろう
そしてハイテンションになっている俺とセリアはリーニャの案内の元無事お風呂のある場所へと辿り着いた
だがここで問題が発生する
少し予想は出来ていたが風呂が男と女に別れてないのだ
だがそんなことでテンションが下がることのない俺は少し考えたあと2人に聞いてみる
「2人とも、風呂一つしか無いみたいだけど一緒に入っても大丈夫か?」
と付いてきていた2人に聞く
俺の辞書に遠慮と我慢という文字はない
かといって配慮という文字が無いこともないので俺が入っている間2人を待たすわけにもいかない
後から考えれば凄く頭の悪い案だったがこの時の俺は風呂でテンションが上がっていたので仕方ないだろう
これを聞いて2人は
「ロアと一緒にはいるー!」
「・・・私も一緒で大丈夫、、、です………」
と片や元気よく、片や少し戸惑いながら返事をしてきた
だがテンションで頭のおかしくなっている俺にはセリアの様子を考慮するようなことは出来ない
そのまま2人を連れて風呂に入ることにした
俺は脱衣所らしき場所に入るやいなや自作魔法・早着替というもはやこの瞬間のためだけに能力を無駄使いした魔法を使用すると即座に風呂にはいる格好になり真っ先に風呂へと突入した
一応2人は着替えの様子を見られたくないだろうという考慮のもとでもあったが、実際一秒でもはやく風呂に入りたい故にでもあった
俺は風呂の目の前につき風呂を見渡して感動した
(めっちゃひれぇぇ〜、これならリーニャが泳ぎまくるくらい問題ないな。さて軽く体を流した後早速入ろう、もうすぐにでも入ろう)
と思い頭の上から水魔法・水球の特大版によって全身の汗を流すと、俺は誰もいない風呂へとダイブした
そして数分ぐらい風呂でゆっくりと浸かりながらリラックスしていると、走っているような小さな足音とそれに続くようにこちらにくる足音が聞こえた
ふと脱衣場の方を振り向くとそちらから一糸まとわぬ姿のリーニャが全力で走ってくるのが見えた
完全に飛び込むつもりだ
俺は少しリーニャの進路から回避するとリーニャは案の定水飛沫をあげながら風呂の中へとダイブした
あまり深くないので大丈夫なのかと心配したが特に問題無さそうでそのまま泳いでこちらにきた
「やっぱりお風呂楽しいし気持ちい!ロアの気持ちいい?」
とリーニャが聞いてきたので
「ああ、最高だよ。久々に入る風呂がこんなにもいいなんて思わなかった」
としみじみと言ってやった
するとやっとセリアが来たらしく俺の横に入ってくる
ちなみにセリアにはきちんと体を隠せるくらいの長めのタオルを部屋で着替えと一緒に渡しておいた
今考えれば水着でも作れば良かったかなーと思ったがこちらの世界には水着の概念がないためやめておいた
俺はセリアにも声をかける
「そーいえばセリア、風呂に入ったことってあるのか?」
と聞くと
「いえ、獣人の国にはお風呂という文化が無かったですので初めてです。村にいた頃は大抵が水浴びで、軍にいた頃は生活魔法ばかりでしたね」
とセリアは答えた
なので俺が
「なら初めてのお風呂はどうだ?」
とたずねると
「こんな素晴らしいものを知らなかったのは少し後悔してます。とても気持ちいいです」
と本当に気持ちよさように答えてくれた
その時に顔が赤かったのはやはり初めてのお湯に浸かるため熱かったのだろう
そして俺とセリアは風呂を少しの間ゆっくりと楽しむことにした
その間リーニャは元気1杯にお風呂の中で泳ぎまくっていた
そしてセリアがのぼせそうになっていたので風呂を出ることにした俺達が脱衣場から出ると、この城のメイドさんらしき人に食事の準備ができたので着いてくるように言われたのであとを付いていくことにした
……To be continued →