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第3章・対談の始まりとまさかの事態

しばらく経ち準備が完了したらしくゼラスが俺に声をかける


「待たせて済まない、準備は完了した。それではお前の話を聞かせてくれ」

と言われ俺は


「ああ、分かった。それじゃ今からこの国に来た目的を話すからな」

と言うと前置きも程々にして早速話をはじめる

伝えた内容は獣人に言ったことと同じように3種族間戦争の目的とそれを引き起こそうとしている邪神復活を企む組織、更にエルフがいた山と樹海の異変等について話した

やはりこの話は突拍子もないらしく獣人達と同じように魔人達もすぐに鵜呑みに出来るものではないらしい

魔王の後ろに並んでいた魔人達はざわめきだし、近くのもの同士で話し合いをはじめるものまでいた

そんな中魔人達を代表してゼラスが口を開く


「して人間、確かロアとかいったな。お前はこの話をどこで知った?確かに邪神とその従魔達の存在は知っているがそれを復活させようとしている組織なんかは聞いたことがないぞ」

と俺に問う

なので俺は答える


「俺も最初は半信半疑だったさ、でも実際生贄を使って封印を解こうとしている現場に居合わせてしまったからな。ちなみにその際生贄にされかけてたのがリーニャだ、魔王の娘で能力が高いから狙われたんだろな」

と俺が言うとゼラスは


「リーニャを生贄だと!その組織の奴らはどこにいる!?今すぐぶち殺してやる」

と想定通り怒りだした

短気のお父さんは娘に嫌われますよと後で忠告しておこう

ここで俺は魔人側の裏切りものを炙り出す


「その時の奴らは全員始末したよ。そーいや、その中に魔人が数人いたなぁ」

と言うと


「何!?魔人の中にその組織の奴がいるのか?どんな奴か覚えているか?」

と食いついてきたので


「それは覚えてないな。でもお前の後ろにいる眼鏡の男に聞けばわかるんじゃないか?」

と俺は言い放つ

するとゼラスや魔人達はすぐさまその1人に注目する

そして


「本当なのか?オービット、お前がその組織の一員でリーニャの誘拐を促したのか?」

と少し驚いた様子ながらもぜラスが尋ねると

そのオービットと呼ばれた魔人はバレてしまっては仕方がないとばかりに喋りだす

なんでどいつもこいつも諦め早いんだよ、もっと足掻いてよっていう俺のツッコミは虚しくスルーされる


「どうしてバレたのかは分かりませんがバレてしまっては仕方ないですね。そうですよ魔王様、私が手引きをしてリーニャ様を組織の奴らに引き渡しました」

これを聞いたゼラスは


「何故だ!?お前はリーニャの事を良く面倒見ていてくれたじゃないか。それにこの国のためにだって色々尽くしてきただろ」

とオービットに問う

するとオービットは


「それは最初から計画のうちなのですよ。あなたの信用を得ればリーニャ様に近づけると思いましてね、リーニャ様は生贄として申し分ないですから」

と言い放った

こう言われたゼラスは少し悲しげな顔をしながら


「お前のことは頼りにしてたんだがな……。だがこの国に仇なすやつを野放しにはできない、兵士達こいつを捉えて牢にいれろ!」

とゼラスが命令するとオービットの横にいた魔人達は後ろに下がり、オービットを取り囲むように兵士達が陣取り武器を構えた

しかしオービットは余裕を崩さず口を開く


「万が一の場合に備えて先程仕掛けて置いて正解でしたよ」

そう言ってオービットは懐から何やら札のようなものを取り出すとそれに魔力を込めその札を使用する

すると足元に召喚陣があらわれそこからリーニャが現れた

リーニャが何が起きたか分からない様子のままオービットは続ける


「これは伝説魔道具アーティファクトの1種で呼び寄せの札というものです。見てわかるとおり対象の印をつけたものを魔力を込めることで発動、手元に召喚できるといったものですね。さてこれで私の手元には人質が出来たわけですがどうしますか?」

完全に油断をしていた

俺はこのような道具の存在は知らなかったため、この世界では転移テレポートで自身の移動は出来ても他人を引き寄せるのは特殊魔法の空間系しか無理だと思っていた

魔法の発動なら即座に対処できていたが魔道具では効果が分からないとかえって危険なことがあるためできなかった

そんな中リーニャを人質にとられゼラスや兵士達は動けないでいた

それをみてオービットは再び口を開く


「さて私はこのまま逃げさせていただくとしましょう。丁度よく生贄も無事手に入ったことですし」

と言ってリーニャの腕を掴む

リーニャは現状の理解が追いつかないのかまだ首を傾げている

それを聞いてゼラスは

「ふざけるな、逃がすわけないだろう!リーニャを早く解放して投降しろオービット!」

と言うが


「リーニャ様がこちらにいるのに手を出せるのですか魔王様。私にはまだ役目がありますので掴まわけにはいかないのですよ」

とオービットは平然と返す

そしてやった理解が追いついたのかリーニャがオービットに問いかける


「リーニャをどうするの?オービット」

と聞かれたオービットは


「リーニャ様には魔獣の復活の為に生贄として死んでいただきます」

と返す

それを聞いたリーニャは泣き出した


「やだやだぁー、リーニャまだ死にたくないもん。もっとロア達と旅するんだもん!」

と暴れ出したが如何せん大人の力にはまだ勝てない

そのままゼラス達とオービットの緊迫した状況が続く中

広間全体にとてつもない量の殺気がぶち撒かれはじめた

その発信源は怒りを顕にしている俺だ

子供を人質に取るなんて許せるわけがない

ちなみにあまり人に影響の出すぎないようには調整している


「おい、今すぐリーニャを離せ。そうしたら殺すのだけは辞めておいてやる」

と俺は静かに告げた

それを受けオービットは


「いくらあなたでもこの状況で私に手は出せないでしょう?少しでこっちにきたらすぐさまリーニャ様を殺しますよ?」

と返してきた

この瞬間俺の中でオービットの消滅が決定した







……To be continued →

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