間幕・希暗の決意
今年もあとわずか_( _´ω`)_フゥ
《side 希暗》
呂阿達が丁度獣人の国へとついた頃
希暗達は王から言い渡された期限の1週間を翌日へと向かえていた
そして今日はこれからどうするかということをクラスメイト達で集まって話す日でもある
そしてお昼も過ぎたころ
希暗達は広間を借りてそこでこれからの事を話し合うために戦闘組・非戦闘組関わらずにクラスメイト全員が集まっている状態となった
この時希暗はまだ自身の力を誰にも伝えてはいない
今日の流れと内容によってどうするかという対応の仕方を変えるつもりであったからだ
その後クラスメイトで呂阿を除く全員が集まり少し静かになった頃、遠山が口を開いた
「みんな今日は集まってくれてありがとな。話し合いの内容は分かっていると思うけどこれからの事だ、はなしをはじめても大丈夫か?」
そう言い当たりを見回すとほぼ全員が頷いていた
それを見て続けて遠山は口を開く
「ならまず俺から自分の決定を話させてもらう……。俺は今後も訓練や実践経験を積んでいってこの国を守るために戦うべきだと思っている。やっぱり元の世界に帰るために情報を集めるにしろ戦っていける力は必要になってくると思うからだ。でもそれだからと言ってみんなにそれを強制すふつもりは無い、とりあえず俺の決定はこんなところだ」
と遠山が言うと
「俺も遠山と一緒だ、この前みたいに無力なのは嫌だからな。それにこの国を守りたいとも思っているからな」
と近山が立ち上がり続けた
それに賛同するかのように近藤達も立ち上がり
「俺達3人も力をつけていくことに賛成派だ。元の世界に戻るにはまだまだ暴れ足りないからな」
と笑いながら言った
その間ずっと1人で
「もちろん俺も戦う!みんなも異世界とか楽しまきゃ損だろ!」
と力説しているのは田中である
その後も戦闘組の殆どは戦うとの意思表明をし、まだ自分の意思を伝えてないのは希暗、桜前、白月そして非戦闘組の面々となった
だが元々非戦闘組は実戦には関係しておらずやっぱり自分の職業についての知識を深めたり自己訓練をしていたりするので関係ないと言えば関係ない
残すところ希暗ら3人の意見を待つのみとなった
そんな中少しして桜前が決意したように
「私と歩は希暗と行動を共にするわ。戦うも戦わないも3人で話し合うわ」
と言うとあからさまに遠山・近山や近藤や一部のクラスメイト達の機嫌が悪くなっている
桜前の言葉を聞き少し焦った様子で
「桜前さんや白月さんは俺達の中でとかなり強い。俺や近山達と一緒に戦ってくれたら心強いんだがどうだろう?」
と遠山が桜前に聞くと
「無理ね、もう決めた事だから。私は希暗とパーティーを組むわ」
と言い放った
この間希暗は何も言わずにみんなの話を聞いていた
桜前がこう言い出すのはある程度予測が出来ていたことなのであろう
するとまたも遠山や近山が騒ぐように桜前に話しかける
「クラスメイト全員で協力しようとは思わないのか?それだけの能力があるならみんなを引っ張っていかないとだろう?」
「遠山の言う通りだ。白月さんもそう思うんじゃないか?」
とそれぞれ言いたい放題だ
最初に他の人の決定を責めたりはしないと言ったのをすっかり忘れているようだった
ここで希暗にとって決して聞き逃すことの出来ない言葉が聞こえてくる
「そもそもどうして黒晴なんだ?正直あいつかなり弱いし足で纏いじゃないか。神楽が死んだのだってあんな奴を庇ったせいだろ」
「そうだな。あんな奴をかばって死ぬなんて本当神楽も馬鹿だよな、全く無駄死にだな。まぁあいつもいてもいなくても変わらないような奴だったか」
この発言をした遠山と近山を更に近藤達や他の一部のクラスメイトも肯定するように笑っていたり、頷いていたりする
その言葉やクラスメイトの反応に
「あんた達!希暗だけじゃなくて死んだ神楽君まで悪くいうの?そんなこと言っていい分けないじゃない!」
と桜前が怒りを示しその後では白月が泣きそうな顔をしていた
そしてこの瞬間希暗は自分の行動方針を決定づけた
「ふざけるなよ。僕のことは馬鹿にしたって構わない、だが呂阿を馬鹿にしたことだけは今すぐに謝れ」
と今まで黙っていた希暗が静かに怒りを燃やしながら突如として立ち上がる
今までの希暗と全く違う現在の希暗の醸し出す雰囲気に気圧されながらも遠山が口を開く
「事実だろうが。元はと言えばお前が弱いのがいけないんじゃないか、黒晴」
と言い捨てる
それを受けて
「あの時は確かに僕が弱かったせいで呂阿を死なせてしまった……。もう僕は大切な人は誰も失わせない、、、だから僕は玲奈達とパーティーを組むことにする」
と希暗が言うと桜前は少し嬉しそうにしていた
だかまたしても遠山や近山が喰ってかかる
「お前に誰かを守れるような力を持ってるわけないだろ!」
「お前なんかより俺達のほうが守れるに決まっている!」
と言いたい放題である
希暗は他のクラスメイト達と袂を分かつことになった場合に予定していた通りの行動を開始する
「そこら辺は大丈夫だよ。もう僕は君たちより強くなったからね・・・・この力は呂阿のおかげなんだけどね(ボソッ)」
そう言い希暗は力を見せつけることにする
すると希暗の髪色が赤にかわり周りの温度が上がっていく
精霊王との契約により希暗は各属性の精霊の力を使えるようになっている
その際使う属性によって髪の色が変わる
今回は髪が赤になったことからも火属性であることが伺えるだろう
それを見てクラスメイト達は桜前を含み全員が唖然として固まっていた
少ししても誰も話さないようなので希暗はここから去るべく口を開く
「これで分かってもらえたかな?じゃあ僕はもう行くよ、話し合いも終わっているみたいだしね」
そう言うと希暗は唖然としているクラスメイト達を放置したまま広間を後にすることにした
それを見て意識を現実に戻した桜前と白月がその後を付いていく
その立ち去る3人をみて誰も声をかけて止めることは出来なかった
……To be continued →




