第2章・セリアとの語らいと告白
ネモが寝たのを確認した俺はセリアに話しをするためにセリアを自分の近くへと呼んだ
俺に呼ばれたセリアは少しいつもと違う様子で俺のところへとやってくる
俺はセリアが隣に座るのを確認すると
自作魔法・防音を使用し、俺とセリアにしか聞こえないような状態を作り出した
そのあと少しの沈黙を挟んだ後とりあえず俺から話を切り出すことにした
「さてと、俺の話を少しして行こうと思ってるけどまず何から聞きたい?」
と聞くと
「先ほどの魔法といい、昼間の黒龍との戦いといい有り得ないようなことばかりでした。私はご主人様の能力のついて教えて欲しいです」
と言われたので、一部をぼかしながらいままでの行動を全て成り立つように説明をすることにした
「なら俺の身の上も含め話していこうか」
といい俺は異世界人であること、ある理由により人間の王都から離れることになったこと、またその理由によって獣人の国と魔人の国に行く必要が何故できたということなど、セリアに会うまでのこの世界に来てからの行動を一部内容を誤魔化しながら話をした
その間セリアは俺が異世界人であると知ると驚いたようであったが、真剣に俺の話を聞いてくれていた
「ということで俺はこの世界ではない世界からやって来たというわけ。それで異世界人はほとんど強力な固有能力を持っているとの事だったから俺もその恩恵を授かってるって言うわけさ。それで具体的な能力は2つあって、一つは魔法をある程度自由に使えること、もう一つは魔力を使うことで普通のよりは性能のいい道具や魔道具を作り出すことができるというものさ。昼間のはそのスキルをある程度使ってみた結果だよ」
そう言い括り俺は能力の一部をセリアに説明した
全てを説明しなかったのは教えた結果、化け物のように見られてしまうことを恐れたからであり、俺は自分にも気づかないうちにセリアに対して嫌われたくないという思いを持っていたようだ
俺だって自分の力を少し恐れている
その話を聞くとセリアが口を開いた
「ご主人様が素晴らしいお力をお持ちなのは理解できました……。この腕輪も強力な魔道具なんですか?」
と聞かれたので、そこは素直を教えておいた
「そうだよ、それはセリアに何かあったらいけないと思って作ったんだ。その腕輪は俺の魔力が込められている間装着者の肉体へのダメージを防いでくれるものなんだ。・・・・でも昼間はたったの一撃で半分も削られてセリアに怖い思いをさせてしまったな……」
と言うと
セリアは何故か顔を少し赤らめ俯くとこう答えた
「いえ、あの一撃をこの腕輪が防いでくれなかったら私は大怪我をしていたでしょう……。ありがとうございます、、、ご主人様。これのおかけで助かりました」
と涙を流しながら言ってくれた
その後二人の間にしばしの間沈黙が訪れた
少したち沈黙を破ったのはセリアの方であった
「・・・ご主人様、、、ご主人様が自身の身の上などを話してくれたので私も自身の過去を話そうと思うのですが聞いて頂けますか?」
と尋ねてきた
俺が無言で頷くとセリアは話をはじめた
セリアの出身、集落での生活、子供の頃から能力が高かったこと、成人した後に獣人の国の兵として戦争に参加していたということ
そして何故セリアが奴隷になっていたのかということ
を全て話してくれた
話し終えた時セリアは少し涙目であった
話を聞いた時俺はセリアを捕まえた奴らに対して殺意も持つ自分に気がついた
子供を狙うのはやはり同じ人間として許せることではない
俺は大人の問題に子供達が巻き込まれるのは許せない質である
まぁ何でそんな質なのかと言えば俺の生い立ちと今までの経験からだろう
そしてセリアが再び口を開いた
「生まれた時からあまり人間と接したことはありませんでした。戦場に出て争ったときもそれがそうするものだからと言う理由しかなく、ただ作業のようにこなしてました……。ですが子供達を誘拐したあの件以来、私は人間に対して憎しみと殺意しかいだかなくなってました」
そう言うセリアはどこが悲しげであった
そしてこう続けた
「でもご主人様に買われて、、、ご主人様と過ごしていくうちに何故か人間なのにご主人様に優しく接していただいているうちに、ご主人様といる時間が嫌なものから安心する、心地の良いものに変わってきました………。そして今日も、黒龍に殺されそうになった時、私の中にあったのはご主人様にこの気持ちを伝えきれないことに対する後悔でした……………」
そう言い、セリア一つ深呼吸をすると
「ご主人様、私はあなたの事が好きになってしまいました。人間とか獣人とか関係なく1人の異性として好きです」
と俺をじっと見つめはっきりとそう告げた
これを受けて俺はかなり動揺していた
(Σ( Д )ﻌﻌﻌﻌ⊙ ⊙えぇーーーー、まさかのここで人生初告白受けちゃうの俺………。まさかセリアが俺に対してそんな感情を持っていたなんてなぁ・・・・人間なんて全員憎んでいるもんとばかり思ってた)
と思い俺は自分の気持ちを整理してみる
ここ1週間程セリアと過ごす時間は俺としてもなかなか楽しかった
最初は相手にしてくれなかったが、徐々に会話してくれるようになりかなり嬉しかったのは覚えている
それにセリアとであってからは常にセリアを最優先してきたようにも思える
だがここで俺は獣人は自分より強い存在に惹かれるという話を思い出してしまう
先ほど助けたことによる吊り橋効果の可能性を考えてしまった
俺は少しの間考え込み
こう結論づけた
「セリア、、、、今はまだそれにちゃんと返事は出来ない。だけど俺はセリアといて楽しいと思っている、だからイグノアでの用事が終わったあとも付いてきてくれるか?」
と答え、セリアに返事を聞いた
するとセリアは笑顔になり
「勿論です、ご主人様。この世界のどこであっても私はついて行きます」
と満面の笑みで答えてくれた
「分かったならこれからも宜しくなセリア。でも本当にいいのか?俺はこの世界の人間じゃないからあまり感覚がないが、他種族でのこんな関係になったりするのって禁止されてたり敬遠されてたりしないのか?」
と聞くと
「大丈夫なはずです。今は種族間で対立しているため交流はほとんどありませんが、昔は違う種族間でも結婚したりしていたそうです」
との事だったのでとりあえず安心した
もし禁忌とかならどうしようもないからだ
「それなら良かったよ、ならとりあえず俺がやるべき事をさっさとやってしまわないといけなくなったな。明日からも頑張っていかないと手遅れなんてことになったら嫌だしな。それに告白の返事もちゃんとしないとだしな(ボソッ)」
俺はかなり恥ずかしかったため最後の方は小声出会ったがセリアにはばっちり聞こえたようで、満面の笑を浮かべて
「分かりました。これからも宜しくお願いしますね、ロア様」
と言ってきた
セリアは何故か急にご主人様呼びから名前呼びに変えてきた
俺はそれを聞いて自分の顔が熱くなるのを感じ、もう寝るっと言うと自分の分の布団にくるまり眠ることにした
その日はむず痒さが消えず俺は朝まで浅い眠りしかとることが出来なかった
……To be continued