最終章・Bonus Story〜真♢最終話〜
(*'∇')/゜・:*【祝】*:・゜\('∇'*)完結
《side フロリア》
呂阿達異世界人が帰還の儀式によりこの世界から居なくなったことでこの場には静寂が訪れている
今ここにいるのは私とリアのみ……
(本当に……もう会えないのですね…)
そんなことを考え私がただ魔法陣を見つめていると
「本当によろしかったのですか?ロア様達を帰還させて」
そうリアが私に質問してきた
いいわけないじゃない!
そう答えたいのをグッと我慢して私はリアの質問に対して
「えぇ、これがもっとも正しい選択ですから」
そう答える
だがリアはそんな答えでは納得しないらしく
「それは他の方々の意見を重視した上ででしょう?フロリア様ご自身は本当にこれでよろしかったのですか?」
としつこく聞いてくる
恐らくリアは私が自分の気持ちを押し殺していることをきっと見抜いているのでしょう
ですがそれならば1つ疑問が生まれます
何故今それを私に聞いてくるのか
普段のリアならばまずそんなことするはずもありません
私は魔法陣を見つめるのをやめ後ろを振り返るとリアと目を合わせます
私が見たリアの目は何かを決意した真剣な眼差しです
そんなリアの雰囲気に流されてか
「これで……よかったんです…」
と苦し紛れの返答をしますがこれでは完全に納得していないことがバレバレです
そんな私の言葉を聞いてリアは再度聞いてきます
「もう一度だけフロリア様にお尋ねします。フロリア様はこれで本当によろしかったのですか?」
そう真剣な表情で言われ、ついに私の方が先におれてしまいました
「いいわけ………ないですよ……。本当は…呂阿に残って欲しかったです。……だけどそれは…」
そう言う私はいつの間にか涙を流し手には力が入っている
これが私の本心だ
国を治める立場として我慢すべき個人的感情
だけれども私は呂阿にこの世界に残って欲しかった
「フロリア様はロア様と再び会い、これからもずっと一緒にいたいですか?」
私の返答を聞いてかリアがよくわからないことを言う
もう呂阿は元の世界へと帰ってしまった
だから会うことなんて出来ないはずなのに
だけど私はリアの言葉に縋るように言葉を吐き出す
「えぇ、リアの言う通り私は呂阿とこれからも一緒にいたいです。心の底から呂阿のこと、好きですから」
そんな私の答えを聞いてかリアは真剣な表情をやめ
「知ってましたよ、フロリア様。貴方がそこまでロア様のことを愛していらっしゃったのは」
と笑顔を浮かべながら言い、そして
「聞いてますでしょう?ロア様。今回の賭けは私の勝ちですね」
と誰もいないはずの方を振り向いてそう言った
そんなリアを不思議に思い私は
「リア?誰に向かって話しかけて………」
そう言いかけ言葉に詰まった
何故ならばリアが見ている先の景色が歪んだかかと思うとそこについ先程別れをしたはずの…呂阿が立っていたから
(いったい何が…??)
突然の呂阿の登場によって私は激しく混乱する
だがそんな私の耳に驚きもするが大変嬉しくもある言葉が聞こえてきた
「久しぶり……って言ってもよく分からないか。まぁいいや。とりあえずフロリア、俺は君を連れ去りに来た」
その言葉を聞いた私は自分の頭や耳がおかしくなったのではないかと疑うしか出来なかった
〜〜〜〜〜side change〜〜〜〜〜
「とりあえず事情説明からする?」
そんな呑気な事を言いながらまだあわてふためいているフロリアとリアに近づいていく俺
えっ?なんで俺がいるかって?
そりゃ決まってんだろ
俺自身は元の世界へと帰還してないから
元の世界へと帰還したのは俺のクローン体
シシリア達と協力して俺のクローンを作り出して俺の持つ記憶を定着、そんでもって少しだけ改竄&意志の誘導を行って帰還させたわけ
なんでこんなことになったかと言うと……結局全部あのアホな女神共のせい
実際に俺はこの世界に残るか元の世界へ帰るかとんでもなく迷っていた
なんせ今回使ったクローンの利用法
普通の人間のクローンなら問題無くやり過ごせたのだけど作るクローンは神のクローン
それを元の世界へと送り出しても問題ないくらいに調整するのは至難の技であり、同時に自分をもう1人作ってそれを洗脳みたいなことをしてしまうのは正直気が引けたのでやりたくはなかった
けど俺が色々と悩んでる時に
「そう言えば貴方が元の世界へと帰るとあの娘が再び力を取り戻して暴れ出すからその世界滅びるわよ」
とかシシリアが言ったせいで結局最終案であったクローンの作成をするはめに
こんなことならアナザーを消滅させるかシシリア達のところに送り込むぞって思ったんだけどそんなことしたら帰還の協力は一切しないとかぬかしやがったので結局俺の選択肢は1つしかない
そんなわけで今の今、というかほんの先日までずっとクローン体の方の調節を頑張ってたわけだ
ちなみに俺がこんな努力をしていたのはリアにだけ話してあり、それと同時にある賭けもしていた
それはフロリアの本心が全て引き出せるか否か
もし引き出せなかったら永遠の別れを
もし引き出せたならば俺の世界旅行への同行を
そんな内容の賭けをリアとしていた俺は結果としてたった今その賭けに負けたわけだ
そんなわけで俺はフロリアをここから連れ去る
一応この国の王であるフロリアがいなくなっても大丈夫なように神託もフリーナにだす予定だし、リアとラハットも頑張ってくれるだろう
それに俺の分身を一体置いているしね
そんなわけでフロリアの目の前に言って
「それじゃいこっか、フロリア」
と言ってみると今の今までおろおろしていたフロリアは急に泣き出すと
「もう……会えないかと思いましたよ……」
と言って抱きついてきた
俺はクローン体がここ最近で何をしていたのかなんて知りもしないので、クローン体同様に
(えっ?………えええっ?)
と狼狽える
だがそこは本体
さりげなくフロリアの背中に手を回して抱きしめつつ
「なんか騙したようでごめんね。俺はちゃんとここにいるからさ」
と優しく言うことができました
個人的に素晴らしい成長だと思います!
まぁなんでこんな対応が出来たのかと言うとセリア達に元の世界へと帰るって勘違いされて大泣きされた時に似たようなシチュエーションを体験しているからなんだけどね
あの時は大変だったなぁー((遠い目))
まぁそんなことはさておきここな長居していては他の誰かが来てしまうかもしれないので俺はフロリアに視線を向けると
「とりあえず説明はあとで。今はこっから移動するよ」
と伝える
するとフロリアが(。_。`)コクと頷いてくれたのでリアに
「それじゃ俺らは行くから。フロリアのことは任せろ、俺の命にかえても守る。また少し経ったら戻ってくるよ、その間この国をよろしくな」
と声をかける
そんな俺の言葉を聞いてリアは
「信じんていますよロア様。フロリア様のことよろしくお願い致します。この国のことは私に任せてください」
と俺に向かって言ったあと
「フロリア様、しばしのお別れになりますがどうかお元気で。この世界を見て回ってロア様と一緒に楽しんできてください」
とフロリアに笑顔で言い放った
そんなリアの言葉に対してもフロリアはただ泣きながら頷くだけ
そして
「じゃあ、またな」
と言う俺の発言ののち、俺とフロリアの姿はは祭壇のある地下室より消えたのであった
そんてそんな俺達が転移した先はスリイアの国境近くに設置しているバスター1号のそば
ここでは既にこれからはじまる世界旅行の準備を整えたセリア・クロア・リーニャ、そして
「やめろっ!だからやめっ!……やめてぇぇぇ!」
と言いながらカルナとじゃれて遊んでいるアナザーがいたりする
アナザーも随分と打ち解けたものだ
といってもセリアとクロアから冷たく扱われリーニャに至っては怖がられているし、更にカルナからは遊んでくれる対象としか見られていないため基本的にアナザーとカルナはじゃれあっている
まぁそんなアナザーをみて喜び笑っている心優しいお姉様達(棒)もいたりするのだけれども
そんなお姉様達(笑)は今頃俺の分身と一緒に溜まりに溜まっていた仕事に取り掛かっているだろう
ざまあみろってんだ
そんなわけで無事に今回の旅行へ参加するメンバーが全員揃ったところで俺はバスター1号を素早く異空間に収納しながらみんなに声をかける
「よーし、それじゃあ出発!」
そう大声で意気込みをした俺に待ったをかけるものが数名
「呂阿、ちゃんと説明お願いします」
そんなことを言って俺の腕に強く握りしめ抱きついているのはフロリア
更に
「ロア様、私にもどうしてその方がここにいるのかの説明をお願いします」
「セリアに同意、私にもお願いします主様」
と言いつつフロリアと視線で火花を散らしあっているのがセリアとクロア
俺の心労を癒すための旅行のはずなのにしょっぱなから心労を倍増させる修羅場ぼっ発である
だがしかし!
俺は成長したのだ!
「フロリアもお前達と同じように俺と一緒にいたいんだと。つまり俺の嫁だな!心配しなくても大丈夫、ちゃんとみんな平等に接するから」
そうキメ顔をしながら言う俺
実を言うとセリアとクロアには既に嫁にすることを半ば強制的に約束させられているので今更一人増えたところで問題あるまい
それにもうだいぶ前からフロリアとは色々と話し合っていたみたいだし
ちなみに結婚式はこの旅行が終わったらする予定だ
そんな考えを持つ俺の返答を聞いたセリアとクロアは
「やはりですか……まぁ仕方ありませんね」
「強い雄には沢山の雌が寄るもの。自然の摂理ですからね」
そう言って2人はフロリアと視線で火花を散らすのをやめて落ち着く
だがその一方でフロリアはというと
「えっ?…えっ?…私が呂阿のお嫁さん……?」
とか言って俺の方をチラチラみてら顔を赤くして俯くといった奇行をさっきから繰り返している
どうやら早まってしまったらしい
あとで全ての事情を含めてフロリアには説明しないといけないようだ
そう考えていると今までアナザーとカルナと遊んでいたリーニャが飛んできて俺の方の上に着地すると
「リーニャもロアのお嫁さんになるの〜」
とか言って頭を揺らしてくるので
「はい、はい。リーニャが大きくなったらね〜」
と適当流しつつ、いい加減死にそうになっているアナザーをカルナから引き放すと俺が再び
「それじゃいこっか。世界一周旅行へ」
とみんなに声をかけると
「はっ、はい!」
「はい、ロア様」
「了解です、主様」
「楽しみなの〜!」
「ふん、我はそんなものには……」
「ワンっ!」
とそれぞれが返事をしてくれる
再びアナザーがカルナに絡まれているけど別に放っておいてもいいだろう
フロリアはさっそくセリアとクロアとなにやら重要そうな話し合いをはじめているし
そんな中俺の肩に居座るリーニャが
「ねぇロア、ロアは楽しみ?」
と聞いてくる
そんなリーニャに対して俺は答える
「当たり前だろ!」
そうして今度はゆっくりとした俺の世界を巡る旅が3人の嫁(予定)と楽しい仲間2人と1匹を引き連れてはじまったのである
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これにて完結です
明日気が向いたらあとがきてきなのを投稿します
これまで約10ヶ月
お読みいただきありがとうございましたm(*_ _)m