最終章・そして物語は終わりをむかえゆく①
多分あと3話ほどで終わります( ‘д‘⊂=͟͟͞͞☆))
綺麗に区切らないので1話毎の分量は伸びるかもです( ˘ω˘ ) スヤァ…
祝勝会は何の問題なく進み今ではもう酔っぱらいの集まりと化している状況
そんな人々は飲み・食べ・語らい各々が笑顔でそれぞれの時間を過ごしていっている
夕方にはじめたはずの祝勝会も今では辺りは真っ暗になっており一応祝勝会を続けるために困らない程度に灯りはつけているが綺麗な星空が見える
元の世界ではなかなかお目にかかれなかったような満天の星空
誰かさんがやり過ぎたせいで逆に雲ひとつ存在することのなくなってしまったこの付近の空は綺麗な星空は常に見ることはでかきるものの、雨が降らなくなってしまったことで少し困っていたらしい
その後誰かさんが定期的にこの場に水やりにこなくては行けなくなったのは言うまでもない
本来の祝勝会から離れた場所で飲み食いをしている俺も空を見上げながらこの世界に来てからのことを少し思い出している
まずはなんとなく召喚されたこと
ここで何故か不思議な強さを手に入れたことから俺の冒険(笑)がはじまったのだろう
そしてダンジョン最下層で例の爺と会って話しを聞いてノリで各国を回ることを決断
毎度毎度の如く俺らしい行動であったがシシリア曰くあとからきけばヨデルの話を聞かなくてもいずれ俺は邪神達の事を知り各国を巡ったであろうとのこと
その場合は色々と出会いも旅の流れも全部変わっていただろう
多分そうなったであればリーニャとクロアには出会えてないし色々と間に合わなかった場面がある気がする
でもご都合主義が働いて時系列がズレたりもするのかもしれない
まぁ今はそんなことは考えても意味無い
全部ちゃんと終わらせたんだし
それに今が楽しければそれでよし
それが俺のモットーだ
そんな俺であるがこの1ヶ月あることにずっと悩んでいた
それは……そう、帰還するか否か
今の俺の立場はこの世界における神であり力や能力はあるもののまだ神格としては低い
シシリア達に聞いてみたところシステムの調整といった神のみに出来る役目を果たしていくことで神格は上がっていき、神格が上がると別の世界への旅や眷属の増加に強化、それ以外にも色々とやることの出来る幅が広がるらしい
なんかそれを理由に上手くシステムの管理を押し付けられたような気がしないでもないがこの際はいいだろう
そこで問題になってくるのがその神としての立場
今の俺の神格では別の世界へ行けない
つまり神であるままだと元の世界へと帰還できない
一応神の力を破棄することで元の世界へと帰還することは出来たりするもののそれはシシリア達によって猛烈に反対されていて今のままだとそれの手伝いすらしてくれないような気もする
最悪の場合はアナザーに全部の力を譲渡してお前らの所に送ってやるぞって脅せば何とかなる
だが………俺としては戻りたくない、というよりセリア達と別れたくないって気持ちが大きかったりする
なんせ俺はアナザー達との決着をつけ本来の自分だけの心を取り戻したことで今までなぁなぁにしてきたセリア達との関係をどうするのかという超絶大きくて分厚い壁に今ぶち当たっている
はっきり言ってセリア達のことは好き
だが元の世界でもやるべき事はあるしクラスメイトの中にも放っておけないやつもいる
ならどちらかの世界にその対象を集めたらいいのでは?ってことになるがそれは不可能らしい
何故ならばこちらに召喚した人々を元の世界の同じ時間軸に戻す場合の条件としてこちらの世界での時間制限、それに加えて殆ど全員が揃って帰還しなくてはならないというものがあるからだ
つまり俺1人だけ残るならギリギリ大丈夫ではあるが、俺を含め数人こちらの世界にのこるってのは出来ないことだ
流石に元の世界へと帰りたがっているクラスメイト達を無理やりこの世界に残すほど俺は鬼じゃないしね
そしてその逆、つまりセリア達を元の世界へと連れていくと魔力がない世界にいった場合ほぼ確実に死んでしまうらしい
その時に神のような別次元の存在がいれば守ることも出来るようではあるが俺は帰還するならば全ての力を失うため不可能
よって元の世界に魔力があるかないか分からないのに博打をするわけにはいかないのだ
ここまでの話を聞いていると俺の選択肢が完全に2つに別れているのが分かるだろう
一応誰にも話をしてはいないが1ヶ月の間で俺なりの答えを見つけたには見つけたがある意味成功するか、後悔しないかはまだまだ分かりかねない
(あぁ、綺麗な星空だなぁ。……それにもうすぐ元の世界に戻るための期限か。…上手くいくかなぁ)
そんなことを考えながら1人飲み物を飲んでいると、ふと俺に視線が集まっているのに気づいたためみんなのほうに視線を向けてみる
するとどうやら今まで仲良く話しをしていたこの場にいる全員が俺に何かを聞きたそうな目でこちらをみていた
「ん?どうかした?」
そう俺が聞くと誰もが目配せあいながら発言をせずお互いを見合うばかり
恐らく話の中で俺に聞きたいことがあったのだろう
そうして少し待つと希暗が代表して俺に質問をすることを決めたらしく真剣な眼差しで俺を見つめると
「ねぇ呂阿、まず聞きたいんだけど僕達は結局ちゃんと元の世界に帰ることができるの?」
と質問してきた
(そう言えば説明してなかったか)
そんなことを思いながら俺は希暗の問いに答える
「ああ、確実に元の世界に戻る方法はある。少し条件はあるけどな」
そんな俺の言葉に食いつくように希暗は再び質問する
「その条件は?」
「元の世界へと戻るためにはこの世界で過ごした時間が召喚されてから1年以内であるということ。それと召喚された人々ほぼ全員が揃わなければ帰還することは出来ないということ。それとこの世界で培った能力なんかは全て失われる、経験とか記憶なんかは別だけどな」
そんな俺の言葉を聞いて希暗は少し悲しげな表情をする
俺の発言の中に気になる点、というよりも俺がこれに関してとても悩んでいることを悟ったのだろう
だがそれでもなお希暗は質問を続ける
「……もし呂阿がこの世界に残るっていうならそれは可能なの?」
そんな希暗の問いに他の面子は驚きを隠せないがそれと同時に俺の答えを期待している雰囲気も醸し出す
(ここで全て話しておくか……でも、もしかしたら…)
なんて考えつつ俺は言葉を選ぶ
だが俺が答えを返す前に
「呂阿が残るなら私も残る」
「その……私も残ります」
という瑠奈と白月の発言
2人の発言を聞いた俺は先程言おうとしていた言葉をグッと呑み込み
「俺が残るとなると2人も残るそうだから結論としては俺が残るのはほぼ不可能だ。まぁ帰還する直前に俺だけが逃げたりすることも出来なくはないけどな」
そう発言する
これを聞いて瑠奈と白月は喜ぶが逆にセリア・クロア・リーニャの3人はとても悲しそうだ
そんな3人を見て俺も心が痛むが今は仕方ない
まだ俺の作戦を言うべき時ではない
「俺がどうするかはまだこれから考えるさ。一応まだこの世界でやることはある。それ次第ではどの道元の世界へ帰れなくなるかもしれないしな」
そう言うと今度は逆に瑠奈と白月、それに希暗も少し悲しそうな表情になるがこればっかりは仕方ない
なんせクラスメイト達の能力消去に関してはシシリア達の協力が必須だからだ
それに帰還する際も召喚した時の状況把握をまるで出来ていない俺が単独でやると別の世界に飛んでしまいかねないので危険を伴う
よってあのBBA達の説得もしなくてはならないのだ
俺の話を聞いたみんなが各々に考えることがあったのかそれぞれ考え事をしはじめたので今回の祝勝会はとりあえずこれにて終了
そう言い渡し希暗達を王城へ
セリア達をバスター1号へと送り届けたあと俺は本来の祝勝会に参加しているある面子達に会いに行く
何故ならそいつらと少し話があるからだ
……To be continued