最終章・めんどくさいったらありゃしない
セリア達が無事に集結して六首邪覇龍を討伐していた頃
アナザーを担当している俺はというと……ちょっと困ったことになっていた
その理由は
「はっはっは!我は貴様のことが気に入ったぞ!貴様のことは破壊するのが惜しい、だから我のものになれ!」
とか言ってしつこく勧誘してくるアホのせいである
何故かさっきまで本気で殺し合いをしていたはずなのにも関わらず、何故か突然こうなった
こうなってしまったのである
ちなみに現在の俺の状態は右腕がないのを無視すれば特にダメージを受けているわけではなく魔力は常時回復し続けているので特に問題なし
体力の方はまぁまだ余力があるっていった感じ
疲労感は…こいつのせいで今どんどん溜まっていっている
そんな俺に対してアナザーはというとどんどん傷を増やしており今は血まみれ
なんせ俺の使っていた魔法のせいで接近しているだけでも火傷や裂傷、更には浄化といったダメージを受け続けていたのだ
回復力に乏しいアナザーにとってはとても苦しい状であった……はずなんだけど戦闘狂であるアナザーは痛みなど特に気にしていないらしくテンションが高いままで苦しそうな表情ひとつ見せない
これには俺もお手上げである
てなわけで何故か勧誘されている俺は今現在何をしているかというと………アナザーと弾幕ごっこをしている
無詠唱による数々の魔法の乱打戦
言わずもがな鬼気を使用した消滅効果のある魔力弾も飛ばしまくる2人
俺は光魔法を中心にして、アナザーは闇魔法を中心にして弾幕ごっこをしていることによって光と闇、対になる魔法は打ち消し合いそれ以外の魔法は俺とアナザーに当たることなく周りの地形をどんどんと変形させていく
もう修復不可能何じゃね?と思うほど辺りの地形と環境は変わってきており地面がどんどん無くなっていっている
てかこのままだとこの星が割れるんじゃね?と思うくらいには地面に対してダメージが入っていると思う
まぁその点に関してはさっきシシリアから
『その星の環境の保護は私達が全力をもって保持しています。なので貴方は周りに気にすることなくあの娘を倒すことだけを考えてください。今回の戦いで残すところは貴方のところだけです』
と念話によって連絡がきたからだ
俺はこの連絡によってセリア達が無事に六首邪覇龍を討伐したことを知った
それを感知するような余裕がないくらいに今のアナザーの攻撃は激化しており、正直弾幕ごっことか言って遊んでいるように思わせてるけど張り合うので精一杯である
それにアナザーは何故か俺の勧誘にご執着な様子なので六首邪覇龍が倒されたことなどどうでもいいのか挑発にも乗ってくれないし会話に対しても聞く耳持たない
(あぁーめんどくさい!こいつ絶対メンヘラ気質だろ。いやだいやだ、ほんとめんどくさい。まじでどうしよっかなぁ……)
そう思いつつアナザーの攻撃をただひたすらに捌きつつも作戦をユニークスキルを用いて一生懸命考えて続けているのだけれども全くいい案が浮かばない
それどころかこのままいくと本当に被害が広がっていって各国のここから1番近い都市に被害がでかねない
そんなことになってしまったら避難させた意味が無いのでさせるわけには行かない
だけどどうやってアナザーを倒せばいいか分からない
だがそんなことを考えているとふとアナザーからの攻撃が止まる
不思議に思い俺も攻撃するのをやめてアナザーの方を見てみるとアナザーは血まみれのまま肩で息をしながらこちらを見ている
不思議に思い
「なんで攻撃をやめたんだ?」
そう聞いてみるとアナザーは笑顔のままで答える
「ふん!少し休みを挟んでしっかりと勧誘しようと思ってみたまでよ。それにどうやら此度の戦いも我と貴様の闘いを除いて終わったようじゃしの」
そういうアナザーは実際には多分少し休憩したかったのかもしれない
だがそれでも俺としても休憩を取りたかったのでお互い様だと思いその提案に乗って話を進める
「だからさ、さっきから言ってるけど俺はお前のもんなんかにならないからね。さっさとシシリア達のところに帰ってくれよ」
そう俺が言うがアナザーは笑みを崩さず
「そう言わずに我のものになれ!貴様と我が力を組めばこの世界を手に入れることなぞ容易い。それに上手く行けばあの姉共にも勝てるかもしれぬ」
と言ってくる
そんなアナザーの言葉に
「いや流石に同じ神様どうしだと数で負けるでしょ」
とか言ってみるものの
「我の力をあの姉共と同じにしてもらっては困る!我は姉妹の中で1番の力を持つからな」
とか言っている
シシリアの話ではアナザーは搦手に激弱のはずなんだけど
そんな自慢げなアナザーにどうした返答したものかと考えていると不意に何かを思いついたようにアナザーが手を打つと
「そうか、貴様が我のものにならないのは貴様に他に大切な者共がいるからか。ではそれを消せば貴様は我のものになるはず!」
とか何とか言い出した
それを聞いて流石に俺も焦る
(えっ?その考えはまじでメンヘラさんじゃないですか〜、怖い怖い。……えっ?マジでヤバくね?あいつ見てたらガチでなんかしそうなんだけど)
とか俺が思うのも無理ない
なんせ今のアナザーはもうどっからどう見ても悪巧みする悪役の顔をしている
完全に何かやらかすつもりだ
そう考え俺はいつでも動き出せるように体勢を整えるが少し遅い
「まずは貴様の大切な者共を全て破壊することに決めた!まずは我の大切な従魔達を倒してくれた奴らを破壊してくれるわ!」
そうアナザーは言うを姿を消す
アナザーが一瞬にして移動した先はセリア達のいる場所
俺の転移よりも高性能な神の移動方法はどうやら対象の反応が感知出来るている場合は、対象の近くに一瞬で移動することが出来るらしい
それを瞬時に理解した俺は焦る
(不味い!)
そう思いすぐさま俺も転移を発動させるがやはり俺の転移の方が発動が遅かったがためにアナザーより少し遅れる
そうして俺がセリア達のところに辿り着き目にしたのはアナザーの手によって腹部を貫かれたセリアの姿であった
……To be continued




