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最終章・強いられる苦戦

《side リーニャ&希暗達》



ここはアログアの王都の近く

無事に深淵死霊王ダークネスリッチー率いる魔獣達を全て殲滅し終えて既に戦闘は終了しており、今は魔獣の死骸を処理したり怪我人達の手当などをしている状況にある

また少なからずいる残念ながら亡くなってしまった人々の亡骸を丁寧に扱い1箇所に集めるといったこともしている

だがやはり予め立てておいた作戦や呂阿の準備した魔道具、更には呂阿の実施した戦力底上げ強制訓練などによって今までの大戦と比べると遥かに少ない犠牲者であるのも事実

その事を理解しているゼラスは亡くなってしまった仲間達に対して悲しみを感じているが、同時に限りなく少ない犠牲でこの場における戦いが終了したことを安堵していた

とは言ってもまだ今回の決戦が全て終わったわけではない

このあとにも素早くスリイアに戦える者達を集めて援軍に向かわなくてはいけないのだ

それを分かっているゼラスはこのあと援軍として行くメンバーには


「お前達は一旦休憩だ!このあと少ししたらスリイアに行くぞ、気力と体力を回復させとけ!」

といい、その他のここに残るメンバーには


「スリイアに行かずにここに残る奴らはまずは怪我人達の治療を、その後に戦後作業を各自行うように!」

という指示を出しながら戦場を回っていく

このあとにゼラスも再び援軍に向かうメンバーをまとめる役目が待っているのだがやはり魔王、きちんと王たる役目を果たしているようだ


そしてゼラスが忙しく動き回っている中、一刻も早くスリイアに向かわなくてはならないリーニャと希暗はというと………完全にダウンしていた

まずリーニャは完全なる魔力切れを起こして今はすっかり熟睡中

やはりいくら人外の域に片足を踏み入れているとはいえまだまだ子供

仕方ないといえば仕方ないだろう

エマもそれは分かっているのか一応ゼラス達がスリイアに行くまでの間だけでも休ませてあげようと思い今はリーニャを休ませてあげているのだ

ちなみに今のリーニャの状況をゼラスが知りでもしたら確実に親馬鹿を発動して確実にスリイアなぞには行かせんとか言いかねないのでエマはゼラスが近づかない場所にはいたりするのだけど


そしてもう片方の希暗はというと………死んでいた

もはや揶揄ではないのではないかと思えるくらいに今の希暗は死体にしか見えない

四肢を地面に投げ出し大の字になって寝転がる希暗の傍らにはカルマが地面に直立するかのように刺さっている

今の希暗は体力・魔力ともにほぼZERO

さらに言えばとんでもない疲労感が希暗をおそっている状態

まぁ魔力切れと同時に体力もほぼ無し

そんな状態なら立つことも出来ずに虫の息になっているのも無理ないだろう

駄菓子菓子!

希暗はこんな所で寝ているわけにはいかないのだ

希暗はリーニャ同様早くスリイアに向かいセリアとクロアとともに邪神の従魔の最後の一体を倒さねばならない

てなわけで希暗を起こすべく近づいていく桜前と白月

そんな2人の手には呂阿から渡されているありったけのオリジナルドリンクの数々が握られており、もうその様子からも2人が希暗に対して何をしようとしているのかはすぐに分かるだろう

そう、劇や……もとい呂阿特製薬を希暗に摂取させようとしているのだ

ちなみに2人は既に呂阿から渡されているオリジナルではない高級回復薬の類を使用して体力も魔力も全快に近い状態にもっていっている

その理由は言わずもがな2人もスリイアに行くからだ


そんなわけで呂阿特製薬を無抵抗で飲まされる希暗

そしてそんな呂阿特製薬を大量に摂取した希暗はほぼ即座に体力・魔力そして気力までもが回復する

これには流石の3人もびっくり

ここまで即効性のあるものだと誰も思わないだろう

なんせ他の回復薬の類は遅効性…というよりは定期的に少しずつ回復していく感じのものばかり

どれだけ即効性があるやつでも数分は待たなくてはならないのがこの世界の常識だった

だがそんな常識は呂阿には無意味、てか無駄

と普段なら言っているけど今回のこの薬

なんと副作用があったりする

いくら呂阿でも完璧には作りきることができなかったようでこの薬達にはある副作用が全てに付与されている

その副作用の効果は……後ほど分かるだろう


そんなわけで無事に戦闘を行うことが出来るくらいまで回復した希暗

何故かテンションまで上がり今はやる気充分

そんな希暗は桜前と白月を連れてゼラス達よりも一足先にスリイアへと行くべく魔法陣へと向かう

その途中で復帰したのか


「リーニャも一緒に行くの〜」

と言いつつリーニャが飛んで来たので合流

そしてまだ寝ぼけているリーニャ

ハイテンションな希暗

再びはじまる戦いに緊張する桜前と白月

こうして4人は激戦が繰り広げられているスリイアの王都へと転移テレポートしたのであった














《side セリア&クロア》



場所は変わりここはスリイアの王都付近

圧倒的な実力を持つ六首邪覇龍ヘキサループスフォートドラゴンを前にしてセリアとクロアは予想外の苦戦を強いられていた

まず1つ目の問題として六首邪覇龍ヘキサループスフォートドラゴンの持つ6つの頭部から放たれる魔法やブレスの数が凄まじいこと、それに加えて一撃一撃の威力もとんでもなく高い

よってセリアとしては回避することはそこまで困難ではないもののほとんど近づく事は出来ずにただ六首邪覇龍ヘキサループスフォートドラゴンの周りを動き回るだけになりつつあり体力と魔力だけどんどん消耗していく状況

そしてもう1つの問題はクロアの攻撃が今の状態ならばほとんど通らないことである

そのせいで予想よりも遥かに少ない量しか六首邪覇龍ヘキサループスフォートドラゴンの魔力残量を削ることしか出来ない上に、クロアはセリアほどの速度を出せないために回避することに専念しつつあり攻撃の手数も減っている

つまり今は2人とも為す術なく押されている状態だ


だがそんな状況でも2人は諦めない

というより呂阿より頼まれたこの役目

この2人が途中で放棄するわけないのだ

そんな2人は今はただただひたすら状況を冷静に判断してリーニャと希暗が来るのを今か今かと待つ

この2人が来ればセリアとクロアは秘技を発動させて4人で全力の総攻撃を仕掛ける予定なのだ

だからこそ今は好機をただ待つのみ

さすればいつか勝機が見えると信じて

それにアログアからの援軍がくれば確実に周囲の戦況も一変する

ただでさえイグノアからの援軍がきてからというもの3種族の連合軍と魔獣達との戦いはほぼ互角の状況

これに加えてアログアからの援軍と呂阿の準備した魔道具があれば巻き返せるだろうという判断だ


そんな考えを持ちつつただただ耐え抜き六首邪覇龍ヘキサループスフォートドラゴンの足止めに徹していたセリアとクロアはほぼ同時に感知する

そう、リーニャと希暗がこの場にやってきたことを

そしてすぐさまリーニャと希暗がこちらに向かってきているのを把握した2人は六首邪覇龍ヘキサループスフォートドラゴンから距離をとると、ギリギリになるまで摂取をやんわりと止められていた呂阿特製薬を素早く服用する

効果はもちろん抜群

2人の体力と魔力はたちまちほぼ全快状態になる


そして時を同じくしてリーニャと希暗が到着

この場に呂阿を除く3種族の連合軍の最高戦力が全て揃ったわけだ

そうして英雄+αと邪神の従魔

最後の戦いが幕を開けた








……To be continued

[注]これは7月27日の分です

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