最終章・まだまだこっちは終わらなさそうです
希暗とリーニャによる大活躍のもと無事にアログアにおける戦いに幕が降りた頃
俺とアナザーによる戦いは未だに熾烈を極め周辺の地形や環境がもはや修復不可能なくらいに変わりつつある
地面にはところどころ底が見えないくらいの穴が空き、まるで溶岩のようにドロドロに溶けた箇所やそれと対をなし普通では溶けることがないような氷で覆われた場所もある
更には俺とアナザーの戦っていると周辺だけ豪雨に加えて雷雨、さらには竜巻も何個が発生しているなどといった異常気象も多数発生している
どれもこれも俺とアナザーがお互いに周りに遠慮することなくぶつかり合った結果の産物であったりするのであとでこれらの修復は多分の俺の仕事になるであろう(;´д`)
そうして本気で殺しあう俺とアナザーだが決して黙々と黙って戦っているわけではなく
「これだ!これぞまさに我が望んだ血湧き肉躍る戦い!!!いいぞ、貴様は最高の獲物じゃ!」
とか笑顔で言ってくるアナザーに対して
「はた迷惑な戦闘狂だな!そんなに強いやつと戦いたいなら姉達と遊んでこいよ。こっちに迷惑かけんじゃねぇ!」
とか言ってみているのだけどてんで効果無し
むしろシシリア達の名前を出す度に機嫌が少し悪くなり攻撃の威力が増している気がする
そんな感じで戦っていると俺とアナザーは再び同時にまた1つの戦場での決着がついたことをさとり、一旦戦闘をやめて距離をとる
もちろん今回も俺の側の勝利だ
それを理解しているアナザーはさぞ悔しそうに
「はぁ、はぁ…。くそっ!また貴様の仲間によって我の大切な従魔がやられてしまったのじゃ」
とか言っているのでここぞとばかりに
「これで残るはあと1体だな…はぁ、はぁ。まぁどうせそれも俺達の方が勝つけどね!」
とか煽ってみるけどお互いに披露によって息切れしているので煽りの効果はいまいち
俺はアナザーと本気でぶつかりあったことによってこの世界に来てかつてない程の披露を感じており今現在俺は………右腕が使えない状況である
なぜそんな状態なのか?
と問われれば簡単な話だ
それはアナザーの攻撃をモロに1度受けたから
アナザーは破壊を司る神
そんなアナザーが壊した者や物はこの世界においてアナザーと同じ神以外には修復不可能なのである
だからいくら自己再生機能を持つ俺ですらアナザーの攻撃をまともに喰らうと大ダメージを受けてしまうっていったわけだ
まっ、本当は1度右腕を切り飛ばしてから新しいのを生やすことが出来るには出来るんだけどそれはかなり時間がかかるのでやれるとしてもこの戦闘が終わってからだろう
だがそんな俺だけがダメージを受けているわけではないアナザーの方もそれなりに負傷している
アナザーはその司るものの特性上、破壊することは出来ても修復することは出来ない
それは自身の身体においても同じでありアナザーは自分が受けた傷を自分自身で治すことは得意としていない…ていうかほとんど出来ない
多分中級回復魔法程の効果すらだせないのだ
だからちまちま削られて大昔に封印されるようなことになったのだ……とシシリア達が言ってた
そんなアナザーは今俺の攻撃によって重傷を負っているわけではないが全身に傷を負っている状態である
単純に俺達が剣を使って接近戦をしたら剣がぶつかり合う度に衝撃波が生まれてお互いにダメージ、そんで俺は治るけどアナザーは治らないのでどんどん傷が増えていったっていうわけ
ちなみにアナザーの血は普通に赤かった
そんな既に満身創痍1歩手前の俺とアナザー
だがまだまだこの戦闘に決着はつきそうにない
(普通にこのままだとただの持久戦にしかならんなぁ…。アナザーにはなんか俺を破壊するための切り札があるらしいけどこっちにはあいつをどうにか倒せそうな切り札はないっと………あれ?ヤバくね?)
そんなことを考え俺が少しばかり焦りを感じはじめているとアナザーが口を開く
「よもや再び我の従魔が2体もぶち滅ぼされるとはの……はっきり言って予想外じゃわ。あの鬱陶しい姉共が顕現出来ないゆえ今回こそは楽に殲滅出来ると考えていたが我らの想定が甘かったようじゃ」
とか言い何故かこちらを賞賛してくる
なのでこのまま話し合いで終わらないかな〜なんて儚すぎる期待を胸に
「じゃあもう今回は諦めてくんね?ほらさ、また何千年か寝てから起きたら次は多分この世界を征服出来るだろうし」
とか提案してみる
するとアナザーは俺の提案を聞くと突然笑いだし
「貴様は本当に面白い奴じゃな!………だが貴様の言う通りにここで引くわけには行かんのじゃ。我の為に散っていた従魔達の想いを無駄にするわけにはいかんからな」
そう言うと真剣な表情になったアナザーは手元に小さい魔法陣を作り出すと何やら操作をしてから素早く魔法陣を消失させる
その1連の動作に対し素早く俺は警戒し構えをとるが一向になんにも起こる気配がない
不思議に思い
「さっきのはなんだ?見たこともない魔法陣だったけど」
と聞いてみると普通に答えてくれた
「やったことは簡単じゃ。既に討伐された従魔達の魂を使い最後の従魔を強化したまでよ」
そう言いつつアナザーは再びガルマハラを構え戦闘を再開させる雰囲気を醸し出しはじめる
「これで残る我の最後の従魔は格段に強くなる。いくら貴様達の仲間が強かろうともう既にほとんど戦力となるやつは残っておるまい。だからこれが最後の戦いじゃ!我らと貴様達、どちらの側が強いか。そして我は貴様を破壊し全てを破壊し尽くしてくれる!」
そう言うと再びガチモードになるアナザー
多分アナザーの言っていることは事実だ
なんせスリイアにいる六首邪覇龍の反応の大きさが膨れ上がったから
完全に予想していなかった従魔の強化
だが俺は何ら心配していない
なんせあいつらを信じているから
俺の役割は今ここでアナザーを倒すのみ
「厄介なことばっかりしやがって。だけどどうせ俺の仲間達の方が勝つね。それに俺だってお前に負けるわけにはいかないんだよ!」
そう言うと俺は使えない右腕を切り飛ばしてその右腕があった位置に身に纏う焔によって円形の盾のようなものを形作る
これで即席ではあるが神剣を左で持ち、右で盾の役割を果たすことが出来る
恐らく両手があった時の方が強いだろうけれども、壊れた腕を持っているよりかはこっちがマシだろう
………こんなことなら義手と義足とかも作っとけばよかった(´・ω・`)
そうして再び己の持つ得物を構えた俺とアナザー
2人が再びぶつかり合うことで今までにないほどの地響きが世界中へと広がっていった
……To be continued