最終章・僕はいつだってタンク役( ˙-˙ )
《side リーニャ&希暗達》
時間は少し遡りアナザー復活時
ここアログアではいち早くアナザーの復活、もといアナザーの従魔の復活を察知したリーニャ・希暗・ゼラス達によってすぐさま予定されていた陣をしくべくここにいる全員が動き出す
陣の形としては敵側から
希暗
ゼラス率いる魔人メインの精鋭部隊
防御力に秀でた防衛部隊
リーニャ率いる魔法攻撃部隊
後方支援部隊
である
役目としては希暗がたった1人で深淵死霊王を抑えその間にリーニャ率いる魔法攻撃部隊から希暗もろとも魔法攻撃を浴びせまくる
完全にタンク役である
魔法攻撃に関しては殆どが光魔法であるがために希暗に当たってもさほど問題ないのでこの作戦が可決された
もちろん提案者は呂阿である
それでゼラス率いる精鋭部隊に関しては遊撃
深淵死霊王以外の魔獣を大規模魔法や各種族の得意戦法を用いて殲滅しつつところどころ余裕があれば他の部隊のサポートに回る
防衛部隊は完全に壁
後に控える魔法攻撃部隊と後方支援部隊へ魔獣達が向かわないように注意を引き付けておきただひたすら魔獣達からの攻撃に耐える役
こちらに関しても防衛部隊にとりつく魔獣達は光魔法をメインにて対処する予定なので特に問題ない
そして今回の作戦における主軸の魔法攻撃部隊
これに関しては光魔法を使える人間種をメインに集め、あとは回復魔法や闇魔法、それに支援魔法といったものを使える者達を3種族からかき集めて構成されている
恐らく今回の決戦における戦力のうち魔法を得意とする者の7割型はこの戦場に集められている
それは単純に呂阿が
「多分深淵死霊王は1人を生贄にして壁はってひたすら光魔法打ち込んどきゃ勝手に弱る。あとのトドメはリーニャにやらせればいいしな。………ってことで希暗、壁役かんば!」
なんて言って勝手に決めたものであり、今回の戦いにおける作戦等は殆ど呂阿の独断で決められていたりするのだけど各国の代表者と+αのメンバー以外がそれを知りうることはない
ほんと自由自在に振る舞う人外である
そんなわけでアナザーが復活し無事に呂阿に1度は殲滅された深淵死霊王も復活してそれと対面するのは希暗
そんな希暗は作戦を聞いた当初はだいぶやさぐれていたけれど今はリーニャや桜前達に励まされたこともあってか完全にやる気モードである
ちなみに今の希暗は既に戦闘体勢に入っており今の属性は火属性
4つの属性の中でも攻撃力と防御力、更には速度においても1番バランスがいい属性である
また1番使い慣れた属性からも今回は火属性を選択したようだ
そうして炎の大剣を手に持ち構える希暗を見て自身もどこからともなく大鎌を取り出し構えつつ深淵死霊王は口を開く
「アナザー様のおかけで再びこの世に顕現することが出来たわ。……ふむ、さしてそこの人間の英雄よ。此度は貴様から我の相手をするのであるな?」
いとも簡単に希暗のステータスを把握できる当たりまだ希暗よりも深淵死霊王の実力の方が高い
だがそれは重々承知の事実
そう言われた希暗は構えを崩すことなく
「そうだね。今回は呂阿じゃなくて僕が相手をさせて貰うよ。あなたには悪いけどすぐに退場願おう!」
と言うといきなり深淵死霊王に切りかかる
だがそんな希暗の一撃は軽々と深淵死霊王に受け止める
そして
「よかろう。久々に相見える女神から愛されし英雄、その力を我に見せてみよ!」
そう言うと大鎌に黒いオーラが纏われたかと思うとそのまま希暗に切りかかる
その斬撃を希暗は受け止めるがその力強さに少しおされ炎の大剣は軽く切り裂かれる
魔力での身体能力強化を習得して今現在使用している希暗でさえも真っ向から打ち合うと力でおされる上に炎の大剣如きの耐久力では一瞬で壊されてしまうようだ
(やっぱり呂阿に聞いた通りの実力か……。仕方ない、これがはじめてだけど上手くいってくれ)
この現状をまみえそう思いながら希暗はカルマを取り出すと
「付与魔法・煌炎」
そう唱える
すると深淵死霊王の持つ大鎌同様に希暗の持つカルマに煌めく炎が纏われはじめる
それを見て成功を確信した希暗は内心ホッとしつつも素早くカルマを構えると再び深淵死霊王へと切り込む
「ふん!その程度の攻撃何度も………なにっ!?」
希暗の攻撃を容易く受け止めたはずの深淵死霊王はカルマを受け止めた際に自身の持つ大鎌、それに加え自分自身にすら僅かながらもダメージが入っているのを確認する
それは明らかにあの見たことも聞いたこともない魔法によるもの
その効力に驚きつつも深淵死霊王は1度希暗から距離をとろうとするがそれを希暗が許さない
「不可思議な魔法を使いおって!それに………ぐっ!」
希暗が深淵死霊王をその場に留めているとどうやら魔法攻撃部隊による集中砲火がはじまったらしい
周りを見てみるとゼラス率いる精鋭部隊があちらこちらで魔法をぶっぱなし進軍しながら無双しているし、遥か後方からは魔獣達の大群に向けて希暗自身が何度も体験したトラウマ級の魔法が飛んできている
それによって次から次へと希暗と深淵死霊王がいる場所には大小様々な魔法が降り注ぐ…が今はほぼ全てが光魔法なので希暗には効果がないので避けるべき魔法は極小数
時々混ざっている他の属性の魔法はもはやただの目くらまし感覚
そんな光魔法の弾幕は確実に深淵死霊王を怯ませ削っていく
といってもまだまだ倒すまでには程遠いが
そんな深淵死霊王を希暗はここぞとばかりに攻めに攻めまくり防戦一方へと持ち込ませる
なんせ反撃でもされたら作戦における主軸である魔法攻撃部隊が壊滅しかねないから
そう考え必死に深淵死霊王へと攻撃を仕掛ける希暗
そうして希暗をただ1人タンク役とした対・深淵死霊王作戦の出だしは完全に上手くいったのであった
……To be continued
[報告]
設定でやらかしていた部分の修正を今更ながら全ての完了しました
内容が大幅に変わった話に関しましては題名を少し変更しております
(多分読み直さなくても問題はないです)




