最終章・白熱(?)していくバトル
セリアとクロアが冥腐三首子犬を撃破していた頃
俺とアナザーはただひたすらに切る・殴る・蹴るといった近接戦闘を繰り返し続けていた
アナザーがどれくらいの力を発揮しているのかは分からないが俺としては7割程度の力を出しており、剣と剣・拳と拳・脚と脚がそれぞれぶつかりあう度に周りの地形は変わり人体と神体がぶつかっても普通ならでないような音が響きわたる
そんなことをし続けている俺とアナザーは同時にひとつの戦場で決着が追加着いたのを理解する
もちろん今回は俺の側の勝ちだ
なので………当然の如く煽る
「よっしゃ!とりあえずイグノアでの戦いは俺達の勝ちだな。お前の自慢の従魔なんかじゃ俺の仲間には勝てないってわけだ」
そんなことを嘲笑いながら言ってみるとアナザーはたいそう悔しそうに
「ちっ!あの駄犬めが……!」
と言いながら地団駄を踏んでクレーターを作っている
こんな軽い挑発でここまでの反応を見せてくれる当たりシシリア達から聞いていた通りアナザーはまだまだ精神が未熟なのだろう
シシリア達曰くアナザーは
「あの娘はまだ私達と比べて神としての経験や年数が足りてません。よって不安定なのです」
とシシリアが
「単純あいつは馬鹿なだけだな。たしかあいつみたいな奴のことをなんて言ったっけな………忘れた!」
とリーリスが
「姉様、それは多分ちゅうにびょうというやつですよ。あの娘は時々おかしな言動をしますからね」
と言っていたのがセクメトである
その他にも色々とアナザーについてグチグチと言っていた理由でるけどまとめるとこんな感じ
・まだまだ子供
・時々厨二病
・能力に任せた脳筋
て感じ
特に直接的な強さに関してはリーリス以外では勝てないほどの強さを持つらしい
だけど脳筋なので絡め手を使うとシシリアとかセクメトでも普通に勝てるらしい
なのでアナザーと戦う時には絡め手をメインとして戦うことを勧められた
ちなみにどうでもいいかもしれないけど気になったので聞いてみたこと
それは姉妹がいるなら親がいるの?
って質問
それに関しては3人が3人とも口を揃えて
「「「私達の親のような神は存在します」」」
と答えた
詳しく聞いたのをまとめると神様を誕生させる神様ってやつがいるらしくてそいつが全ての神様を生み出しているらしい
ちなみに神様はその母神によって生み出されたか、それ以外の生物が何かしらの影響を受けて神になるかの2択らしい
俺は後者の中でも初めて見るケースかもしれないって言われた( ˙-˙ )
そんなこともあってアナザーの性格についてはシシリア達からほんと嫌になるほど聞かされている俺は自分が有利になるように場を進めていく
まずは脳筋という特徴を活かして煽りに煽ってただでさえ低い思考能力を奪っていく
「結局俺のこと壊す壊すって言ってるけど自慢の部下があんな感じじゃ俺の仲間すら壊せないんじゃないの?(゜m゜*)プッ」
とか
「これからは破壊(笑)の神様でよね?」
とか
「他の2体もじきに俺の仲間達で倒せるな〜」
とか悔しそうに俯くアナザーに向かって言いまくっていると一瞬アナザーの反応が限りなく小さくなる
それを見て
(ん?負けを認めてシシリア達のところに帰ってくれるのか?)
なんて淡い期待を抱くけどそんなわけない
次の瞬間、アナザーから今までに感じたことのないほどの殺気と威圧感を感じた俺は素早く後退すると魔剣をしまい込み神剣1本を両手で持つと最大限の警戒をしたまま構える
ここまでの動作はもはや反射だ
考えることすらせずに身体が勝手に動いた
そんな俺からは今冷や汗を流している状態である
つまりそれぐらいアナザーの今の状態がヤバいってわけだ
主人公の覚醒シーンかラスボスの登場シーン並に絵になる風景と迫力を生み出している今のアナザー
辺りには地響きが鳴りわたりアナザーの周りの地面の一部は物理法則を無視して浮遊しているし、理由なんてわかりっこないけど天候も悪くなり今は土砂降りに加え雷も多数俺達の周りに降っている状態
そんな現象の中心にいるアナザーを見てみるともう激おこぷんぷん丸ですっていうのが見なくても分かるくらいに怒りのオーラを醸し出してるし、何しろ髪の毛は逆立ち目は釣り上がっている
こいつだけでそれ程のネタ要素持っているんだよ!ってツッコミを入れたいけどそんな余裕はない
俺は全力でアナザーを待ち構える大勢を保ちつつ口を開く
「それがお前の全力ってわけか。もう決着をつけにかかるのか?」
そう俺が聞くとアナザーはガルマハラを両手で構えつつも答える
「その通りじゃ。我がここで貴様を早く破壊し、その他の貴様の仲間達も全て破壊し尽くしてくれるわ!」
そう言うアナザーは本当にそのつもりでこれから俺に攻めてくるのだろう
だけどそう言われてはいそうですか、と言って普通にやられるわけにはいかないので俺の現在出せる全ての力を持ってアナザーを打ち倒すべく
「創成魔法・鳳燕神」
そう小さな声で唱える
すると俺の全身を深紅の炎が包はじめる
そしてその炎がはれた時
俺は深紅の炎で作られたコートのようなものを身に纏い、手に持つ神剣も同じように深紅の炎にてコーティングされていた
これが俺が女神達からのアドバイスのもと作り出した新たなる魔法であり、セリアやクロアに教えた魔法の原点となるやつである
そんな土砂降りの中でも全く衰えることのない炎を身に纏う俺の姿を見てアナザーも少し顔を顰める
流石に戦闘に特化している脳筋なだけあってこの魔法の厄介さがある程度理解出来たらしい
だってよくよく見てみると俺の纏う炎に雨が当たる直前……というよりはそれよりも少し離れている時点で既に雨粒は蒸発している
つまりそれ程までにこの炎わ温度をもっているということ
そんな温度を持つものとまともに接近戦をやり合って無事で済むわけがない
つまりアナザーも魔力等を消費して何かしらの身を守る手段をとらねばならないということ
もちろん俺もこの魔法を維持しなくてはならないので魔力は常に消費され続ける
そして
「それじゃ……行くぞ!」
という掛け声と共に俺がアナザーに突っ込む
それを見てアナザーも瞬時に鬼気を発動させ、俺の持つ神剣での一撃を俺の炎同様に鬼気でコーティングしたガルマハラで受け止める
そうして雷雨の中
俺VSアナザーの第2ラウンドは開始された
……To be continued
[注]この話は7月21日分です
夜中に本日分は投稿します