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第2章・セリアの過去と心情

ちょいとしたおまけ話


凄く今更感ありますがセリアはヒロインのうちの一人(予定)です

《sideセリア》



私は白狼族の中でも最も強いフォセットの一族に生まれた

小さい頃から周りと比べても能力が全般的に高く獣人ではあまり使える者がいないとされている魔法のスキルも一つ持つことが出来ていたため周りから期待されて育っていった私はその期待に答えるべく必死に自身を磨いていった


順調に育ち無事成人を終えた頃、再び各種族間で争いが勃発するようになり私を含めた私達白狼族は獣人の主力部隊として戦場に赴くことが度々ありその度に周りから期待の視線を向けられていた

この頃から既に私は一族の主戦力であり人間や魔族と戦ってもほとんど傷を負うことなく敵を倒していっていた


そのような生活が続いていたある日、白狼族の子供達が人間によって攫われる事件が起きた

白狼族は子供をとても大切に育てる習慣があるために子供を人質として使えば私達大人が手が出せないと考えての事であろう

私はそれにいち早く気づき人間達を追いかけた

ここで1人で言ってしまったのが間違いだった


人間一人一人の力は大したことなくても子供という人質がいる以上私だけでは安全に子供を保護しつつ人間を撃退することが出来ない

案の定、子供を人質として盾に使われまともな抵抗も出来ないまま私は人間達に捕縛されすぐさま奴隷契約を行われてしまった

その頃から既に私は人間の方にもある程度知れており、私が捕まれば子供達は返すとのことであったがそれは守られなかった

その時程人間に対して殺意を覚えたことはないだろう


そのあと獣人の大人は捕虜や人質としての効果は王族やその忠臣以外にないため私はミセラの奴隷商館に連れていかれそこでほかの奴隷達を裁くための目玉商品となり莫大な金額が付けられた

私が誰かに買われてしまい、逃げられる可能性を無くす為にも必要な処置だったのであろう

基本的に他種族を性奴隷として扱うような人間はいないと聞いていたが、中には物好きな変態がいるとの事だったのでそういう輩に買われることがないのは内心ホットしていたけれども毎日変わることない生活は苦痛であった







そんなある日1人の男が現れた

その男は見た目にそぐわず大金を所持しており、獣人の大人の戦闘用奴隷を探しているようであった

私はいつも通り売られることのない見世物としてほかの獣人達と一緒に並べられた

そしてその男も大抵の客と同じように私に目をつけたがいつも通り予算を上回る金貨を提示されていた

だが驚くことにその男はそれすらも払えてしまう程の額を所持しており結局私はその男に買われることになった


商館を去る時、奴隷商人がかなり悔しそうにこちらを睨んでいるのを見て少し気が晴れたような気がした

その上その後差し向けられた奴隷商館の使いの人間達のおかけで更に気は晴れた

その中に私達の村を襲撃した人間もいたのでもうそんなことをすることが出来ないくらいに念入りに痛めつけておいた





その後も驚きの連続であった

普通有り得ない値段の私を買ったかと思えば次は街に出て私のための服を買うという。

奴隷に、しかも獣人に新品の服を与えるなんて話は全く聞いたことが無かった

私はこの男が何か企んでいると思い警戒し続けた


だがその後もそれらしき素振りは見せずに私が粗雑に対応しているにも関わらず丁寧に接してくれた

その後少し話を聞き目的が獣人の国へ行くことで私には案内をして欲しいと言う

更に無事用事が終われば私を奴隷から解放するとまでも言った

流石にそれはおかしいと警戒したがなんとその場で私の奴隷契約を解除してしまい、更に何かの腕輪を受け渡された

一瞬その腕輪が奴隷契約の代わりになるものかと警戒したが前の奴隷契約と違い嫌な気持ちなどは全くならずむしろ温かい感じがしたので気にしないことにしておいた


その後も又しても大金で買った武器や防具を買っもらったり、食事も奴隷に与えるような残飯ではなく同じものを満足するまで食べさせてくれた




そうしてその男、ロアという人と過ごしていくうちに私は次第に心を開いていった

それに私のことを大切に思ってくれていることが充分に伝わるほど優しくしてくれた


ギルドで絡まれた時も奴隷をモノ扱いしてきた相手に怒り私を1人の女性として扱ってくれた

その後もなにかあれば「必ず守る」「何よりも大切だ」と言ってくれたことで私は胸が熱くなった

この人は一見頼りがいがあるようには見えずに、時々心配になるような発言をしていたりするが何故かこの人と一緒にいると安心してしまっている自分がいた


夜中や朝、私が寝ている時にゴソゴソと隠れて何かしているのもきっと大切なことなんだろう

いつか教えてくれるかもしれない

夜、一緒に寝る時も何故か胸が高鳴りあまりよく眠れなくなっていった




人間のことは許すことは出来ない


でもこの人はほかの人間とは違う


だからこの人のことを信じてみよう


私は次第にそう思うようになっていた






……To be continued →

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