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最終章・VS最後の試練>>4

この頃多忙です( ˙-˙ )

《side 希暗達》



希暗とアシュロンから放たれた2つの魔法がぶつかり砂埃をあげ爆音と衝撃波を生み出す

その余波は凄まじいものでクロアが使用した呂阿作の結界が悲鳴をあげるくらいであり、そんな結界にヒヤヒヤしつつもクロアは桜前と白月に被害が及ばないように2人の前に位置どる

そうしてなんとか結界が衝突の余波から耐え忍んだころに砂埃が晴れて2人の様子が見える

クロアの目に入ってきたのは羽がボロボロになり全身血まみれになりつつ片膝をつくアシュロンと全身傷だらけで大の字になり地面に横たわる希暗

感知スキルの反応から見てももうどちらも余力は残っていないようであり、アシュロンは神格化が解け希暗は精霊王モードが解除されている

するとまだアシュロンは動ける様子であり立ち上がると柄以外が砕けた大剣を捨て新たにどこからともなく剣を取り出すと希暗へと近づいていく

だが希暗は地面に倒れ込んだまま全く動く気配がない

恐らく意識はあるのだがもう立ち上がる力すらも残っていないのだろう

そんな動けない希暗の目の前にアシュロンは辿り着くと口を開く


「どうやらこの勝負我の勝ちのようだな。だが我とてもうほとんど力は残っておらぬ。ここまで我を追い詰めたのは貴様で2人目だ、充分誇ってよいぞ」

と言い、更に言葉を続ける


「本来ならばここで貴様の力をはかる試練は終わりなのだがな………少々気が変わった。貴様には死の淵を体験してもらう」

そう言うとアシュロンはそのまま希暗の腹部に手に持っていた剣を突き刺した


「ん~~!?!?!」

腹部を剣で刺されたことによる痛みによって声にならない声をあげる希暗

そんな希暗を助けるべくクロアは動き出そうとするがアシュロンからの邪魔をするな、と言わんばかりの視線を向けられ行動を思いとどまる

クロアからしてみればアシュロンは雪辱の相手ではあるものの敵ではない

クロアはこうすることに何か意味があるのではないかと考えた上で希暗を助けるのをやめる


そうしてアシュロンは希暗の腹部に刺した剣を抜いてから少し希暗から離れる

剣により貫かれた希暗の腹部からは決して少なくはない量の血が溢れ続ける

普段ならばこのレベルの重症となると回復魔法を即座に使うところだが今回はそれが出来ない

回復魔法を使える白月は未だに意識を失ったままであるし、希暗は魔力が残っていないために魔力による治癒も出来ない

つまりこのままでは希暗は死ぬ

もしこの場で桜前と白月が意識を保っていたならば即座にアシュロンに攻撃を仕掛け希暗を助けただろう

今のアシュロンなら桜前と白月でも余裕で倒せるのでそれも可能だ

だが実際には2人は意識を失っている

いや正確には眠らされていると言った方が正しい

クロアと希暗は気づいていないが桜前と白月はアシュロンからの威圧により意識を飛ばしたのではなく、アシュロンが密かに発動した魔法によって意識を失っているのだ

そのアシュロンが使った魔法は希暗であっても直撃したならば10分は意識を飛ばすレベルのもの

桜前と白月の実力ならば1時間は意識を取り戻すことはまずないだろう

そしてクロアはアシュロンの意図を汲み取り何も行動することなくただことの成り行きを見ている

つまり今ここに死に向かっている希暗を助ける人はいないのだ


そうして実際に死に向かっている希暗はというと必死に身体を動かそうとしてはいるものの傷口が更に開く程度で全く身体を動かせていない

更に魔力も底をついたまま回復することなく魔力切れの状態に陥っているので意識も朦朧としている


(このままじゃ僕死ぬなこれ……。かといって治すことも身体を動かすことも出来ないしなぁ。それはそうとアシュロンの言ってた死の淵を経験するっていったいどういうとこだろう。それにクロアさんが全く動くことなく僕を助けないことからも多分何か意味があるのかもしれない)

最初はそんなふうに2人の考えを考察するほど落ち着いていた希暗であったが死が近づくにつれてどんどんと焦りを増していく


(このままじゃ本当に死んでしまう!なんでクロアさんは助けてくれないの!?玲奈でも白月さんでも目を覚まして助けて!……やばい…意識が朦朧としてきた……)

そうして徐々に思考力も無くなっていく希暗

身体からの出血も止まることなく希暗の体はどんどんと死に向かっていく


(あぁ、本当に死ぬかもねこれ……。でもまだ死ぬわけにはいかない!僕にはまだまだやることがあるんだ!)

薄れゆく意識の中そう希暗は心の中で叫ぶが声を出すことが出来ない今、助けを求めることすら出来ない

そして流石にもう駄目なのか、と諦めかけていた時にかって1度だけ聞いたことのある声が頭の中に響く


『我が契約者よ。お前はこんな所で終わるのか?』

突然聞こえてきた声に戸惑いつつも希暗はなんとか答える


(流石にもう打つ手がないんじゃないかな。何故か誰も助けてくれないし)


『かつてお前が望んだことは今お前が居なくなると達成出来なくなるがそれでもいいのか?お前は何のために力を得て今まで戦ってきたのだ?』

その言葉を聞き諦めかけていた希暗の心情は次第に諦めない方向へと向かっていく


(そうだ……。僕はまだ死ぬことは出来ない!まだまだ僕には僕だけしかできない役目があるんだ)

そう伝え更に続けて希暗は謎の声の主に叫ぶ


(だからもう一度僕に力を……チャンスをくれ、精霊王!僕はまだこんなところじゃ死ねないんだ!)

そんな希暗の叫びに今まで希暗に話しかけていた声の主、精霊王は答える


『よかろう。お前の持つ能力と我から貸してある力。全てをふるえるようにお前が使えるの能力をもう1段階上に引き上げてやる。これでお前は我の全ての力を引き出すことが出来るであろう。………では期待しているぞ、今代の人間の英雄よ』

そう言うと希暗の身体の中に不思議な力が流れ込んでくる

その力はまるで全てを包み込むような暖かさを感じさせるもの


そうして流れ込む力を全て受け止めたとき

希暗は純白の髪色と漆黒の瞳をもつ姿へと容姿を変更させ身体中にあった傷なども全て回復させていた








……To be continued

[*報告]


諸事情により今日みたいに12時の投稿が困難になる日が今後増えてくると思います

基本的には12時に予約投稿するつもりですがやんどころなき事情がある時はランダムな時間帯になるかと思います


決して毎日投稿をやめるわけじゃないのでご了承ください!

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