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最終章・VS最後の試練>>1

《side 希暗達》



扉を開け111層のボス部屋の中へと入った4人

そんな希暗達の目の前に広がった景色はいつもの無機質な洞窟……ではなく明らかに人の手が加えられたとみれる祭壇のような場所でいつもの円形ではなくまだ奥へと道が続いている

床や壁は1面大理石のように光沢を持ち天井にはダンジョン特有の光る鉱石が多くあるため部屋の中もかなり明るい

そしてそんなボス部屋の様子を見てクロアが1人呟く


「やはりあの時と似た場所ですか……」

そう言ったクロアの呟きを聞いた希暗がクロアにいったいどういうことなのか?を尋ねようとした時、前方から今までにないくらいの大きな反応を持つ存在が現れる

その女神達を彷彿とさせるような威圧感のある存在は部屋の奥の方にあるためまだ姿は見えないが余りにも反応が大きいため希暗はこれからどうするべきなのか考えるがいい案が浮かばない

1つこの部屋から出るにしても既に入ってきた扉は閉まっており出ることは出来ない

2つ今までの敵と比べてこれから戦うであろうこの部屋の主の実力が高過ぎて勝てる見込みが最初からほとんどないこと

3つ既にその反応の大きさと姿すら見えていないにも関わらず感じる威圧感で桜前と白月の2人が尻込みしてしまっていること


これらを考慮するともう希暗とクロアの2人でこの部屋のボスと戦うしかないという結論に至る

本来サポートをするだけのはずのクロアには申し訳ないがこの部屋の主相手となると希暗だけではなくクロアにも全力で戦って貰わないとまず勝つことが出来ない


(こんなところで負けてたら女神様達から言われたアシュロン(?)の試練を受けることも出来ない。何としてもこの111層のボスを倒してのり超えなくちゃ……。その為には全員で挑みたいけど多分玲奈と白月さんはキツそうだな。申し訳ないけどクロアさんにも頑張ってもらうしかないか)

そう考え希暗はクロアへと話しかける


「クロアさん、正直な話この部屋にいるボスに僕は全力を出しても今の状態だと勝ちきれるか分かりません。なので力を貸してもらってもいいですか?」

そういう希暗に対してクロアは


「いえ、今回の相手との闘いには私は助力できません」

とただ一言告げる

それを聞いた希暗は予想外の答えに言葉詰まるが、今まで固まっていた桜前がクロアに尋ねる


「クロアさんが手伝えないのは僕達3人で受ける最後の試練ですよね?それまでのボス攻略までなら問題ないんじゃないの?」

そんな桜前の問いにもクロアは静かにただ一言告げる


「その理由はこの部屋にいる反応の主に合えば分かります」

そう言うと視線で部屋の奥へと行くように希暗達に伝える

クロアにそう言われてしまったらもうクロアの言葉に従う以外に方法のない3人はとりあえず反応のおる部屋の奥へと向かって歩みを進めはじめる

そうして徐々に増す威圧感に耐えながらも奥へ奥へと進んでいくとついに反応の主を視認することが出来た



反応の主は祭壇の上にある椅子に座り目を瞑っていたが4人が眼前に辿り着くと目を開き話しかける


「どうやら無事にここまで辿り着いたようだな。まさか我達の用意した試練がここまで早く突破されるとは思いもしなかったがそこの黒の竜王がいればそう苦でもなかったか。本来ならば貴様ら人間3人のみで挑ませたかったが……まぁいい。今代の人間種の英雄候補よ、貴様の実力は今ここで我が試してみるとしよう」

そう言うと椅子から立ち上がり階段をおり希暗達の方へと近づいてくる

その姿は女神達と似て神々しくもあり普通の冒険者なら目にするだけで体が動かなくなり本能的に意識をシャットダウンするだろう

熟練の冒険者達ですら恐らく闘おうという意志を保てるやつはそうそういない

それぐらいに今希暗達の目の前にいる存在、つまりアシュロンは幻想的なのだ

更にアシュロンからの威圧感はどんどん増していく

そしてそんなアシュロンの威圧感に耐えられなくなったのか桜前と白月は気を失って倒れる

幸か不幸かそれによって希暗はハッとすると


「いったいどうゆうこと?お前は111層のボスじゃないのか?」

とアシュロンに尋ねる

アシュロンは希暗の言葉を聞いて一瞬だけ歩みを止めて驚いた様子を見せたあと急に笑い出すと


「我がたかだかダンジョンのボス如きと同じ存在だと?笑わせてくれる!」

と言い更に威圧感を増加させる

だが希暗からすれば本当に今の状況がどういったものなのか分かっていない


アシュロンの言葉だけを聞くとまるで今までのダンジョンの101〜110層は希暗達のためだけに改造されたように聞こえ、現在目の前にいる存在が最後の試練であると言わんばりである

それで概ねあっているのだけど精神的疲れからか理解が追いついていない希暗

それを察したクロアは希暗へと事実を伝えてあげる


「あれはダンジョン111層のボスではありません。貴方達3種族の英雄候補に試練を与える存在で、貴方も知ってると思いますがあれがアシュロンです」

そう言うクロアはアシュロンに対して敵意の篭った視線を向け殺気を溢れだしている

クロアからすればアシュロンは呂阿を除くと唯一勝てなかった存在

プライドの高い龍族としては負けっぱなしではいられないのだ

だが今回は手出しすることを禁止されている

なので大人しく見えているしかないこの状況にクロアは少しイライラしていた


そんなクロアの心情などアシュロンと希暗は分かるはずもなくアシュロンは希暗へと言葉をかける


「そこの黒の竜王の言う通り我がアシュロンである。お主も知っていると思うが我こそが女神達に作られるし英雄候補に試練を与えその実力が英雄足りうるかを見極める存在。我にしかとお主の出せる力の全てを見せてみよ!」

そう言われやっと理解が追いつく希暗

そして目の前の存在、アシュロンとの闘いで試練のすべてが終わりであることを考え全力を尽くしても問題ないことが分かったために全力を出し切ることを決めた希暗はクロアに


「クロアさんはそこの2人を守ってあげてください。今から僕は全力でアシュロンに挑みますのでその2人に気を使うことは出来ませんので」

と頼むと髪色と瞳の色を真紅に変え両手に炎の刀に近い剣を作り出しアシュロンへと向かっていく

アシュロンもそれに相対するべく何も無い空間からひと振りの大剣を取り出すと構える


そしてクロアが桜前と白月を安全なところに移し終えた瞬間

アシュロンと希暗は戦闘を開始した








……To be continued

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