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最終章・希暗達の試練⑨[改]

《side 希暗達》



少し時間は遡り現在の希暗達3人の疲労の主な原因となった107層にある扉の前

106層までの攻略が思いのほか上手く順調に進んでいき、希暗の体力と魔力の消耗が少し他の3人より多いくらいで特に問題もない

制限時間までにはまだ余裕が少しあることもありキャラ崩壊しかけていた希暗も少し元に戻りつつある

希暗達3人はこの調子ならばなんとか最下層までの攻略はすることが出来るであろうとかいった甘いことを考えていた

だが今現在攻略している階層は希暗が英雄たるかどうかの判断のための試練を与えるためにアシュロンや女神達がわざわざ作り直したもの

そんな簡単にいくわけがない

この時にこの先の層が更に鬼畜仕様になっていることを推測出来ていなかった時点でもう既に3人の疲労具合はかなりのものだったかもしれないが


そうして107層に足を踏み入れた4人

そんな4人を出迎えたのは部屋を埋め尽くさんといわんばかりの数の屍人グールやスカルボーン等の魔獣ランクとしてはE~Cまでの様々なアンデット系の魔獣達とその中でも一際大きな反応を持つランクAはありそうなグロウスソルジャーが4体

更にそれらを従えているかのように4人と反対の位置の部屋の隅に死霊王リッチーが静かに佇んでいた

誰がどう見ても逃げたくなるような魔獣の数

というよりも死霊王リッチーだけでも普通の冒険者ならまず間違いなく逃げる

死霊王リッチーはそれほどの強さを誇る魔獣であり、それは邪神の従魔である深淵死霊王ダークネスリッチーを見てもだいたい分かるだろう

物理攻撃が効きにくく魔法攻撃に対しても光の属性いがいに耐性がある

更に通常の死霊王リッチーの個体であれば言葉は発せないものの多種多様な魔法を使ってくるので厄介極まりない

加えて4体もいるグロウスソルジャーの方もなかなかに厄介な魔獣である

特徴としてはその強固な体と手に持つ盾と剣といった武器を意志を持った上で使用してくるということ、更に体の各部位をある程度破壊しないと再生してしまうといった感じだ

つまり物理で粉砕するか魔法で破壊するといった方法でしか対処出来ないのだ


つまり結論としては4人の目の前にいる魔獣のどれもこれもがとんでもなくめんどくさい

そして更に驚くことにこの107層に出てくるであろうボスは70層のボスの上位互換のはず

何一つカスリすらしていない

まぁこれに関しては単純に作し……じゃなくて女神達とアシュロンが間違えたということにしておこう

そんな驚くべき事ばかりの中でもまだアンデット系のなかでもゴースト系やデーモン系がいないのが救いだろう

もしいたならば現在4人の中で確実に対処することが出来るのは光魔法が使える白月と希暗の精霊王モードによる攻撃しかない

クロアでさえも未だにゴースト系やデーモン系などの魔力残滓すら残さず消さないといけない類の魔獣は簡単には対処できないのだ

といっても負けることはないので持久戦をしてもいずれはクロアが勝つのだけども

だが今回ボス格の魔獣達の取り巻きとしているのはゾンビ系と骨系

燃やし尽くせばなんとかなる


部屋に入った時はあまりにも多い魔獣の数といきなりボス格が5体にも増えたことによって希暗の思考も一瞬止まりかけるがなんとか他の3人に指示を出す

ちなみにこの時に希暗が選択したのはクロアにグロウスソルジャー達を全て任せて自分が1人で死霊王リッチーを抑えるといったもの

桜前と白月はいつものように取り巻きの対処から行っていってもらう

だが今回の希暗のクロアに対する要望は今までの層の時とは少し違う

それは今回クロアには死霊王リッチー以外に関しては全力を出してもいいと頼んだところ

つまりボス格の4体を倒すだけではなく桜前と白月の手伝いもして欲しいということだ

何故こんなお願いをしたのかというとよくよく考えてみれば今回無理をする必要があるのは自分だけであることにさっき希暗が気づいたからだ

つまり桜前と白月は無理をすることなく順調にゆっくりと強くなればいい

なのでもう希暗が無茶する以外は全部クロアに任せてもいいんじゃないでしょうか的なことを希暗は考えてしまったわけだ

希暗の負担に関してはどうせなら全部1人でやれよって呂阿とかに言われそうだけど流石にそれやると死にかねないのであくまでギリギリを攻める感じだ


結局そんな感じでこの層の攻略は行われた

希暗は取り巻きを巻き込みつつ死霊王リッチーとのタイマンを

クロアは4体のグロウスソルジャーを倒したあとに残っている雑魚達の掃除を

桜前と白月は無理をすることなく取り巻きの魔獣達の数を減らしていく

クロア対グロウスソルジャー達の試合はもはや解説をするまでもない

何故ならクロアは今回全力を使うことを希暗から許可されている

本来なら呂阿からの言いつけによって使えなかった全力を使えることはクロアにとっても運がいいことで、これまでに溜まった鬱憤を晴らすかのようにグロウスソルジャー達を粉砕していく

魔法の一撃で消滅させないあたり気晴らししてるようにも見えるほど一方的にグロウスソルジャー達を文字通りに削っていく

そしてそのまま4体を軽く処理し終えると残っている取り巻きの魔獣達を掃討していった

クロアのおかけで桜前と白月がだいぶ楽になったのは言うまでもないだろう


その一方で熾烈を極めたのは希暗VS死霊王リッチー

希暗は炎の大剣で、死霊王リッチーは大きな真っ黒い鎌で相対する

その上お互いの得物で近接戦闘を繰り広げるだけではなく希暗は炎の大剣から斬撃や火球を、死霊王リッチーは低威力の魔法の弾幕を張ることで周りの魔獣達を巻き込みながら戦闘を行う

その余波はもちろんの事ながら桜前・白月・クロアの3人にもつたわっていたのだけどもいち早く各々の役割を終えた3人は部屋の隅に避難することで希暗と死霊王リッチーとの闘いをただ観戦していた

クロアに関しては死霊王リッチーには手出ししないように言われていたし桜前と白月はそもそも手出し出来る闘いではない

なので3人とも静かに1人と一体の闘いを見守る


そうしてなかなかに白熱した希暗と死霊王リッチーの闘いは希暗が精霊王モードを使用したことによって無事に希暗の勝利で幕を閉じたのであった







……To be continued

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