最終章・希暗達の試練⑥[改]
投稿忘れてました(^^;)
ごめんちゃい(T^T)
《side 希暗達》
アシュロンが待つであろう最下層へと続く階段を下りた4人の目の前に現れたのは大きな扉ただ一つ
その他に進めそうな道はなく完全にこの扉を開いていかないと先に進めないのが分かる
ここで普通に考えれば今回は扉を開けるとアシュロンが待っているのかと思い普通に扉を開けて先に進もうとするだろう
だがここで希暗があることに気づく
「ねぇ………この扉ってボス部屋に入る時の扉とほとんど同じじゃないかな?呂阿の話によればアシュロンって人がいた場所は普通の扉と異なるって言っていたよね?」
希暗がそう言うと
「そう言われれば確かにボス部屋の前の扉と似てるわね」
と桜前が反応を示し、それに白月も同じような反応を返す
3人からすればボス部屋の前では毎回休憩時間をとったり作戦を考えたりするなどで長い時間ボス部屋の扉を見ていたので自然とどんな感じであったかなどが頭に入っている
クロアだけは扉のことなどただの障害物だと思い全く気にしていなかったのが、アシュロンがいた場所へと通じる扉のみ覚えており
「確かにこの扉はあのアシュロンがいた部屋に通じる扉とは異なりますね」
と伝える
それを聞い希暗はもし希暗の言う通りにこの扉がボス部屋に入る時の扉と酷似しているのならばもしかするとアシュロンがいる場所ではなく知られていなかった層がまだあるのかも?と考える
そう考えた希暗はとりあえずその考えを3人に伝える
「これはただの予想なんだけどもしかしたら呂阿ですら知らなかったような層があるのかもしれない。だから何があってもいいように警戒しておいて欲しい」
そう言われ頷き準備を整える3人
希暗はそれを確認してから
「じゃあ行くよ!」
と言い扉を開けて中へと入っていった
3人もそれに続いていく
そうして4人が扉の中に入ったあと、扉は誰も触っていないにも関わらず再び閉じた
中に入った4人は扉が勝手に閉まってしまったことに対して驚きつつも、目の前に現れた大きな反応に対して警戒心を向ける
この部屋に入る前までは希暗もクロアも気にしていなかったが全くといっていいほど魔獣達の反応が感じられていなかった
しかしそれが扉を開けて中に入ると突然目の前に大きな反応が2つと小中様々な反応が数体分感知できた
つまりこの扉には何かしらの魔法がかけられており中の反応が感知出来ないようになっていたこと
つまり本当にボス部屋と同じ仕組みの扉であったということだ
更にいえばここまで完璧に反応できないような扉をクロアだけは1度経験している
気配も感じられず感知スキルも使えない
そうアシュロンがいた部屋に繋がる扉だ
更にいえばアシュロンが前にいたダンジョンではこんな階層はなく普通にボス部屋が10層に1層あっただけであった
にも関わらず現在は2連続でボス部屋のある階層となっている
その事実に戸惑う4人
それも無理ないと思う
なんせこの100層より下の階層
全てがつい最近アシュロンと女神達によって魔改造されてしまった場所であるからだ
つまりこの101層から最下層までの間の10層分
全てがボス部屋と化している
普通の冒険者ならまず無理ゲーな内容である
これが以前からずっとあるとかだったらあの英雄の爺が1人で最下層まで辿り着けるわけないだろう
その通り魔改造される前は普通に100層が最下層であり、それまでの改装は10層に1層がボス戦だっただけなのであるから
ちなみにこれからのボス部屋に存在する魔獣は今まで10層から100層までのボス達の上位互換である魔獣達が現れるようになっている
もはや鬼畜を超えて無理なんじゃね?って具合の領域に達しそうな程きついと思われるこれからの階層
いくら希暗達といえども3人だけならば1日に1層か2層程度しか攻略できなかったであろう
だが今回はそんなボスとして用意された魔獣達を上回る強さのクロアがいる
アシュロンや女神達がそれを見越してこの難易度にしたのかは分からないけれども
そういった事情もありこれから10連戦でボス戦をしなくてはならない希暗達
目の前にこの層のボスはまるで人狼のように二足歩行の大きな狼が2体と冒険者に馴染みのあるハイウルフとワーウルフが取り巻きとして十数体いる
ちなみに二足歩行の狼の名前はリウルフ
魔獣の狼に似た種類の中では上位2位の種類だ
ついでに言うと1番上はフェンリルといわれる種族
伝説の魔獣のうちの一体で魔獣ランクはSS
ネタバレになるけどのちのち阿呆がこの世界中をふらふらしている時に偶然であい仲良くなっちゃう魔獣でもある
それはさておき推定A+ランクに届きそうな魔獣が2体にB〜Eランクの魔獣が数十体
希暗はスキルにて素早く作戦を纏めると3人に指示を出す
「僕とクロアさんであの一際大きな2体を抑える。だから玲奈と白月さんは周りの魔獣達を確実に減らしていって欲しい。周りの魔獣がいなくなったら僕かクロアさんの時間がかかりそうな方の援護をよろしく」
と桜前と白月に言い
「クロアさん、本当なら後衛からのサポートのはずだと思うんだけどあの2体いる強い魔獣の片方をお願いしてもいいかな?」
とクロアに頼む
流石に希暗1人であの2体を相手にするとなるとかなりの体力と魔力を消費する
倒せないこともないがこのあともダンジョン攻略をするとなると確実に痛手となるのでここはクロアに任せるしかないと考えた希暗
一方クロアの方は
(私から手を出すならともかく頼まれたならば全力を出しても主様の言いつけには背いていない……はず。それにあの2体を相手どるとなるとこの人間だけではかなりきついかも知れませんし手を貸しても問題ないでしょう)
と考えをまとめたために希暗の頼みに対して
「分かりました。片方は任せなさい」
と簡潔に言うとそのまま魔力で身体能力を強化してからリウルフの片方へと接近していく
ちなみにクロアが本気を出せばこの場は5分で方がつくのだけどそれはやらないらしい
クロアが攻撃を仕掛けたのを見て希暗も素早く風の大剣を作り出すと
「それじゃあ2人とも頼んだよ」
と桜前と白月に言ったあと、クロアとは違うもう片方へと素早く近づく
その際にクロアや希暗にハイウルフやワーウルフなどが何体か向かってきたけれどもクロアは蹴りで爆散、希暗は風の大剣で真っ二つにすることで難なく処理していた
そして2人ともが2体のリウルフと戦闘をはじめる
一方桜前と白月もそれぞれ役割を果たすべくリウルフの周りにいる魔獣を次々と狩っていく
この2人は桜前が前衛で速度を活かして攻撃で後衛から白月が妨害や攻撃をしつつ相手の動きを抑えるといった感じでコンビネーションはかなりいい
みるみるうちに取り巻きの数を減らしていく
その間に希暗はリウルフをほぼ一方的に切り刻んでいた
もう希暗の実力も既にこの世界の最高レベル
たかだかA+の魔獣には遅れを取らない
それに基本的に特殊攻撃のないリウルフは搦手が使えないため希暗との相性はすこぶるいいので肉弾戦となるともう一方的になるのだ
そうして30分ほど経ったあと無事にこのボス部屋での戦闘を終える4人
余談だがクロアはわずか1分でリウルフにどでかい風穴を開けることで戦闘を終わらせていて3人の様子を隅で見守っていたりしたけど必死に戦闘を繰り広げていた3人が気づくことはなかった
……To be continued




