表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

206/270

最終章・希暗達の試練⑤[改]

《side 希暗達》



4人がそれぞれ仮眠のつもりだったが疲れからか希暗達はしっかりと寝てしまい、クロアもクロアで起こすことなく自分が起きたあとは最近良くしている魔法のイメージトレーニングをしていた

この魔法のイメトレは魔法を使用するためには必要な事であり大抵の魔法使いは初めて使う魔法に対しては上手く使えるようになるまでしっかりとイメトレを繰り返すことが常識だ

何故ならこの世界の魔法はイメージを鮮明に描くことが出来れば出来るほど発動速度・威力・魔力消費量の全てにおいて良くなる

それを極めたのが無詠唱魔法というわけだ

そして現在クロアがメインでイメトレしている魔法は呂阿から教わった3つの魔法

1つはついさっきの攻略にも使用した破拳ディスブロー

2つ目は破拳ディスブローの足版のようなもので蹴りを斬撃として飛ばしたりする斬脚ラルソル

3つ目はまだ上手く使うことが出来ないがある程度の短い距離をほぼ一瞬で移動する縮間ケムである

元ネタなんかはもうだいたい分かると思うけれども全部呂阿が遊びで思いついた魔法であり、その中でもクロアの戦闘スタイルにあったものばかりである

それでもこれらは呂阿が新しく生み出した魔法なのでイメージが上手く出来ていても少しばかり使いこなすのは難しい

だがクロアは呂阿から教わったということもあり短期間で上の2つを戦闘に使えるレベルで習得

そして最後の1つもあと少しすれば完成といった具合だ


そうしてクロアがイメトレを続けていると希暗がまず最初に起きる

希暗は起き上がるとまだ桜前と白月が寝ているのを確認し、起きているクロアに話しかける


「おはようございます、クロアさん。僕達がこの部屋に入ってから今までにどれくらい経ったか分かりますか?」

そう希暗は聞くけど普通ダンジョン内部で経過した時間を知ることなんて出来ない

だってこの世界にはまともな時計がないから

それに睡眠をとってしまうとそれこそ披露具合によって毎度毎度時間が変わるのでいくら熟練の冒険者でも睡眠時間の固定は無理

なのでだいたいダンジョン内部ではパーティを半分にわけて休憩を交互にとる

それによって安全を確保すると共に時間もある程度把握することができたりするのだ

だから今回は4人とも結界のおかげで同時にぐっすり寝たので経過時間を把握するのは難しいなぁと思っていた希暗だがクロアは希暗の問いを聞くと持っていた魔法の袋改からあるものを取り出す

それは元の世界で希暗達が見慣れたもの

時計のように正確な時間を分かることは出来ないけれどもどれぐらい時間が経ったのかなら大まかに把握することが出来るもの

そう、つまり砂時計のようなをクロアは持っていた

だがその大きさは希暗が見慣れたものよりも遥かに大きく何か形も歪だ

砂時計のようなものの大きさは元の世界にあるランドセルぐらいであるが砂が上から下に落ちているのは落ちているのだけども上の容器がひとつなのに対して砂が落ちている容器は4つある

しかもその下に更に小さな容器が12個ついている

不思議に思った希暗はクロアに尋ねる


「それは一体なんなんなの?僕達が知っているものとは少し形が違うけど多分呂阿が作ったものだよね?」

希暗がそう言うとクロアが説明をしてくれる


「これは主様曰く・砂時計・というものらしいです。これを使うと最大12時間まで時間をだいたい測ることができると言っていました。今回のようにダンジョン内部や地下で活動している時などはこれを使って時間をある程度把握すると便利だよと言われましたので今回はじめて使ってみましたね」

クロアはそう言い続けて詳しく説明する

この1番上から2番目の4つに分かれる容器への砂の移動は1つの容器が満タンになると約3時間ということらしくどうなっているのかは分からないけど1つが満タンになるまで別の容器には落ちないらしい

そしてさらにその下にある12個の容器では1つにつき1時間ということが分かるということだ

つまり経過時間が細かく知りたいなら12個の方の容器を、大まかに知りたいなら4個の方の容器を使えばいいということだろう

どうやって作ったのかや仕組みなんかはまるで分からないけれどもこれを作ったのが呂阿だということだけで希暗は特にツッコミを入れることなく納得する

それに説明中のクロアは希暗の驚く顔をみることで呂阿の凄さを実感することでさっきのボス戦でのやらかしたことは頭の片隅に追いやったらしく機嫌が少し良くなっていた


ちなみにこの部屋に入ってから経過していた時間はおよそ4つの容器のうちの2つ分を埋める程度

つまり約6時間

なのでこのダンジョンに来てからまだ半日程しか経っていないので呂阿から伝えられた期限である2日というのは余裕で達成できそうだ

これも希暗達だけなら91から100層までで2日ぐらい経ちそうであったところをクロアの理不尽な攻略方法によって大幅に短縮出来たのが大きい

それを含めても希暗達の成長は著しく、もうこの世界の冒険者達のパーティの中でも最上位に位置するぐらいには強くなっていたりする

個人的な能力としては希暗は最上位というかほぼトップ、桜前と白月は上位クラスといったあたりか

クロアは言うまでもなく3種族の中でクロアとタイマンをしてやり会えるのは現状セリアだけである

ちなみに呂阿という人外の化け物の攻略方法はもはや攻略とは呼べないのでこの際比較する対象からは外しておくのがベストである

まぁもう呂阿は人ではなく神の領域にいるので希暗達と比べること自体がおかしいのだけども


その後希暗は経過時間がまだまだであることにホッとしてからまだ余裕があるので桜前と白月が起きるのを待つことにして自分は寝る前と同じく訓練をする

クロアも希暗達から出発することを伝えられるまではイメトレを続けるらしく目を瞑り壁にもたれ掛かっている

そうして2人が各々の実力を高めるための訓練をすること約2時間

やっと起きてきた桜前と白月を含めて軽く食事をとり装備を整えた4人は今いる小部屋を出てから100層から最下層へと続く階段へと歩みを進める


そうして希暗達はアシュロンと邂逅を果たす………はずであった







……To be continued

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ