最終章・適当に説得(in 獣人の国)
呪200話✧*。(ˊᗜˋ*)✧*。
そろそろ終わりが見えてきました
多分夏までには終わる予定です(´ー`)
(余計な話を盛り込んだりしない限り)
俺達が転移した先は以前俺が野宿をしたことのある白狼族の集落の近くの上空
なぜ上空なのかは言わずもがなである
とりあえずいきなり空中に転移すると飛行の発動まで多少ラグのあるセリアは俺が片腕で支えるようにしている
セリアもセリアでしっかりと俺にしがみつき普段のクールな表情からは想像出来ないくらい嬉しそうな様子を見せていたのでとくに話しかける必要も無いかと思い俺は集落の中にある反応を全員分感知出来るように感知スキルの範囲を広げる
勿論目的はセリアの家族を探すことだ
するとうろ覚えではあるがだいたいセリアやネモの家があったような気がする場所にセリアの家族の反応が3つともあったのでそのまま飛んでその場所へと向かう
セリアももう自力で飛べるはずなのだが依然として飛ぶ様子がないので俺が背負う格好に体勢を移してもらう
なんせ横から抱きつかれてると飛びづらいし女性に対しての免疫が無い俺にとっては少々刺激が強過ぎる
ちなみに現在の俺とセリアは出来る限り気配を消しているので目視されない限り白狼族に見つかる心配はない
いつもの魔法を使って透明になってもいいのだけど、こんな朝早くから上空なんて見上げてる奴なんていないだろうから別にいいや
そう思いながらも飛び続けガロ達の反応がある家の前へと着地する
着地した時にセリアも降ろしたら凄く残念そうな表情をしていたので軽い気持ちで
「背負って飛ぶぐらいでよければまた何時でもやってあげるよ。とういよりセリアには魔力に関して無理させているから出来るだけ移動は俺が一緒にいた方がいいしね」
と言うとセリアは
「はい!」
と背景に花が咲いているのが見えそうなくらいの笑顔を浮かべそう言った
これを含めてセリア・クロア・リーニャとの3つの約束により俺の精神と体力がガリガリ削られるフラグが完成してしまったのだけどもこの時の俺はまだ知る由もない
そんなやり取りをしたあとセリアを促してガロ達のいる家、セリアからしたら実家の扉をノックしてもらう
俺が今回用事があるのはガロだけ
ミリアとアリアは俺とガロが用事を済ませている間に久しぶりのセリアとの過ごす時間を楽しんでもらう予定である
ガロはゼラスのような親バカではないと思いたいので多分この案でいけるだろう
俺がそう考えていると扉が開き中からガロが出てくる
ガロは俺とセリアを見るなり少し眉を動かす程度の驚きしか表さなかったが少し間を置くと
「どうしてお前達がここにいる。やるべき事があるといって魔人の国に行ったのでは無かったのか?」
と聞いてきたので俺がその問いに答える
「それはもう終わったよ。今日はあんた、というよりこの国に用事があったから来たんだ」
俺が魔人の国での用事を終わらせたということを聞いてまた若干ガロは驚いたが特に何のリアクションもない
ここで魔人の国だけでなくて帝国の方も終わらせたって言ったらこのガロも面白いリアクションを取ってくれるのだろうか
そう思っていると扉の置くからミリアがアリアを連れて出てくる
するとアリアはセリアを見つけるなり
「お姉ちゃん!」
と言って抱きついておりセリアはそれを優しく受け止めて抱き上げてあげている
そんな2人を微笑ましく見つめるミリアと若干嬉しそうに見ているガロ
(やっぱり家族はいいよなぁ………。やっぱりみんなは元の世界に戻らせないといけないな。みんな家族がいるだろうし。でも…俺は……)
セリア達一家の様子をみて羨ましく感じつつも気を落としてしまう俺
なんせ俺にはもう家族がいないから
それに元の世界に帰れる可能性がかなり低いから
女神達との会話の時な触れなかったが俺達が元の世界に戻るためには膨大な魔力が必要で本来ならば女神達の協力無しでは返還の魔法陣は発動できない
だが今回その役目を俺は果たすことが出来る
ただし俺自身は魔法陣を発動しなくてはならない
なので俺は元の世界に帰れない
要するにみんなが帰るためには俺は残る必要があり、俺含めて全員帰るためには女神達の力か全快するのを待つ必要がある
前者なら期限に間に合うが後者は確実に間に合わないってわけだ
勿論俺も何度も実験してみたが未だに元の世界に帰る方法は見つかっていない
まぁこれに関してはまた邪神達を倒してから女神達にきけばいいか
今はこんなことよりも目的を達成させよう
そう決めた俺はガロに話を振る
「それじゃあ、おっさん。唐突だけど俺と一緒に王城まで行って王に会いに行こか」
俺がそう言うとガロはすぐさま問い返してくる
「何の目的でだ?それに行くのは俺とお前だけでか?」
「目的に関しては向こうについて王とかの前で説明するよ、わざわざここでも話すの面倒臭いし。行くのは俺とおっさんの2人、他の3人はここでお留守番」
俺がそう言うとセリアが何かを言いそうになっていたので先手を打って俺がセリアに
「セリアは久々に家族と話でもしてたらいいさ。どうせこっちの話し合いはすぐ終わるし。それにセリアがこっち来るってなるとそこの妹ちゃんもついて来るって言いかねないぞ?」
と言っておく
実際にアリアはセリアに力強く抱きついており離れたくないという意思が伝わってきていたのでセリアを説得するための理由として使わしてもらった
そんな俺の言葉を聞いてセリアはアリアを見てから言葉に詰まる
アリアもセリアと一緒にいたいのか全力で抱きつくと共に上目遣いかつ涙目でセリアを見ている
そうしているとセリアが折れたのか
「分かりました……では私はここに残りますね」
と言うとアリアはとても嬉しそうだった
勿論マリアもである
だがガロは少し不機嫌な様子
( ゜д゜)ハッ!……まさかガロもゼラスと同類……
そんな可能性が頭に浮かんだがこの際気にしないことにして早速俺はガロを連れて王都に行くことにする
「それじゃあさっさと王都にいって獣王に話をつけて戻ってくるわ。ほれ行くぞおっさん」
俺はそういうや否やガロが何か言おうとしていたのをまるまる無視してそのまま転移を発動する
そして転移する少し前に思った
(そう言えばガロに転移出来るなんて言った覚えないや(*ノω・*)テヘ。それに多分飛行なんて使えないよな。・・・まぁいっか、おっさんを担ぐのは趣味じゃないけどしゃーないね)
その僅か2時間後
セリアの家の居間には和気あいあいと会話をしているセリア一家と俺の姿があった
え?話し合いだって?
そんなん適当にやりましたさ
だって城に乗り込むとすぐに敵に囲まれるし前回俺にフルボッコにされたのを覚えてないのか偉そうなこと言ってくるしでウザイのなんの
だから殺る気を垂れ流してO・HA・NA・SHIしてきましたわ
もうYES以外なんも言わせないくらいに威圧しながら説明したから、会議への参加を適当に押し付けることに無事成功
ちなみに来るのは獣王とガロと名も知らぬ大臣1人
ガロに関してはこちらか指名したし、その時に不満を漏らしてたアホがいたから軽くしめてやった
そしたら余計にYESというか頷くしかしなくなったのでかなり楽になりましたとさ
てわけで無事スリイア以外の会議への参加は決定
(さてこれからどうしようかな。まだやること色々あるけど一個一個確実にやり遂げていきますかね)
そう思いつつ俺はセリア一家との会話をのんびりと楽しむのであった
……To be continued