最終章・やれやれだぜ┐(´д`)┌
しばしの沈黙の後再びシシリアは話をはじめる
「ここまでが貴方が何故その力を持ってこの世界に存在しているかということへの説明ですね。貴方は何の因果か消えるはずだったのにも関わらず私達の力の一部によって魂を壊されることなく逆に融合させることで私達と同じ領域の存在となりました。恐らくもう少しすれば完全に私達と並ぶ存在、つまり人々のいう神というものになるでしょう」
そう言うとシシリアは話を終えた
これでとりあえず俺が何故こんな能力を持っているのかが分かったわけだ
だが俺からすれば逆に聞きたいことが出来たのでそれをシシリアに質問してみる
「俺が偶然にもあんた達全員のの力の一部を持っていることは分かったけどさもしかしてそれのせいで俺の性格や行動に影響が出たりしていないよな?」
俺がそう言うとシシリアは少し反応をしめす
そうこれについてはずっと不思議に思っていたのだ
なんでそう思ったかと言えば今までの俺の行動を振り返ってみれば分かる
偶然ダンジョンの最下層でヨデルの爺さんに会って話を聞くことで邪神関連について話を聞いて何となくそれを阻止するかと考えるまではいい
だけど俺はその後すぐに獣人の国に行くために行動を起こしたし、その後もずっと寄り道もなくふらふら出歩くこともなくほぼ最短で邪神関連に対する行動ばかりしてきていた
勿論結果論から言えばそのおかけでだいぶいい結果に近づいたと思うしセリアやリーニャ達と出会えたのは喜ぶべきことだ
だが本来の俺の性格ならこの行動はちょっとおかしいのだ
それはこの前希暗に
「呂阿はこの世界にきて凄く活動的になったよね。元の世界にいた頃から考えると想像出来ないや」
と言われた時にふと考えてみた
元の世界における俺の性格や普段の生活としてはまず基本的にめんどくさがり屋であるため娯楽や興味のあること以外には殆ど力を入れずに最低限で済ませるような人間だった
それに余り他人と関わることが無かったせいか人見知りで初見の人や大勢の前で饒舌に話すのなんか無理だったし、そもそも基本的にはお家にいる生活を送っていたのだ
それがこの世界に来ては真逆のものへと変わっている
最初から当時知り合いではなかったフロリアやリアと気軽に話すことで友達になったりセリアやリーニャ、それにクロアなんかも最初からフレンドリーに話をすることが出来ていた
更に今まで行った獣人の国や魔人の国、そして帝国においても普通に誰とでも話をしたし大勢の前でも噛むことなく自分の意見を言って話し合いを行うことが出来た
やっぱりよく考えると人が変わったようになってる
それは戦闘に関してもそうだ
俺は好戦的か非好戦的かと言われると非好戦的な部分に入る………と思う
元の世界でも喧嘩は結構な数したけど全部絡まれている人を助けたり前に喧嘩して俺にボコられた奴らが報復に来たりといった感じでどうしようもない喧嘩だけだ
学校の日以外で家を出て街なんかにいくとかなりの高確率でトラブルに巻き込まれていたのはそういう体質だから仕方ないのだけども
まぁそんな感じでいくら鍛えていたといってもそれをふるいたいとか思うことは無かったわけだ
だがこの世界に来てからは圧倒的な火力で押し切ってはいるものの俺は多分戦闘を楽しんでいる
ちなみにこれもセリアに
「戦闘中のロア様はどこか嬉しそうです」
と以前言われたことで気づいた
それから考えてみると俺は深淵死霊王の時と六首邪覇龍の時の戦いでは少し物足りないと感じていたが不滅真相との戦いにおいてはスッキリとした気持ちになっていたのだ
それがはっきり分かるくらいに今の俺は戦闘、というよりも自分の力をふるえることを楽しんでいる
実験と称した魔法の乱用によって作り上げた異空間のいくつかが駄目になったのもそれ関連だろう
最後にダメ押しするならば前の俺ならば魔道具を作り続ける作業なんて絶対にやらない(´・ω・`)
これまでのことを力を手にしたことによる高揚感から来るものだと考えても俺のめんどくさがり度合いを考慮するとちょっと足りない
それに力があるくらいじゃ俺は動かないぜ(-д☆)
そんなことを色々と考えているとシシリアが再び口を開く
「……遇異物、貴方の言うとおり現在の貴方の性格や思考には私達の力を吸収したせいで少なからず影響が出ていると思います」
そう言い、更に続けて
「まず大まかに説明しますと私達4柱の願いが貴方の性格や思考に反映されているということです。つまり私達3柱の女神の願いはアナザーの復活の阻止、そしてアナザーの願いは自身の復活と3種族の殲滅と戦闘衝動です。これは確実には言えませんが恐らく貴方は私の願いから大きな影響を、アナザーから願いの一部の影響を受けています。私の願いの影響がアナザーの願いの影響よりも大きいのは貴方の今までの行動を見ていれば分かりますからね。本当に良かったです、もしアナザーの方の願いが優先されていたらと思うと……正直この世界はアナザーのものになっていたかもですね」
と言った
納得のいく説明である
とりあえず確認も含めて気になる所をシシリアに質問していく
「女神3柱とアナザー1柱の力比べなら普通はあんた達女神の方が勝つんじゃないのか?」
「そうですね、本来ならば私達4柱の持つ力は並んでいます。ですが今回はアナザーの方が先手を取っていましたので貴方に譲渡する力をこめる時間が異なったのですよ。なのでアナザーがどれくらい先にはじめていたかが決め手でした」
「なるほどな。それでこれは確認なんだけどさ、俺が今まで邪神の復活阻止に向けてめっちゃ積極的だったのはあんた達女神の願いの影響ってこと?」
「そうですね。それに関してはアナザーとの戦いが終われば影響は無くなると思います」
「じゃあ次に俺が戦闘を楽しむようになったのはアナザーの願いの一部の影響のせい?」
「そうです」
「俺が自分の能力を使いたがるのも?」
「はい、それもそうです」
「なら俺がネタな魔道具や魔法を作ったり、適当な作戦をたてたりするのも全部アナザーのせいなんだな」
「いえ、それは貴方の元々の性質です」
「やっぱり(´·ω·`)」
そんな感じでとりあえず聞きたかったことをシシリアに質問していきそれにシシリアが答えていく
他のみんなは蚊帳の外の状態だけど今回は仕方ないだろう
だって俺メインの話だし
それに俺とシシリアの話を興味深そうに聞いているから暇ってわけでもないだろう
リーニャはリーニャで幽体にも関わらずに寝ているし
そうして俺が聞きたいことを終えるとシシリアが
「それでは最後の目的に入りましょうか。その前にまずあの2柱をここに呼びますね」
そう言い何かの合図であろう指パッチンをするシシリア
するとシシリアの横に黒のローブを着てトンガリ防止を被った魔法使いの見本みたいな格好をした女性と、以前セリアに使ってもらったような全身銀色に輝く甲冑を身に纏った女性がシシリアの左右横に現れた
……To be continued




