最終章・女神降臨⊂(`・ω・´)⊃
幽体離脱をしたことに驚きを隠せずに狼狽える6人とあまり驚きを見せずに静かな2人
そして
「おぉー、これがリアル幽体離脱」
と感動し
「これも凄いの!リーニャの体がないみたい!」
と喜んでいるのが2人だ
そんな10人が落ち着くまで待つことにした俺はとりあえずこのあとに行う事の準備をはじめる
ちなみにこの幽体離脱をさせる魔法
どうにかして元の世界に戻れないかなぁなんて考えて色々試していた時に生み出したものだ
効果としては肉体と精神体を分離させることができるもので本当に幽体として肉体ではできないことが色々できるようになる
例えば身体が透けているので壁をすり抜けたり攻撃の類を一切受けなくなったりするところだ
これに関してはもはや無敵
敵の陣地に入ってウロウロして作戦や陣形なんかを観察しても余裕のよっちゃんってわけ
だって見つかっても相手にはどうにも出来ないし
だが欠点としては幽体だけど誰からも見えるしこっちから攻撃することも一切できないという点、更にこの魔法の使用中に肉体がダメージを受けたりすると解除されてしまうし万が一肉体が消滅させられるとそのままお陀仏してしまうのだ
なんせ反撃もできない上に幽体から肉体に戻る時に少しラグが発生するからな
まぁ今回は俺が肉体の守護ができるので使っても特に問題は無いのだけど
既に10人の肉体は厳重に結界の張り巡らされている異空間へと収納してある
それにすら気付かないレベルで6人は狼狽えているのだけども……
そこで主題に戻ろう
何故今回この魔法を使う必要があるのかというと女神達と会うためにとる手段のせいにある
その手段とは直接女神達がいる場所へと行くという方法だ
さっきフリーナと女神との通信を観察し解析することが出来たことで………なんと俺は女神のいるところが把握出来たのだ
といってもこの世界にいるわけではなく別の空間、この場所と少しズレた空間にいる
わかりやすく言うなら俺がよく使っている空間収納のような異空間にいるということだ
なので俺なら問題なく女神のいる場所にいけるのだ
だけどここで問題なのはその場所にいけるのが俺一人であるという点だ
何故なら俺の異空間なら問題なく誰でも入ったり出たりすることができるのだがそれは俺がその空間をこの世界の生物が住めるように調節しているからだ
なのでもし女神達のいる場所が生物に合う調整がされていない場合、そこに希暗達が入ってしまうと瞬間的に分解され塵になったりしかねない
俺の結界なんかで守れる可能性もあるけど100%保証できるわけじゃないのでその方法は使えない
もちろん俺単体ならどんな場所でも即死はしないのでなんかあれば即撤退できるのだけど
そこで幽体離脱という方法だ
この方法ならまず幽体が解除させることがないことと幽体がもし消されても単純に肉体に戻るだけというのが人体実験によって検証できている
それに女神達のいる場所への移動するのも断然楽になるし幽体なら俺の魔力で包むだけで周りから視認不可にすることができる
あとついでに少しばかりだけど周囲からの影響を抑えることが出来る
まぁ女神達のいる場所に強制魔法解除のような仕組みがない限りは恐らくこの方法で何とかなるだろう
無理なら俺一人で話をしてくるしかないけど
そんな事を考えながら準備を終えると、やっと6人は落ち着いたようで今度は自分や他の人の様子をマジマジと観察している
自分の身体が透けているのを自分で認識するなんてことそうそうないから珍しいのも分かる
元にリーニャと瑠奈は勝手に床や天井や壁に手を入れてすり抜けることを確認して遊んでいるしセリアとクロアも幽体の性能を確かめるかのように動いたりしている
ちなみに幽体はデフォで床から少し浮いていて移動の際には基本空中を飛ぶ感覚で移動する
なので飛んだことのあるセリア達3人は思うように体を動かせているようだけど、逆に飛んだことのない7人は少々動きづらそうであった
今思い出したけどこの魔法は今度ノーラとローゼにも使ってあげよう
なんか飛んでみたいとかいっていたし
墜落の心配も事故に遭う心配もないから丁度いい
(さて、とりあえず準備完了だな。あとは向こうの環境が吉とでるか凶とでるか……。でも女神が俺が何とかしてくれるっていってるってことは何とかなるんだよね………大丈夫だよね。女神のいる場所に移動したら即死なんてないよね!?)
そんな事を思い内心少しビビりながらも幽体になっている10人に話しかける
「それじゃあ幽体離脱がどんなもんが分かったと思うしそろそろ女神に話を聞きに行こうか」
俺がそう言うと希暗が
「まさか本当に幽体離脱を体験するなんて………って、そうじゃなくてどうやって女神に話を聞きに行くの?この状態になったのも理由があるんだよね?」
と聞いてくる
そんな希暗に
「え〜、知りたい?説明面倒くさいんだけど」
と言うと
「知りたいよ。教えて欲しいな」
と希暗がいい、それに続いて
「私も知りたいです」
「私もです。説明お願いします、呂阿様」
「私も聞きたいわ」
「呂阿様さえよければ私にもお聞かせ願いたいです」
とフロリア・リア・桜前・フリーナが説明を求めてきた
白月は何故かそう言ってこずセリアとクロアは基本的に俺がやることに対しての説明は求めない
それにそもそも遊んでいる2人に関しては俺の話を聞いてすらいない
だがここにいる半数が説明を求めているようなので面倒臭いが軽く説明してあげる
「とりあえずこれから女神がいる場所に直接逢いにいくんだよ。んでその場所だと今のような幽体の状態じゃないと普通の人間や生物なんかは死にかねないからこの魔法を使ったっていうわけ」
俺がそう言うと希暗が再び質問しててくる
「なら何で呂阿はそのままなの?そのままの状態だと危ないんでしょ?」
そんな希暗の問いに俺が
「その状態だと魔法を使えないんだよ。だから俺は移動やその他諸々に魔法使わないといけないからこのままってわけ。それに俺だからなんとかなるさ」
と答えると全員納得したように
「「「「「「なるほど」」」」」」
と呟いた
泣くぞこら(゜Д゜)
まるで俺が人間じゃないみたいじゃないか
そんな事を思いつつも俺は
「それじゃあ移動するぞ」
と言い遊んでいる2人を含めて全員を自身の魔力で包み込む
そして準備の完了とともに女神達がいるであろう場所へと転移した
転移を終えた俺達の目に入ってきたのは一面真っ白な世界とそこに佇む1人の女性
いや明らかに人間達とは次元の違う存在
そんな存在に俺以外が気圧されているとその存在は口を開く
「ようこそ、私達女神がいる本来なら来ることの出来ないこの場所へ。お待ちしてましたわ此度の英雄の皆さんとその仲間達よ。そしてやっと会えましたね……遇異物」
……To be continued




