最終章・巫女に会いにLet's Go!!!!
一瞬のうちに希暗の待つ部屋へと3人を連れて移動すると3人に前回と同じような場所、つまり部屋の角の床へと座るように言ったあと敷くための布を渡す
本来なら椅子やベットに座って貰いたいけど前回同様この人数でこの部屋に集まるのはいささか無理があるので仕方ない
どうせすぐに移動するのだし
それに布っていってもベッドマットみたいなもんだし
俺の指示に素直に従い布をしいてから3人が座ると俺は少し場所をずらして話すときに全員に聞かせやすい場所を選び3人同様に布を敷いて座る
別にずっと浮き続けてもいいのだけれど俺がやると真似しかねないのがいるので自重だ
以外と飛行の維持は移動せずに浮いているだけの方が大変なので魔力が回復しきってない3人には負担が大きいのだ
そんな俺達をなにも言えずに見ているだけだった希暗は自身のベッドに腰をかけている
寝起きで頭があまり働いていないのだろう
そんなポケーっとしている希暗を放置して他のメンバーを待つこと数分
まずは桜前・白月・瑠奈の3人が来たので部屋主ではないが俺が扉を開けて出迎える
ちなみに今日も昨日同様にこの部屋に結界を貼ってあり内からの声は外に聞こえることはないので何を話しても問題ない
それに今回はなるべく気配を遮断する効果まで付けているので中に誰がいるかなんてことはこの国の奴らだと把握出来ないだろう
3人は俺が扉をノックするより先に開けたことに少し驚きつつも(1名は驚いていない)部屋に入ってきて桜前と白月は椅子に、そして何故か瑠奈は俺が座る場所へと座る
それを見て殺気を出しはじめるのが2名
もちろんその場所に俺が座っていたのを知っているセリアとクロアだ
だがそんなことお構い無しに我が物顔で普通に座っている瑠奈
あの2人の殺気をスルーするなんて相当な胆力を持っていないと出来ない
こいつのマイペース具合はもう何度か手を焼かされたものだ
周りの空気をよんでないのか、はたまた分かっていて悪ふざけをしているのかがほんとよく分からない
前回も部屋に来るなりいきなり俺に抱きついてくるなんてことをしていたがあれは確実にわざとだ
瑠奈は状況判断力と情報処理能力が高いからあれぐらいのこと造作もない
なので多分今回も部屋にいるメンバーの配置を見て考えてからの行動だろう
そんなことを思って瑠奈の横に座るかどうか悩んでいるとフロリアとリアがこちらに向かって来るのが分かったので再びドアを開けて中へ招き入れる
2人は昨日よりも早い声をかける前に扉が開いたことに驚きを見せたが出入りを素早く行うことについては昨日説明してあるのですぐに中へと入ってくる
そして昨日同様に俺の使っていた方のベッドへと2人して腰をかけた
全員が揃ったので俺は
「じゃあ全員揃ったからこれからの予定をざっくりと話すな」
と立ったまま言う
座るという選択を捨てた俺
だって今瑠奈の隣に座ってしまえば間違いなく巫女のところに行くことが遅れてしまう
その理由は言うまでもないだろう
俺は昨日伝えたとはいえ再確認として今日の予定を伝えていく
「それじゃ今から巫女の所へ行くから。そこでやることはただ一つ、女神達と会話することだな。とりあえず色々な方法を考えてあるから力づく含めて何とかやるつもりだけどもし無理だったら諦めて撤退、それからもう一つの目的について話をまとめる予定だ」
俺はそう言うと続けてフロリアに話を振る
「それじゃフロリア、案内頼めるか?」
俺にそう言われてフロリアは
「大丈夫ですよ。巫女の方にももう既にアポイントメントは取ってあります。会いたい理由としては希暗様が聞きたいことがあるということにしていますね。恐らく私が用事があるよりもそちらの方が会う約束をしてくれると思いましたので」
と答えた
流石フロリアだ
昨日俺がまったく触れることがなかった如何にして巫女とのアポを取り付けるのかについて上手くやってくれたようだ
理由に関しても1番妥当だろう
なんせ希暗のユニークスキルには知恵女神の加護という明らかに女神が関連しているものが存在している
なのでこのタイミングで巫女の元を訪れても、誰にも怪しまれることはないだろう
なんせこの国は異世界人、つまり俺達を常に見張っているから適当なことは出来ないからな
希暗達はフロリアの言葉を聞いて一瞬驚いたが何故そのような理由をフロリアが言ったのかが分かると納得した様子だった
その間セリア達は我関せずと3人で何やら話しをしている
聞き耳をたててみるとどうやら今回は戦闘に関することじゃなくて最近練習している料理についてみたいだ
余裕あるね3人共
そんなこんなでフロリアの案内のもとで巫女へと会いにいくことにした俺達は準備にうつる
何を準備するのかといえば俺達4人の移動方法についてだ
当初は3人をこの部屋に残したまま俺だけがついて行き巫女のいる場所についてからまたこの部屋に迎えに来るなんてことを考えていたのだけど、よくよく考えてみると巫女がいる場所に人が沢山いないわけが無い
警備やらほかの巫女やらなんやらで結構人が多くいるかつ初見の場所に転移すると下手したらちょっと残酷な事故が起きてしまう可能性が無きにしも非ずなのでやめておくことにした
なので今回は3人には透明マントを使って付いてきてもらうことにする
そう決めた俺が3人に透明マントを渡していると希暗が訪ねてくる
「呂阿がいま渡しているものはなんなの?」
ほかの5人も同じく疑問に思ったようで俺に視線を向けてきたのでちょっとカッコをつけて答える
「( -ω- `)フッこれは透明マントさ」
そう言う俺の言葉を聞いてフロリアとリアは何を言っているのか分からないようだったが希暗・桜前・白月・瑠奈はピンと来たようで
「えっ!?透明マントってあの映画に出てくるようなもの?」
「本当に透明になれるの?」
「昨日神楽君が見えなかったのもそれを使ってたから?」
「呂阿、それ頂戴」
と口々に言いたい放題だ
特に瑠奈、お前はほんと図太い神経してるよ
そんな4人の期待に答えるべく俺はリーニャに頼んで実演してもらう
俺が
「じゃあリーニャ、それを透明にして見せてあげて」
と言うと、リーニャは
「分かったの!」
と言い透明マントを羽織ると魔力を服に通す
するとすぐさま服を着ている首からしたが見えなくなった
それを見て6人、 特にフロリアとリアが驚く
そして口々に俺を褒めてくれる
この反応を見れただけでも作った甲斐があったよ…
そんな俺達を放置してリーニャは
「首だけリーニャなの〜」
とか言いながらわざわざ飛行を使って少し飛んで幽霊の真似して遊んでいた
セリアとクロアは若干誇らしげにしつつも既に透明マントを身にまといフードまで被っている
そんな透明マントに感動している6人に俺は
「まぁとりあえず行こっか。これについてはまた後で説明するからさ」
と言うと自分は適当な黒の全身を包むローブをきてこれまた変な仮面をつける
俺はこれで5人の後ろをついて行くつもりだ
俺の姿が見えないとセリア達が困るから今回は魔法を使わずに行くつもりだ
俺の言葉で我に返った6人はいつでも行ける格好なのでそのまま部屋を出て巫女に会うために王城を出る
(そういや巫女ってこの王都にいるんだっけ?まぁ昨日の今日でアポ取れてるなら距離的には問題ないか)
なんて考えながら俺はフロリア達のあとを付いていくであった
……To be continued




