最終章・話し合い⑥
とりあえず1つ目の目的については話終えた俺は引き続き2つ目と3つ目の話に入る
「じゃあ次の話題に移るぞ。次に話しておきたいことは女神達についてのことと希暗達がやらないといけない事だな。どちらかというと後者は希暗達というよりは希暗がやらないといけない事だ」
俺がそう言うとフロリアと希暗がそれぞれ質問してくる
「女神様達というのは3種族でそれぞれが崇めている3柱のことでしょうか?」
「僕がやらないといけない事ってどんなことなの?」
そんな2人の問いに俺は考えることなく答える
「フロリアの言う通りその3柱であっている。というよりこの世界の神についてその3柱と邪神以外の存在は知らない。それでなんだが先に女神関連について話すから希暗のやるべき事についてはその後に話すけどかまわないか?」
そう俺が聞くと希暗が頷いてくれたので引き続き女神関連の説明をしていく
「まずこれが主題なんだが女神達から今回のことについて色々と話を聞きたい。というよりは聞かないと色々とまずいことが起きるかもしれないしな。とりあえず聞いておきたいのは過去に邪神を封印した際の戦いについてと邪神の強さかな。流石に邪神の強さとか知らないと無策で突っ込むのは危険だろうし」
と言い、更に続けて
「それでなんだけどフロリア、この国には確か知恵の女神・シシリアからの神託を受ける巫女がいたよな?それってすぐに会うことができる?」
そんな俺の問いにフロリアは答える
「はい、確かにこの国には人間種が崇拝しているシシリア様からの神託を受けることができる巫女が数名います。ですが呂阿、いったいどうやって女神様から話を聞くのですか?巫女達も女神様とやり取りが出来るといっても僅かながらの神託を受けれる程度なのですよ?」
そう言うフロリアの情報は正しい
実際にこの国と帝国には3柱の1人であるシシリアからの神託を受けることができる巫女が存在する
その中でも1番神託を受ける頻度が高く、女神からだけでなくこちらからもたまに女神に対して通信することができる巫女がこの国にいるのだ
ちなみに神託とは普通は女神から巫女を通して人々に何かしらを伝えるためのものでありそもそも頻度は全く多くない
それに普通なら神託は女神からの一方通行であり逆方向はありえないのだ
だがそれを唯一可能にしているのがこの国の巫女だ
それでも女神と通信できるのは1年に1度2度が限界らしいのだけども
そうなるとどうやって俺達が女神達と話をすることが出来るのか疑問に思うだろう
これに関しては完全に俺の予測なのだが多分1度女神とのやり取りを1度みせて貰えば試したいことがありそれが上手くいけば俺は女神達といつでもやり取りができるようになる………という予定だ
方法としては成功するかどうか未確定な上にそもそも巫女と女神とのやり取りを見ることが叶うかすら分からない
最悪別の手段がないこともないのだけども……
そんな俺の考えをフロリア達にも分かるように伝えていく
「確かにフロリアの言う通り普通なら人間から女神への連絡を取ることなんて到底不可能だろう。それこそ現在唯一それが出来るこの国の巫女でも年に1度2度っていう話だしな。だけど考えてみてくれ……俺は普通じゃない!よってなんとかなる!」
そう俺が力強く言うとは6人は「あぁ、確かに」とでも言いたげな様子で納得したようだった
解せぬ(´・ω・`)(´・ω・`)(´・ω・`)
なんで詳しく説明するより簡潔な自虐の方が納得されるのだろうか
まぁいいけどさ別に……
という感じで女神達についてはフロリアの案内の元明日この6人+セリア達で向かうことが決定した
本来ならセリアとリーニャはそれぞれ獣人の国と魔人の国へと言ってから神託を受けたりするべきなのだろうが今回俺がやろうとしているやり方ならばそんなことしなくてもよくなる予定だ
ちなみにどっちにしろその2つの国には女神関連が終わり次第すぐに向かう予定なのだが
今からでも親バカ2人のテンションの上がる姿が目に浮かぶなぁ
なんて思いつつ俺は次の話題・希暗君を強化しようプログラムの方へと話を移す
「じゃあ女神達については明日巫女に会うってことで一旦終わりで。次に希暗のことについての話をはじめる」
と言って前置きをしてから話を続ける
「前回も言ったけど毎回邪神達との戦闘の際には各種族から1人ずつ英雄候補が出るんだ。それで今回は人間の英雄候補が希暗、獣人の英雄候補がセリア、魔人の英雄候補がリーニャとなっている。それでこの前帝国の方のダンジョンに潜った際に偶然会ったんだけどどうやらその英雄候補に試練を与える存在がいるらしいんだよね、といってもいるらしいじゃなくていたなんだけどね。それでそいつの言うことだと本来なら英雄候補はそれぞれ神託を受けて試練を受けに行くそうなんだ。俺達がそいつに会えたのは本当にたまたまだったらしい。だから希暗がやるべきことと言えばそいつから試練を受けてくることだな」
俺がそう言うと希暗が訪ねてくる
「僕がやるべきことは分かったよ。それで僕はどこでその試練を受けたらいいの?」
「それは今攻略してるリバールのダンジョンだな。そこの最下層のボス部屋の更に奥に部屋があるだろうからそこだな」
「試練を受けるのは僕だけ?玲奈と白月さんは見てるだけでいいの?それとも3人で戦う?」
「それは多分好きにしていいと思うぞ。俺のときも結局あの3人が力を合わせて闘かったしな。まぁ結局俺が倒したけど」
そんな何気ない俺のセリフで希暗達は固まる
瑠奈だけはよく分かっていないようで無反応だ
そんな5人を不思議に思っていると希暗ではなく桜前が口を開く
「ねぇ……聞き間違いじゃなければ希暗に試練を与える奴ってこの前神楽君と一緒にいた3人よりも強いのよね?あの3人ってすごく強かったと思うんだけど………」
そんな桜前の問いに俺は答える
「ああ、そうだな。3人がかりでも勝てなかったから普通に強いぞあいつ。多分希暗が全力を出しても普通に負ける」
それを聞いた希暗・桜前・白月は言葉を失い何か絶望したような表情になる
そんな3人をみて
(あぁなるほど。あの3人でも勝てない強さの奴と戦って勝てるか分からない上に負けて試練に不合格だったらどうしようとか思ってんのか)
と考えた俺は少し誤解をただす
「何か勘違いしてるかもしれないけどその試練は別にそいつに勝つことじゃないぞ。勝てればなんの問題もないかもしれないけど多分ダンジョンの最下層、つまりあいつのホームなら勝てないしな。試練は勝ち負けより邪神達との闘いで人々を導く器であるかどうかを見定めるものだと思う」
俺がそう言うとほんの少しだが3人の表情が柔らぐ
だけど完全に不安な表情が無くならないあたり心配なのだろう
といってもダンジョンの残り10層攻略した上にそんな試練が待ち受けてることに対して憂鬱になっているだけかもしれないけど
その後俺は希暗達に女神関連の用事に決着が着き次第その試練に挑むようにと伝えたあと軽く雑談をしてから明日の昼頃またこの部屋に来ることを伝えてセリア達の待つ湖の畔へと転移を完了させた
……To be continued




