最終章・話し合い⑤
俺はやる気が見て取れるフロリアとリアに
「せっかくの悪いけどこの国の説得する方法はもう決めてあるんだ」
と言ったあと、続けて説明をする
「本来ならこの国の説得はフロリアとリアにまかせようと思ったんだけど今回はちょっとばかりそれはきつい。何故ならまず時間が足りない。今回俺達がこの国対して要求するのは3種族、おいては各国との協力をすること。流石にこのレベルの事案になってくると流石にフロリアでも協力を約束させるのには時間がかかると思うからな。だから今回は少々荒っぽいけど俺のやり方でやるつもりだ」
俺がそう言うとフロリアは少し残念そうな表情をみせたが、俺の言ったことが理解できたのか納得したような様子をみせ
「確かにそうですね。恐らく私でも今回のお願い事の内容では流石にお父様を説得するのに時間がかかってしまうでしょう。それにもしかしたら相手にされない可能性もあります。それを考えたら呂阿に任せるのが1番でしょうね」
と言った
すると今まで黙っていた希暗が不意に口を開く
「呂阿のやり方にすごく不安を感じるんだけど………呂阿はどうやってこの国を説得するつもりなの?」
そう言う希暗は確かに不安げな
まぁ無理もないだろうね
普段の俺の行いや今までの行動を知っているやつほど俺がどんな風にやらかすのかがおおまかに予測できているだろう
希暗は元の世界から俺のイタズラや悪巧みに巻き込まれていた分、俺の言い回しや雰囲気とかで計画を遂行する方法がまともじゃないのを行うつもりであるのかがだいたい分かっていると思う
なのでこの部屋にいる誰よりも俺の言葉に対して敏感に反応していたりするのだ
そんな希暗の問いに答えるべく俺は計画の内容を一部ぼかしつつ説明する
「とりあえず予定としては手身近に終わらせたいから話し合いというよりはちょっとばかり無理をして話し合い(物理)になるかもしれないな。一応獣人の国では説得じゃなくて脅迫してるようなんもんだし多分それでも大丈夫だろう」
そう俺が言うと希暗は
「呂阿のちょっとって僕らにとってはちょっとじゃないんだよなぁ………」
と言い更に不安げな様子になる
そんな希暗の言葉を聞き希暗の様子をみてフロリアとリアと桜前はだんだん不安になっているようだ
ちなみに瑠奈と白月は特に変化なし
そんな6人を尻目に俺は引き続き説明をしていく
「とりあえず計画としてはまず俺が変装して王や大神なんかが集まっているタイミングでそこへ乗り込む。そん時に希暗達や他のクラスメイトなんかもいたりするとベストだ。なんせあいつらの中にこっちの都合が良くなる行動を取ってくれそうなのがいるからな。んであとは脅はk…じゃなくて説得だな。それに関しては王とか大臣がよっぽどアホじゃなきゃすぐ終わるよ多分」
俺がそう言い、フロリアにあることを質問する
「てわけなんだけどさ。次にみんなが集まったりする日とかってある?フロリア」
俺にそう聞かれたフロリアはリアに何らか情報の確認をとったあと
「恐らくあと3日もしないうちに1度異世界人達を含めてまた集まりがあると思います。その時の話の内容としては前回の魔人軍との戦闘のための出兵時に起きたことについてとこれからの対応、そして前回の戦闘で現れた謎の強者についての情報交換が主となる予定ですね」
と答えた
完全に俺がやったことに対しての情報交換なんだが…
でもよく考えると都合がいいな
俺の話をしている時にその話題の人物が乗り込んできて何かしらやったら流石に全員共一瞬は思考回路がごちゃごちゃになるだろう
その一瞬があればある程度の対策を施すことが出来るので丁度いい
対策と言っても俺の周りに罠を貼るぐらいだけども
罠を貼る理由としてはどう考えても俺に対して戦闘を挑んできそうな馬鹿が数名いるからだ
前回ちょっと痛い目に合わしてやったけどどうせ懲りていないだろう
そういやあのあとあいつらはどうなったんだろう
気になった俺は希暗に尋ねてみる
「そういやさ、前回平原においてきた奴らってあのあとどうなったんだ?」
俺がそう聞くと希暗は溜息を吐きつつ答える
「ラハットさん達はあの戦闘による混乱がだいぶ収まった時頃に戻ってきたらしいよ。だけどその時には既に僕達はダンジョンの中にいたから実際はよく分からないな、まだ会ってもないし」
そう希暗が言うとそれをフロリアが引き継いで答える
「ラハットや異世界人達は戻ってくるとすぐに私やお父様の前でその件について説明していました。その際に希暗様達が行方不明になったと言っていたのでそこはちゃんと無事にこの国にいることを伝えておきました。その時にも色々尋ねられましたが私にはその件についてのことは分かりませんので恐らく次の話し合いの場で聞かれることとなると思います。それで今彼らはこの街の周囲の警備や城壁の修理なんかをしていると思います。………ですが異世界人の方の中には部屋にずっと居られる方も…」
そう話すフロリアは少し申し訳なさそうな表情をしている
多分異世界人とはいえ自分と同い年ぐらいの奴らに戦闘への恐怖を植え付けるようなことになってしまったことに対しての感情だろう
もっとも部屋に篭っている奴全員が前回の戦闘とも呼べない戦闘のせいで篭っているわけではないかもしれないけどほとんど俺のせい
やっぱり戦闘経験なんてほとんどないような奴らにあのユニークスキルは影響がありすぎたのかもな
そう思いつつも俺はフロリアを慰めながら俺はここにいる6人へとその計画について協力して欲しいことを告げる
「まぁそこはフロリアが気にする必要なないな、ほとんど俺のせいだし。と言っても闘うことを決めたのはそいつらだしな。それはそうと俺の計画について6人にそれぞれ頼みたいことがある」
と言い6人が真剣に俺の話を聞いているのを確認してから続けて話していく
「と言ってもそんなにすることは無いけどな。まずフロリアとリアなんだけど………2人はその話し合いに参加しないでほしい。理由としては話し合いに居ても特にすることがないからな。あと2人には別に頼みたいことがある」
そう俺に言われた2人は前半部分で不満げにしていたが後半の2人に頼み事があるの部分を聞いて少し嬉しそうにしていた
2人が特に何も言わなかったので俺は続いてほかの4人に話しを続ける
「じゃあ次は希暗達なんだけど、4人は俺が合図を出すまでは何もしないでほしい。予定通り上手く事が運べば4人は何もすることがないと思うけどどうせ上手くいかないからなぁ。まぁ内容については後で説明するよ」
そう言われた4人は納得したように頷く
とりあえずこれで1つ目の目的の会議についての流れはだいたい大丈夫だろう
俺は引き続き2つ目の目的である女神達についてのことと希暗達の強化プログラムについて話を続けていくのであった
……To be continued




