最終章・話し合い④
屍状態の希暗と羞恥と一部喜びに感情が持っていかれている2人を連れて俺は転移を発動する
とりあえず転移の前に部屋の中央を開けておくようにフロリアに言ってあるので転移の際に事故が起こることは無い
あとはちゃんと転移先の部屋をきちんと想像してから発動するだけだ
そうして無事に俺は3人を連れてフロリア達の待つ部屋へと転移を完了する
一瞬にして景色が変わったことに驚いていた
そんな希暗達をみてそういや転移するのはじめてだよな多分、なんて思いながら3人に話しかける
「とりあえず3人も適当に座ってくれ。疲れてるところ悪いけどこれから話し合いをしたいからさ」
そう俺が言うと3人は動き出し希暗と桜前はベッドの上、白月は椅子へと腰掛ける
そんな3人にリアが飲み物を配り全員が一息ついたところでようやく本題である今度の予定について話をすることが出来るのであった
最初に俺が
「じゃあこれから色々の事を伝えるから。わりかし色々な事を話すからついてきてくれよな」
と何時もとは違い真剣な表情になってそう言い6人の集中を促す
これから話す事柄はこの6人にとってかなり重要になってくるので真剣に聞いてもらわないと困るのだ
ここにしばらくいるならば時間をかけて説明したり出来るけどもこのあとすぐに移動する俺はそれが出来ないので説明は1度きりだ
俺の言葉を受けて6人は一瞬困惑したような様子をみせながらも話を真面目に聞くために姿勢を変える
そんな6人が俺の話を真面目に聞く体勢が整ったのを確認してから俺は順次状況と今後の予定を話しはじめた
「まず1つ1番重要なことを言っておく………邪神があと1ヶ月くらいしたら復活するらしい」
その俺の言葉で6人は今までにない驚きをみせる
でも瑠奈はポーカーフェイスが上手いのでよく分からないけども
その中でも特に希暗とフロリアの反応はセリアとクロアの反応と似たようなレベルだった
恐らくこの2人も俺が失敗するなんて考えていなかったのであろう
結構信頼されてるようで少し嬉ピィ
それとも前回の話し合いの時に邪神復活の計画についてはほぼ妨害しているからどうせ復活しないと思うよ的な発言をしてしまったせいなのかもしれないけれども………
まぁそんなことはさておき驚きのあまり言葉を発せない6人を一旦無視してから話を続ける
「そういうわけだから状況は悪い方へと傾いている。邪神の復活と共に前回ここで戦ったような六首邪覇龍ような強力な魔獣が3体復活するらしい。それに伴ってまた大量の魔獣を引き連れて来るだろうからな。ちなみに現れる場所は多分だけど邪神が復活する場所を中心にして各国へと魔獣が移動していくのが1番可能性が高いな。一応各国の古くからある書物なんかを読んでみて書いてあったことなんだけど、どうやら邪神は無限に魔獣を生み出せるかもしれないらしいからな。それについては女神達に聞こうと思っている」
そう言い俺は一旦話を区切る
とりあえず状況説明はここまででいいだろう
このあとはこの6人にやって欲しいこととこれから俺がやることについての説明をして協力してもらうことについて話していく
俺の話を聞いて驚きの表情から不安げな表情に変えた6人は衝撃のあまり誰も言葉を発さない
まぁそう簡単に聞いてからすぐに落ち着くことができるような話ではない
特に瑠奈以外の5人については前回の戦闘で魔獣の大群と戦うのがいかにきついのかを分かっているし邪神の従魔、つまり前回の六首邪覇龍に関しては次元が違う強さを感じとったことだと思う
普通の奴らならあれを目の当たりにして戦って勝てると思うことなんて到底無理だろうし、しかもそれが合計3体もいるなんて聞いたらもう絶望しか感じないであろう
とりわけ希暗と瑠奈を除く4人は顔色が結構悪い
そんな6人に悪い情報だけでなく良い情報を伝えようと考えた俺は次の話をしはじめる
「じゃあ話の続きをいくぞ。さっきも言った通りあと1ヶ月もしないうちに大量の魔獣と邪神、それにその従魔なんかが3種族へと襲いかかってくる。だから3種族はそれに対して各国で力を合わせないといけないんだ、じゃないとまず勝てないからな。だから俺は各国の代表を集めて邪神達に対する対策をたてるための会議を開こうと思っている」
俺がそう言うとフロリアとリアが再び驚き俺へと視線を向ける
そんな2人には悪いけどまだ話を続けていく
「今のところ既に帝国からの協力は約束してもらっている。それに獣人の国も魔人の国も恐らく協力してくれるだろうな。つまり各国で協力するためにはあとはこの国、スリイアさえ協力を約束してくれれば3種族の協力体制がしけるってわけだ」
流石にこれには驚かされたのかフロリアとリアだけでなく希暗と桜前も驚く
2人ともこんなに早く各国の協力を取り付けているとは思わなかったのだろう
何故か瑠奈と白月は驚いておらず嬉しそうな表情をしてるけど何考えてんだか
するとフロリアが驚きの表情で固まったまま
「……その話は本当ですか?呂阿。その…3種族が協力しあって戦うことになるっていうのは…」
と聞いてきた
そんなフロリアの隣ではリアがいつにない真剣な表情で俺を見ている
そんなフロリアの問いに俺は
「ああ、3種族の協力はほぼ間違いなく可能だな。あとはこの国を説得して協力してもらうだけだ」
と答えた
すると俺の言葉を聞いたフロリアは表情を喜びへと変えると何やら考え込みリアと2人で内緒話をはじめる
悲しいことに全部俺には聞こえているのだけども…
聞いてみるとどうやら3種族が協力して仲良くやるのはフロリアの前からの夢だったらしい
そしてその夢が実現しそうということでどうやって父親を説得するかとか久しぶりに友達に会えるかもしれないだとか色々と話している
そして話が終わったのかフロリアは俺の方を再度むくと口を開く
「話はわかりました。3種族の協力のためにこの国も必ず協力するように私からお父様に話をさせてもらいますね」
と言ってくれた
だがそんなフロリアの心意気を砕くようで悪いかもしれないけど既にこの国に協力させるためのプランは立ててある
フロリアの案だと確実に時間がかかってしまう
最低でも1週間いないにこの国の協力を取り付けて会議を開かないといけない今それは厳しい
なので今回の方法としては迅速かつ確実に協力を約束させる方法
つまりO・HA・NA・SHIの出番なのだ
それを伝えるため自身の計画を再度まとめあげた俺はフロリアへと視線を向けるのであった
……To be continued




