第5章・俺のHA・NA・SIを聞け〜!
いまいち流れに付いてこれていないノーラとローゼにこれからの俺の行動を簡潔に説明する
「まずここにいる全員を回復させて意識を取り戻してもらう。勿論不滅真祖にかけられていた魔法も解除させてからな。そしてその後すぐに話し合いだな……と思ってたけど説明するのがめんどくさいから結構荒っぽくなるけど気にしないでね」
それを聞いたノーラが俺に訪ねる
「話し合いとはどんなことをお父様達とお話しつもりなの?それと貴方の荒っぽくなるっていうのがその……かなり不安なんだけれども」
そう言うノーラの表情は実際不安げだ
ローゼも俺が何するのかが全く分からないため警戒しながらノーラの後ろに立っている
それを見るとほんと信用ないな〜って思う
まぁ確かに今までの俺の行動を省みたら無理もないけどもね!
俺はそんな2人に
「大丈夫、大丈夫。心配しなくてもそんな酷いことはしないよ……話し合いがすぐ済みそうなら(ボソッ)」
と言ったあと続けて
「話す内容はこれからのこと、つまり他の国と協力するってことだな。ぶっちゃけ邪神復活するらしいからさ3種族で協力しないときついんだよね〜、俺1人じゃ限界あるしめんどいし。セリア達でも流石にさっきみたいなあのレベルの魔獣相手になると倒せて1体が限界だと思う」
と伝えた
それを聞いてセリア・クロア・ノーラ・ローゼの4人は驚きを露わにする
もっともセリアとクロアは姿を消しているからそう感じただけだけれども
だけど驚くのも無理ない
だってセリアとクロアからすれば今まで邪神が復活しないようにやってきたのに結局復活されてしまうという残念感
そして恐らく俺がそれを阻止できなかったことに対して驚いているのだろう
ノーラとローゼに関しては邪神の方は多分よくわかっていないと思うけどもその他の3種族で協力する必要があるという点とさっきの不滅真祖ような魔獣が他に何体もいるという点であろう
リーニャに関してはいつものように難しい話しが分からないのか俺の髪を弄っているので放置
戦闘の際にはバグってる魔法力で暴れてくれるからこんな時は好きにさせておけばいい
本来ならばノーラとローゼにも邪神達について詳しく説明しなければならない今は少しでも時間が惜しいので皇帝や大臣達を起こしてから一緒にある程度説明するつもりだ
セリアとクロアは後で説明すればいいだろう
そう思い俺は驚いているノーラとローゼに
「驚いているところ悪いけどあんまり時間もないから話し合いはじめるよ」
と言うと皇帝や大臣達にかけていた魔法を特殊魔法・魔法解除によって解除する
これで俺がかけていた睡眠だけでなく不滅真祖がかけていた従属の魔法も解除される
そして適度に回復魔法を発動させると次々に目を覚ましはじめた
目を覚ました皇帝や大臣達は最初自分達が床に寝ていて今がどんな状況なのか分かっていなかったが、次第に意識がはっきりしてくると各々が騒ぎはじめる
中には不滅真祖の魔法によってここしばらくの記憶が無いやつもいる分混乱は大きい
そして俺やノーラ達の姿を見たりこの皇城の状況を確認した奴らは口々に騒ぎ出す
「なっなぜここに第二皇女様が!?」
「どうしてこの城がこんなに壊れてるんだ!?」
「さっきまでいったい私は何を………?」
「確か急にノーラ様と変な冒険者がやって来て……」
とかとか言ってるうちに意識の矛先が俺の方に向き
「き、貴様は何者だ!どうしてここかにいる!?」
「兵士はどこだ!ここに侵入者がいるぞ!」
等々騒ぎはじめた
どうして俺がノーラの側にいるのに味方と思わず侵入者だと思うのかは不思議なところだ
だがこいつらが静かになるのを待っていたらキリがない
なのでここは俺が場の主導権を握ってすぐさま話し合いに持っていく
俺は一瞬だけユニークスキル・半神の覇気を発動させて周囲にいるもの全てを威圧する
といっても威力はここにいる中で弱い奴らが気絶しないように小さくしているため誰も気絶することはなくただ俺に注目を集めることができた
それでも皇帝や大臣達、それにノーラとローゼは俺の出した覇気におされかなり強ばった表情を俺に向け誰も喋ることなく静かになる
まぁセリア達3人は何事も無かったかのように平然としているのだけども
俺は自身に注目が集まったのを確認して口を開く
「混乱しているところ悪いが今はそんなことで騒いでいる暇はない。一刻も早く対策を練らないといけないことがある」
そう言い、更に続けて
「今から俺の要望を全部呑んでもらう。それが如何なることであっても有無は言わさない、逆らうやつは全員潰す!」
と後の方を強めながらそう言い放った
この言葉のどこに話し合いの要素が含まれているのだろうか
多分ノーラとローゼはすぐさま内心俺にツッコミをいれたに違いない
話し合いは何処に行ったの?という質問は現在受け付けておりません(´・ω・`)
多分ずっと受け付けてないけども
そんな俺の言葉に大臣達は反論したがっている様子だが俺の威圧におされてか誰も発言しない
まぁここで反論してきたところで更に威圧感を強めるだけだけれども
そうしてしばしの沈黙ののち俺が再度確認をとる
「全員理解出来たか?それならこれから俺の要望を伝えつつ事情説明しようと思う」
俺がそう言うとノーラが
「・・・分かりましたわ。私達は全員貴方の要望を呑みます」
と答えた
ノーラは俺がこの国にとって悪いことをしないであろうと言う信頼からこの発言をしたのだろう
だがこれに対して周りの大臣達はノーラに対して避難の視線を向ける
正体不明の奴からの提案を鵜呑みするというのだ
誰であってもそうなるだろう
だが次に発言した奴の言葉で大臣達の様子は一変する
「我も我が娘同様にそちの要望を呑むことを承諾しよう。これは我が帝国の意志でもある」
そう言ったのは皇帝であった
これには俺も少し驚いた
なんせ真っ先に反論してくるだろうと思っていたやつがまさかの同意である
記憶が無いにも関わらずこんな決断を下すことが出来るのは今までの経験によるものかもしれない
その皇帝の発言で周りの大臣達はポツポツとノーラと皇帝に賛同していく
そうして結局誰かの反論もでることなく俺はスムーズに話し合いという名前のを一方的なお願いをすることができるのであった
……To be continued




