第5章・激戦(?)vs邪神教②
俺の発言を聞いた部屋の中にいた奴らのうち邪神復活を企む組織に関係が無い単なる帝国の上層部の奴らは一斉に笑いだし
「たった一人で我が国の誇る騎士達に勝てるわけなかろう」
「たかが一介の冒険者如きに何が出来るというのだ?」
「皇女様もなかなかに面白い協力者を得たものだ」
等々口々に言っている
今までとは違って珍しく俺の台詞に対して舐められていると感じ怒っているやつは居なかった
馬鹿にされているのはいつもの事なので全く気にしないがこの場にセリアとクロアがいなくて内心俺はホッとしていた
だがそんな風に俺を見下す奴らとは異なり、今回の俺の標的である邪神復活を企む組織の奴らは一見して他の奴らに同調するように笑って入るが警戒を全く解かずにいつでも戦闘が開始出来るように構えているのがわかる
だがそんな程度では俺の前では無意味なんだな
そんな風に笑っている奴らに俺は
「じゃ、くたばれ」
と軽く言った後即刻準備していた魔法を発動させる
その瞬間俺の周りを囲んでいた騎士や俺達を馬鹿にしていた今回の標的でない奴らが一瞬にして気を失い床に倒れていった
逆に俺の標的である奴らは周りが気を失い倒れたことにすぐさま反応していたがすぐさま身体が自由に動かないことに気づいたようだ
それもそのはず
俺は目的に関係ない奴らには特殊魔法・睡眠を使い、標的の奴らには特殊魔法・束縛を使い気絶はさせずに動きを封じたのだ
俺の魔法2つの同時発動によってこの部屋で動けるのは俺とノーラ、そして不滅真祖のみとなる
流石に魔法発動の準備をしていた時点で不滅真祖は気づいていたらしく俺が全員に張り巡らせていった魔力の紐を回避していた
俺は不滅真祖の動きを気にしながらもまずは徐々に気絶している奴らだけを回収しながら部屋の中をノーラを後ろに連れたまま歩き回る
一応気絶させた奴らは状態異常にかかっている奴も含めてこの後の帝国に必要なので巻き込んで死なせるわけにはいかないからである
勿論皇帝も回収しておいた
そして俺は動けなくなっている標的達を無視して気絶させた奴らを全員回収した後ずっと手を出さずに動きを見せなかった不滅真祖がいる方へと向くと声をかける
「さてと、とりあえずやる事は終わったんだけど何で手を出さなかったんだ?」
俺にそう声をかけられると今までずっと気配と姿を完全に消していた不滅真祖は姿を現すと
「我の存在に気づくとはのぅ。先程の魔法といい貴様は何者なのじゃ?」
と言いながらこちらに歩いてくる
急に姿を現した不滅真祖の姿を見てノーラばかりか俺の魔法で動けなくなっている奴らからも驚きが感じられる
俺はそんな驚いてる奴らを無視して不滅真祖への問いに答える
「さっきも紹介された通りに只の冒険者だよ。まぁ、ちょっと変な魔法が得意なくらいさ」
といつも通りの適当な答えを返しておいた
でもあながち嘘でもなかったりするような
まぁ聞いてきたということは俺に対してちゃんとした鑑定が出来ていないという事だろう
それにしても俺の情報は何も伝わってないのだろうか
そんな俺を答えを聞いた不滅真祖は
「まぁまともに答えるとは思っておらぬわ。それより貴様の目的はなんなのじゃ?単にその小娘の護衛として来たわけではなかろう?」
と再び質問を投げかけてくる
だが俺はそれに答えることは無かった
何故なら不滅真祖の台詞を聞いた俺は
(のじゃ口調の吸血姬(゜∀゜)キタコレ!!これで見た目が金髪ロリだったら勝つる!)
というわけわからないことを心の中で叫び、いかにして不滅真祖本体の容姿を確認するかを必死に考えいたからである
俺がそんな下らない理由によって質問に答えないでいると不滅真祖は若干不機嫌な様子になりつつも
「これも答えぬか、それでも何か返事でもするのが礼儀だと思うがのぅ」
と言う
そして
「まぁどのみち貴様が我の敵であることは変わりないようだな。安心するがよい、すぐに楽にしてやろう」
と言うといきなり戦闘体勢に入ると瞬時に俺のすぐ側へと移動すると俺の首目がけて手刀を入れてきた
その手からは魔法の闇纏のような感じで黒いオーラが纏われている
その攻撃を見た俺は
(かっけえ~、まるで〇ティーの使ってたやつみたいだな)
なんて思わず考えてしまう
だがそんな攻撃はしっかりと見えてしまっている俺はそれを回避するとノーラを抱きかかえて不滅真祖から距離をとると
「危ねぇな。いきなり攻撃なんて狡いぞ!」
と子供のような文句を投げかけた
するとそれを聞いた不滅真祖は不敵な笑みを浮かべながら
「先に仕掛けてきたのは貴様じゃろうが、貴様の方が卑怯じゃわ。それにしても・・・先の攻撃を避けるとはやはり只者ではないようじゃな」
と言う
流石にもう変なことを考える時間は無いと思った俺はノーラを少し下がらせるとお馴染みの魔法を使って結界を貼り安全を確保すると
「そこで見ていて、多分安全だから。もしその結界が壊れそうになったらこれを握り潰してくれ、簡単に壊れるようにしてるから気をつけて持ってるように」
と言うと俺は自分の魔力を込めた魔道具をノーラに手渡す
先程の攻撃を見てすっかり萎縮してしまっているノーラは俺からそれを受け取っても言葉を発することなくただ首を縦に振るので精一杯だった
そして俺は踵を返すと不滅真祖の方へと歩いていきながら腰に下げていた剣を構える
そして
「じゃあはじめようか」
というと一気に加速した
この間ずっと俺に動きを封じられている奴らは放置だったのはちょっと可哀想だと思った
……To be continued →




