第5章・まだまだ終わらぬ話し合い
俺はダンジョンの即席避難所へと転移を完了させた後、周囲に反応が無いこととこの部屋に貼ってある結界が無事がどうかを確かめる
まぁほんの数時間前に来たばかりなので結界に綻びがあるわけ無いのだが
それに運のいいことに周りには冒険者は居ないようであった
すると突然の転移に何が起きたか分からず戸惑いながらもノーラが聞いてくる
「ここはいったいどこなんですの?それよりもしかするとさっきのは転移と言われる魔法ですか!?」
と後半少し興奮気味に言うノーラに俺は
「ここはダンジョンの中だな、安全性に関しては問題ないから心配しないでくれ。それとさっきのはノーラの推測通り転移だよ」
と答えた
転移ができることぐらい伝えていいだろうと思って正直に話したのだが、何故か俺が転移を使えると言ったことでテンションをあげたノーラは
「貴方は凄腕の魔法の使い手だったのですわね!転移を使える人とはじめてお会いしましたわ。他にもどんな凄い魔法が使えるんですの?」
と聞いてきた
どうもこいつは阿呆な上に魔法オタクな皇女らしい
そんなノーラを俺は
「ちょっと待っててくれ。先にやる事あるから」
と言い軽くあしらうとセリアとクロアに
「2人とも先に休んでて。今日はかなり疲れてるだろうから明日の朝は気にしなくていいぞ、しっかりと睡眠をとってくれ。どうせ俺もやることがあるから」
と言い2人にいつも使っている寝具を手渡して部屋の隅の方で休むように伝えると2人はそれぞれ
「ではお先に失礼しますねロア様」
「お休みなさい主様」
とそれぞれ言い、2人共寝る準備をしてすぐに眠りに入った
やはりかなり疲労していたのだろう
いつもならセリアは必ず大事な話は聞いてるのに
2人が寝たのを見た俺は抱っこしているリーニャに
「リーニャも先に寝るか?」
と聞く
すると案の定リーニャは
「さっきまで寝てたから眠たくない!まだロアと一緒に起きてる、そして、あとで遊ぶ!」
と答えてきたので俺がリーニャが寝るまで寝れない事が決定した
実際リーニャの生活リズムに付き合うのはぶっちゃけ魔獣との戦闘よりも疲れたりするのだがまぁ仕方ないと割り切っている
そしてとりあえずのやる事を終えた俺は座って待っているノーラとローゼの所に行き正面に腰を降ろした
もちろん俺の胡座の上にリーニャはちゃっかりと位置どる
そして話の続きをすることにした
「とりあえずこれからの話でもするか?」
そう俺が言うとノーラは
「ええ、それが優先事項ね。魔法についてはその後に聞くわ」
と返してくる
まだ俺が使える魔法に興味がおありのようだ
だが理性がまだ勝っているらしくこれから話を優先したみたいである
なので2人でこれからの予定を話していく
「じゃあまずはこの街から出ることを考えないとな。どうせさっきまでいた部屋の様子を見たらノーラがいた事なんてすぐ分かるだろうしな、それに荷物も置いてあるだろうし」
そう俺が言うとノーラは
「そうですわね…多分この街から出る人全てを調べあげるでょう。・・・・荷物の方には大事なモノがありましたのに………」
と元気なく答える
その様子を見て
(うーん・・・かなり大事な物があったぽいなぁ~、それに色々と必要な物もあるだろうし。まぁいきなり連れできちゃったからな。・・・しょうがない、何とかしてやるか…)
そう思った俺は少し照れくさそうに頭をかきながら
「俺が取りに行って来ようか?かなり大事なものがあるんだろ?」
とノーラに提案した
するとノーラは俺の言葉に反応するも
「本当ですか!?・・・いやでも……」
と戸惑っている
なので取りに行くなら早めにした方がいいので俺は急かすように
「どうする?行くなら早めの方が良いからすぐ決めてくれ」
と言う
そう俺が言うとノーラは戸惑いを隠せない様子だが
「是非お願いします!」
と即答してきた
多分即答で、しかも頭を冒険者如きに下げるくらいだからよっぽど大事なのだろう
俺はノーラの荷物のついでにローゼのもの取って来ようと思いそう聞くためにローゼの方を見てみるとノーラの後ろで船を扱いでいるポンコツ騎士が目に入った
まことに使えない騎士である
なので俺は聞くのをやめ、あの部屋にあったものを適当に持ってくることを決める
「それじゃちょっと行ってくるわ。どれがそうなのか分からないから適当に持ってくるけどいいよな?」
とノーラに聞くと
「え、ええ…大丈夫ですわ」
と俺の勢いに呑まれているようであやふやな返事を返してきたので俺はリーニャを降ろして少し待つように言うと早速荷物を回収しに行く準備をはじめる
恐らくあの部屋には今頃皇女捜索隊が調べているだろうから手早く行って即座に回収して戻るのがベストである
荷物に触ることさえ出来れば俺の異空間に収納出来るので姿と気配を消して高速で動き回ればほとんど回収出来るだろう
もしそれだけじゃ何ともならないならその時はその時だ
最悪宿屋があの街から消えるくらいだ(´ー`)
俺はまず自作魔法・不可視化を唱えてから転移の準備に入る
突然姿が消えた俺にノーラは驚いているようだが見慣れているリーニャは全く気にせずにいつもの一人遊びをしているようだった
最近リーニャは俺達が話をしていたり自分だけが暇である時に何やらこそこそ色々な事をしているので俺も把握しきれていない
それはセリアとクロアも同じようで俺に隠れて色々やってるみたいだ
俺は3人がそれぞれ色々と成長しているようなので見守っている
その後俺は行って帰ってるのをスムーズにするための準備が出来たのでさっきまでいた部屋へと転移をした
……To be continued →




