第5章・皇女の事情(´・ω・`)
ノーラは1度姿勢を整え俺の方を向き真剣な表情になると話をはじめた
「まず私がスリイアに行ってフロリアに伝えたかった事の一つは貴方も言ったように帝国からの出軍のことね。確かスリイアではつい先日魔人の国と戦ったばかりでしょ?今回はその隙をついて完全に占領するつもりでかなりの人数を集めてると聞いたわ。それと同時にスリイアを占領した後のことも考えて今国中から戦う兵士を募っているみたいなのよ」
「その話を聞いた私は急いで皇城に行って久々にお父様あった時にスリイアとは同じ人間同士何故協力しないのかって聞いたら「あの国のやり方ではほかの種族に勝てん、だから他の種族を滅ぼすためにも我が国が侵略して占領する」とか言われたの。少し前まではスリイアと同盟を結んでいて同じ人間の国同士助け合おうと言って言たお父様が急にこんな事を言い出したのはおかしいと思った私は色々と調べてみたのよ。そして怪しい人物が分かった辺りで急に城に呼ばれたと思ったら皇城に軟禁されたの。だから今の帝国はおかしい、早くスリイアに知らせないと何をするか分からないと思った私はローゼの助けもあってここまで来たって言うわけよ」
と言い一息ついた後に
「これで粗方の事情は分かったかしら?」
とたずねてきた
まぁ実際皇帝の様子が急におかしくなったのもスリイアとの同盟を打ち切り急に他の国へと攻撃をはじめたのも全て黒幕がいてそいつらのせいだと言うことは分かっている
俺は今の帝国の状況をより良く把握するためにハゲから奪った情報で知りたいことに足りない部分をたずねることにした
「ノーラがここまで来た理由とスリイアに行きたい理由は分かったよ。それで少し聞きたいことがあるんだが大丈夫か?」
そう俺は言いノーラが頷いて了承したのを確認すると少し問答を行う
「久々に父親に会ったって言っていたけれどノーラ普段は帝都に住んでないのか?」
「ええ、そうよ。私は第2皇女で次の皇帝には今のところなる予定はないから成人になった時に帝都を出たの。今は違う帝国の小さめの領地で領主をやっているわ」
「そうか、なら帝都でどんな事が起きてたとかはあんまり分からないのか。ちなみに帝都を離れたのはいつ頃だ?」
「今からだと2~3年前ね、丁度スリイアとの同盟関係を破棄したくらいだったわ。私が領地に行ってその情報を耳にした時には既に手遅れだったわ………」
「帝国が動き出す前にはまだ帝都にいたってことだな。ならノーラが帝都を出る前何か変わったことなかったか?」
「そうね・・・・・皇城で働く人で新しい人が妙に多くなっていたと思うわ。特にお父様の右腕である位置の大臣や側近なんかは新しい人に変わっていたはずよ。それでなんだけど私が調べた時にその大臣が怪しいと思って重点的に調査したのよ。結局何も掴めなかったけどね」
という事らしい
これは確実にその大臣や側近、新しく皇城に勤め始めた人達は全員黒だといってもいいだろう
もう既に帝国は邪神復活を企む組織に完全に乗っ取られていると言ってもいい
更にその中にほぼ確実に組織のリーダー的な奴がいるはずだ
グロスやリーダスのような幹部でもリーダーらしき人物の事は全く知らないようだったがほとんど間違いないだろう
帝国を1番はじめに乗っ取ろうと思ったのも4つの国の中で1番人口が多く操れる戦力が多いという事だろうから気になっていたことについてもだいたい納得ができた
俺は自身の中で情報を整理してこれからの予定を一瞬の思考によってまとめるとノーラに
「これで大体帝国の現状については理解出来たよ。俺から聞きたいことは全部聞けた」
と伝えた
それを受けノーラは
「じゃあ今度は私が質問するばんね。ちゃんと答えなさいよ」
と言うと
「まずはさっきも聞いたけど帝国の軍隊をどうやり過ごしたのかってことね」
と早速質問してきた
俺はそれに対し
「ああ、それな。あいつらなら全員倒した」
としれっと答える
僕、嘘ついてない(´·ω·`)
俺の答えを聞いたノーラとローゼは俺が何を言っているのか分からないといった風の反応をとると
「聞き間違いかしら、もう1度いってくださる?」
とノーラが言ってきたので再度
「倒したんだよ、全員」
と答えておいた
するとローゼは
「う、嘘をつくな。お前達だけで何千もの帝国の兵士達を倒せるわけがない!」
と怒鳴っているしノーラも
「嘘でしょ………」
と呟いて信じられないような様子である
俺はそんな2人に
「まぁ信じる信じないは任せるよ」
と投げやりに言った後続けて
「質問はそれで終わりか?ならちょっと聞き忘れてたんだがひとつ聞いていいか?」
とノーラに聞く
先程の俺の言葉でまだ動揺しているノーラが力なく俺の問に対して頷いてくれたので遠慮なく俺は質問するべくリーニャを1度抱え直すと
「すごい今更何だけど何で俺達なんだ?スリイアに行くための護衛の冒険者なら他にもいっぱいいるだろう?」
と聞いてみた
本当に今更である
一応この街にも腕のたつ冒険者はかなりいるのは確認済みだ
といってもセリアとクロアとリーニャだけでこの街を占拠できそうなレベルだが
すると今までの狼狽えっぷりが嘘のようにノーラは真剣な表情になり俺を見ると
「それは貴方達が今まで私が見てきた冒険者の中で1番強いと思ったからよ。スリイアに一刻も早く到着するためには並の冒険者じゃダメなのよ」
と答えた
そして続けて
「だからお願い!私に力を貸して欲しいの」
と言い頭を下げてきた
何故か話の最初に戻ってしまったが特に断る理由もない俺は別に引き受けようと最初から思っていたので
「いいよ」
と軽く答えた
だけどノーラ達をスリイアに連れていくわけではない
俺達はこのまま帝都へと向かうからだ
それをノーラ達へと説明するべく俺は準備をはじめた
……To be continued →




