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第5章・雲行きが怪しいなこれ

俺の指摘により狼狽える阿呆皇女とポンコツ騎士に不安感を募らせていた俺はとりあえず話をまとめてここから去りたいと思い口を開く


「もうそれに関しては今更だろ?ならさっさと話を終わらせてこの街から出た方がいいんじゃないのか?」

そう俺に言われた2人はやっと落ち着いたらしく、ノーラはコホンと咳をした後に


「見苦しい姿をお見せして申し訳ありませんでしたわ。貴方の言う通りに先に話を終わるべきですわね」

と言い姿勢を正すと


「改めてお願い致します。私がスリイアに行くのを手伝ってください。一刻も早く彼女に伝えないといけない事があるのです」

とちょっと目的が追加された事を言ってきたので俺はすぐさま問い返す


「誰か会いたい人がいるのか?」

そう問われたノーラは少し考えあと


「・・・それくらいなら伝えても大丈夫そうですわね。私はスリイア王国の王女であるフロリアに伝えたいことがあるのでそちらに向かいたいという事ですわ。フロリアとは昔ジァルゼとスリイアが同盟を結んでいた頃良く会っていた仲で私のお友達と呼べる人ですわね。もう長いこと会ってはいませんが……」

と言ってきた

フロリアと知り合いであるのは一応国のトップの1員同士なので別におかしくもないのだが、現状わざわざ命がけで伝えたいこととなるとよっぽどの大事であると推測する

というか俺の得た知識と照らし合わせると大分候補が絞れてきているのだけども

これで阿呆な理由だったら1発ぶん殴ってやりたい

俺は流石にまともな理由だろうと思いながら絞られた選択肢からノーラの伝えたいことを割り出すためにカマをかけていく


「フロリアに急ぎの用ってことはただ事じゃないな。帝国から王国への出軍でもあったのか?」

と言う

するとそれを聞いたノーラは驚きを顕にすると


「貴方その言い方だとフロリアと知り合いなの!?それにどうして出軍の事を知ってるの!?」

と前のめりの姿勢になって聞いてきた

この言葉からノーラは帝国の出軍を王国に知らせたいのが目的の一つであると確定する

だが悲しいことに既にその軍隊は壊滅しちゃったんだよな

ブチ切れたセリアとクロアによって完膚なきまでに

というか多分誰も生きていないし

それよりこの2人は俺がもし軍隊と鉢合わせせずにスリイアへの侵入をゆるしていたら全然間に合わずに戦場に突撃する形になっていただろう

全くもって残念な2人である

俺はノーラの問いに対し


「まぁフロリアとは一応知り合いだな。それに出軍ならこの国へと来る際に遭遇したからな」

とまともに答える

こいつらは邪神復活を企む組織の一員でないことは分かっているし、かといって現在の帝国に加担していわけでもない

なので特に隠す必要もないからだ

それに万が一には少し記憶を失くしてもらえばいいだけだから問題ない

失う記憶が少しじゃすまないかもしれないが…

俺の言葉を聞き更にノーラは驚き困惑した様子で


「貴方はスリイアの所属の冒険者だったの!?それに遭遇したってことはスリイアからこっちに来るのを軍隊の奴に見られたってことよね?どうして無事にここに来られてるの!?」

と矢継ぎ早に質問してくる

どんどんノーラと俺の距離が縮んでいることに対してセリアとクロアは不快感を隠せず顕にしはじめている

これは不味いと思い俺は


「まぁまぁ、落ち着けって。ちゃんと答えるところは答えるからさ」

と言うとノーラに椅子に座り落ち着く事を促して、ノーラが椅子に座り落ち着いたのを確認してから答え始める


「まず最初の質問に対してだけど俺達はスリイアから来たってことは事実だな、それにこっちに来る時に軍隊と鉢合わせになったのも事実だ。どうやって無事にここまで来たのかは秘密だけどな、教えて欲しけりゃそっちも事情をちゃんと説明するんだな」

そう俺が言うとノーラは


「くっ・・そうくるのね。いいわ………貴方達には話しましょう。その代わり私の質問にも答えなさいよ?」

と言った

それを聞いたローゼが焦ったように


「ノーラ様!?こんな素性も知れない者達に契約も無しに話しても大丈夫なのですか!?」

とたずねる

それに対しノーラはあっけらかんとした様子で


「大丈夫よローゼ。この人達は大丈夫だと私の勘がいっているわ、それにスリイアの人間だというなら尚更よ」

と言い放った

王族なんかの勘は普通の人より冴えてるのだろうか

俺がフロリアの事もあるからそんなふうに思っているとローゼが


「ノーラ様の勘なら尚更心配です!今まで当たった事どころか酷いことになった事ばかりじゃないですか」

と言い何やら昔の事を思い出したの瞳から光が消えていた

そう言われたノーラは


「あ、当たった事だってあるわよ!………多分」

と言っているがこれは確実に勘が当たったことが無い奴のパターンだ

本当に良く帝都からこの街まで来れたと思うほどの駄目っぷりを見せつけてくれるノーラに俺は


「で結局どうするんだよ、話さないならこの話はもう終わりな。俺達も行くところがあるから先を急いるでんだし」

と言う

するとノーラはローゼの忠告を聞かずに自分の勘を信じると決めたようで


「分かったわよ、話したらいいんでしょ?その代わり言いふらしたり逃げたりしないでよね!」

と言うとまだ何か言いたそうであったローゼを無視して語りはじめた







……To be continued →

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