第5章・皇女の頼み
祝150話ヽ(*´∀`)ノ
皇女と女騎士に連れられて俺達がやってきたのはこの街で1番高級だとされている宿屋であり街のど真ん中に位置する場所にある
昨日まで俺達が宿泊していた宿屋よりも更に料金が高く、冒険者では利用するものがいないとされている場所だ
勿論設備は文句なしで料理もこの国の最高レベル、更に一部屋一部屋が大きく広々としている所が高い所以らしい
本当はこっちでもよかったんだがここだと俺達みたいな初心者風の冒険者が泊まるにしては場違い過ぎるので遠慮しておいた
見た目初心者が利用したら絡まれること間違いないからだ
皇女と女騎士は宿屋につくと平然と中に入っていき受付らしき所で何かを受け取ると、奥へと行き階段へと向かうとそのまま上へ上がっていく
その後ろを視線を集めながらも俺達はただただ平然とした様子でついて行った
そして階段を登ることおよそ5階分
皇女達はこの宿屋の最上階に取っている部屋があるらしく階段を上がりきって一番奥にある部屋へと着くと鍵を開け中へと入っていったので俺達も続いて中へと入っていく
中に入って見渡してみると噂通りに部屋は二人部屋らしいにも関わらずにかなり広く椅子や机まである
しかもお風呂場らしきも所がある
更に壁には窓のようなものもあり景色も眺めることが出来るみたいだ
俺達がきょろきょろと部屋を見ているといつの間にか着替え武具防具を外し椅子に座っている皇女が
「どうぞこちらに」
と言い俺達にも椅子に座るように促してきたのでとりあえず座ろうと思ったのだが椅子が一つしか無いので3人には悪いが俺だけが座る形となった
まぁリーニャを抱っこしているので実質2人で座っているようなものだが
女騎士は皇女の後ろに、セリアとクロアは俺の後ろにいる形で立ったままだ
そして俺が座ったことを確認した皇女は俺を見据えると
「では早速本題に入りますわね。貴方私のものになりませんか?」
とはっきりと言ってきた
何故かさっきも同じことを言って腰を抜かすことになった癖に懲りていないようだ
阿呆なのだろうか、いや阿呆である
するとやはりこれを聞いた俺の後ろにいる2人から皇女へと殺意が向けられる
それに再び恐怖を感じた皇女は慌てて
「ち、違いますわ!貴方の力を貸してほしいだけですの!」
と訂正してきた
正直こいつは多分天然キャラだな
そう思いながらも俺は
「いきなりそう言われてもな…。詳しく説明してもらえるか?皇女様」
と皇女へと聞いてみる
すると皇女の後ろにいた女騎士から
「何故この方が皇女でえると知っている!まさか認識阻害する魔道具が聞いていないのか!?」
と驚いたように声を上げた
それを聞いた俺の
(いやさっきお前が言ってたじゃんよ……)
という心の声が聞こえたのか皇女が呆れたように
「リーゼ、貴方さっき自分で私の事を皇女と呼んでたわよ」
とリーゼと呼ばれた女騎士に言った
どうやら阿呆皇女にポンコツ騎士の組み合わせみたいだ
皇女に指摘された女騎士は
「す、すいませんノーラ様」
と謝っていた
そんな2人にセリアとクロアは冷たい視線を向けている
俺も冷たい視線を向けていたいが話の流れを戻すべく再び皇女、エレオノーラへと話しかける
「で皇女様、さっそく説明してもらえないか?」
そう俺が言うとエレオノーラは
「まずは自己紹介しておくわ。さっきも言ったように私はこの帝国の第2皇女よ、名前はエレオノーラだけどノーラと呼んでもらってかまわないわ。あまり皇女と呼ばれるのは好きじゃないの」
と言った後姿勢を正すと
「じゃあ本題ね。実を言うと先程言った通り貴方の力を貸して欲しいの。正確に言えばスリイアへの亡命を手伝って欲しいの」
と真剣な表情で言ってきた
それを聞いた俺は少し驚きながらもノーラにたずねる
「ノーラはどうして亡命なんかするんだ?それに今はスリイアとはあまり良くない状況だろ?」
俺の問いに対しノーラは
「今から話すことは他の人に聞かれたら不味いわ。だからこれから先の詳しいことは手伝ってくれるのを確定させてからじゃないと話せない」
と言ってきた
それに対し俺は
「詳しく理由が聞けないとこちらも手伝えないな。それに手伝うっていうの言うだけなら簡単だがそれをどうやって守らせるんだ?」
と返す
するとノーラは何故か得意げに
「契約に関しては大丈夫よ、それに見合った性能の魔道具があるから。しかも伝説魔道具だから問題ないわ」
と言った後続けて
「でも詳しい話は本当に信用出来る相手にしか話せないの。これだけは譲れないわ」
とも言ってきた
そういうノーラが本気なのを感じとった俺は少し別の質問をする
「なるほどな、つまりそれはノーラが魔道具を使って他人からの認識を阻害して皇女だとバレないようにしている事に関係してるんだな。だけど皇女だということ隠したいならこんな場所に泊まってていいのか?もし帝国が皇女を探しているのならこういう所を真っ先に探すぞ」
すると俺の質問を聞いたノーラは
「あ………」
と声を漏らしやってしまったといった感じになる
後ろにいるローゼも同じ様子だ
やはり阿呆とポンコツである
こんな状況下で皇女が居なくなったら帝国全体をあげて探すに決まっているだろうに
そして高級宿屋なんかは真っ先に探されるだろう
いくら認識阻害の魔道具使ってると言っても取り調べを受けたらバレるに決まってる
俺の言葉で動揺しているノーラはおろおろしながら
「ど、どうしましょうローゼ、このままでは捕まってしまいますわ」
「お、落ち着いてくださいノーラ様、今から逃げればまだ大丈夫です………多分」
と言って困っている様子のノーラ達を俺は
(・・・・・断ろうかな、こいつの頼み…。確実になんかやらかしてくれる気がする……)
とただ不安感しかなかった
……To be continued →




