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第5章・事の真相α

俺はセリアとクロアを引き連れリーニャを背負ったままアシュロンが向かった方へと歩いていくと、最初は祭壇で隠れて見えなかった部屋の奥にまた別の部屋に続いてるであろう小さめの扉が見えた

俺はその扉の先にアシュロンの反応があるのを確かめると扉を開けて部屋の中へと入っていく


部屋に入るとそこには大理石のような艶のある綺麗な石で作られている簡単な机と4人分の椅子があり俺達と反対側に1人座っているアシュロンがいた

アシュロンは俺達の姿を確認すると


「それでは始めるとするか、そこに座ってくれ」

と言ってきたので俺はリーニャを前に抱えると椅子に座り、その両隣にセリアとクロアが座った

そして俺は早速話を切り出す


「じゃあまずは俺から質問してもいいか?」

と聞くとアシュロンが頷いたのでそのまま質問の内容を伝える


「とりあえずは英雄候補と女神の加護についてだな。というのもセリアとリーニャの女神の加護は知らないうちに付いていたんだ」

そう俺が言うとアシュロンは説明を始める


「そうだな、まずは前回の邪神共と3種族合同の大戦のことから説明しよう。お主はその過去の大戦についてどこまで知っておるのだ?」

そうアシュロンに聞かれた俺は


「これはある奴から貰った記憶なんだが、その邪神達との戦いが始まる前は必ず3種族間での戦いがあってそれが邪神復活のための仕組まれたものだったということ。そして邪神達との戦いがあからさまになってきた時に各種族の中でも特に強かった奴らが3種族の協力を唱えて各国を説得したことで協力して邪神達と戦ったらしいな。他にも色々と細かいことも含めて多分前回の戦いについてならほとんど知っていると思う」

と答えておく

実際俺はヨデルから貰った記憶によって前回の大戦における一連の動きをヨデル主観にて把握出来ている

獣人や魔人主観での流れは分からないが3種族が協力することになってからはほぼ同じ流れだろう

俺の答えを聞いたアシュロンは驚いたように


「お主、その情報はいったい誰から貰ったものなのだ?それほど知っているとなると女神達から聞くか実際に大戦を体験してないと分からないぞ。しかも普通の立場の奴では知りえぬ事まで知っているではないか」

と言ってきた

それに対し俺は素直に答えておく


「ヨデルって言う爺さんから全ての記憶を貰ったんだよ。確かその大戦における人間族の英雄って呼ばれていたようだな。もしかしてセリアやリーニャの英雄うんぬんと関係あるのか?」

と言う俺の言葉に対しアシュロンは


「なるほど、あやつならそれほどの事を知っていてもおかしくはあるまい。お主の言う通りあやつがあの時の人間族の英雄であった。勿論獣人と魔人にもそれぞれ英雄が1人ずついたがな。英雄とは邪神達との戦いが近くなると各種族から女神達にそれぞれ選ばれ加護を与えられた者達がそう呼ばれるようになるのだ」

と言い、更に話を続けていく


「英雄について詳しく話すと、まずは女神達に選ばれた者達には女神の加護が与えられ最初のうちは英雄候補という扱いになる。そしてその英雄候補となった者は信託を受け、女神達が伝える信託によってそれぞれの試練を課されそれを果たすことで真の英雄として各種族を導く立場となっていくのだ。先程も言ったように前回の邪神共との戦いにおいても3種族から1人ずつの合計3人の英雄達が率先して戦っておった。もっとも前回は邪神自体は復活しておらんし従魔達にしてもその下僕達と戦っただけなのだがな。理由は知らぬが前回は今までと異なり3種族間での争いが普段より早く終わってしまったため復活のための生贄が足らなかったのであろう。だから今回は予想よりかなり早めの事態となっているわけだ」

と語った


これで今まで少し不思議に思っていたことに対して辻褄があう

前回は邪神達を復活させるために3種族での争いが仕組まれ行われたものの復活に必要な贄が足りなかったから誰も邪神達の事をよく知らなかったんだろうな

前回復活してたなら復活が早すぎるし知名度が低過ぎると思った通りだ

そして3種族それぞれで伝えられている前回の大戦の内容が違うのも恐らく魔獣達によって3種族間で争っている場合じゃなくなり、やっと終えた時に結局有耶無耶になったまま大戦が集結したというわけらしい

これで一通り一連の流れに納得の言った俺は次の質問をアシュロンに問いかける


「なるほどな、これで納得がいったよ。それでなんだがお前はいつから存在してるんだ?まるで全ての過去の大戦を体験してきたみたいに聞こえたが」

それを受けたアシュロンは


「我は邪神共と3種族が最初に戦い、女神達の協力もあって邪神共をとりあえず封印できた時にこれからの事を考えて生み出されたのだ。我に与えられし役割は英雄候補への試練を与え英雄に見合う力があるのならば更なる力をさずける事である」

と答える

それを聞いて俺は再度問いかける


「ならお前はずっと此処で待ってたのか?」

それに対しアシュロンは


「そんなわけなかろう、我は邪神達との戦いが近くなると目が覚めるようになっている。だから普段は眠っている状態というわけだな」

と言った後に続けて


「それに我はここだけにいるわけではない。毎回女神達からの指示によりいる場所も異なる、今回はここだと言うだけだ。我は全てのダンジョンの最下層に位置するここのような隠された部屋を行き来出来るからな」

と言った

流石にこのダンジョンだけで引きこもりをしているわけではないらしい

でもそれにしても待つ間暇だと思ってしまう

そんなことを考えつつもまだまだ聞きたいことがある俺は遠慮なく次の質問をしようとしていたがその前にアシュロンが口を開くと


「では次は我からの問に答えてもらおう。お主達が今まで何をしてきたか、また今地上ではどのような状況なのかを教えてくれ。それによって我の行動も変わってくる」

と俺に言ってきた

そう言われた俺はいったんアシュロンに質問したい事を聞くのをやめて自分に向けられた問いに答えるべく姿勢を正した







……To be continued →

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