第5章・あれま(´・ω・`)
ボス部屋の奥にあった扉の前につき扉に手をかけた俺は弾かれるような感覚を覚え1度手を引っ込める
恐らく魔法によって中の様子が分からなくなるだけでなく防壁の役割も果たしているようだ
よく見てみると扉に大きな魔法陣が描かれている
なので俺は再度扉に触れると自作魔法・消失を用いると軽々と扉に描かれていた魔法陣を消し去る
すると今まで扉によって分からなかった中の反応が分かるようになったのかセリアとクロアが
「これほどまでの反応は………」
「なかなかやりごたえがありそうですね……」
と扉の内側にいる奴の実力を測りとることが出来たみたいで少し警戒を強めた様であった
その反応をちゃんと読み取れている時点でセリアとクロアは中の反応の主と力量が近いと言うことが分かる
リーニャは1人分からないように小首を傾げていたがさっきまで寝ていたから当たり前だ
俺はそんな3人の方へと軽く振り向き
「じゃあ開けるぞ、いつでも戦えるように気を張っててくれ」
と言うと扉につけていていた手に力をこめ、そのまま扉を開き中へと入っていった
扉の内側に入るとそこはダンジョンのボス部屋とは少し違ったような不思議な雰囲気に満ちていた
壁も天井も床もダンジョンの洞窟内とはことなり明らかに人の手が入っている感じで整えられており、ぱっと見だが何かの神殿のようなふうに見て取れる
俺はこの景色と雰囲気が似たような場所をどこかで見た気がすると思い少し思い出すために考え込んでいると、以前行ったことのあるリバールのダンジョンの最下層、つまり俺がヨデルのホログラムと会った部屋と似ていることに気がついた
あの時はボスと戦闘せずにただ床をぶち抜いただけで扉の前に到達したはずなのでここのダンジョンとは少し違う作りになっているようだ
そんなことを考えながら俺はどんどん奥へと歩いていきながら反応の主を探して奥へと歩いていく
そんなふうにキョロキョロしながらも少し進んでいくと俺達が感知している反応はこの部屋の中心と思える台座らしきところに椅子らしきものに座っている奴であることが分かった
そして椅子に座っていたこの部屋の主らしき者は俺達が来たことに気がつくと目を開け立ち上がると
「よくぞここまで到達した。この部屋はダンジョンの最下層、私はこのダンジョンの守護者である」
といきなり名乗りはじめた
「我はこの世界を守りし女神達により作られし者・アシュロン。邪神との戦いに備えいずれここを訪れるであろう各種族の英雄達に武器と知恵を与える役割を授かっている」
と大仰に述べたあと俺達の方をじっと見つめる
どうやら俺達の能力等を鑑定しているようだ
その後アシュロンと名乗るラスボスみたい奴は鑑定をし終えたのか満足げに頷くと
「どうやら女神の加護を受けし英雄候補なる者が2人いるようだな、そこの獣人と魔人は我がその力を試すに値する。この部屋への入口の扉もお主達なら容易く開けたであろう」
と言い更に
「他にそこにいるのは今代の黒の龍王と………ただの人間か。何故貴様のような何の力も持たぬ人間がここにいる?」
と続け俺に問うてきた
それに対し俺がどう答えようかと考えていると何を勘違いしたのかアシュロンは馬鹿にしたような嘲笑を浮かべると
「なるほどお主はただの荷物運びという訳だな、そこの3人に守られながらコソコソとこんな所まで来たということか。悪いことは言わん、お前如きではこれからの戦いにはついていけん今すぐ立ち去るがよい。もし立ち去らぬというならば今すぐ我が引導を渡してやろう」
と俺に言ってきた
どうやら俺の方が強すぎて俺のステータスは看破出来なかったらしい
いやーやっぱり俺はチートなんだなー(棒)
そんなことを思っている俺がアシュロンの言葉に返事をするより先に俺の後ろで猛烈な殺気が放たれはじめ
「ロア様に手を出す前に私があなたに引導を渡しましょう」
「あなた如きが主様を馬鹿にするなど許されることではありませんね」
とセリアとクロアが言いながらアシュロンに対して即効で戦闘モードに入る
リーニャも俺が馬鹿にされたことに対して怒ろうと思っていたみたいだが2人に気圧されて俺の足にしがみついてぷるぷる震えている
2人から殺気を向けられたアシュロンは驚いた表情をして
「その力無き人間如きを庇うと言うのか………よかろう、些か状況は異なるが女神逹から承りし役割果たすとしよう!」
と言うとアシュロンの何も無いところからふた振りの大剣を取り出し両手に持つと、セリアとクロアが今までに戦ったことがないようなレベルの威圧感を放ちはじめた
それに対しセリアとクロアは
「ここは協力しますよ、クロア!ロア様を馬鹿にした愚か者を許すわけにはいきません」
「そうですね。主様を甘く見た報いを受けてもらいましょうか」
と協力してアシュロンを迎え撃つような事を言いながらそれぞれ俺の前へと踏み出した
それを見たリーニャも
「リーニャも戦えるもん!ロアのことちゃんと守る!」
と言うと俺の後ろから前へと移動して俺のあげた魔法の杖を構えた
そして3人が戦闘体勢に入ったのを確認したアシュロンは魔力を練りはじめると
「では力を見せてくれ、今代の英雄達とその仲間よ!この世界を救うに値する力を持つか我が見定めてくれるわ!!」
というと特大の殺気を放ちながら俺達の方へと向かってきた
……To be continued →




