第5章・ちょっと休憩
無事70層までの攻略を終えた俺達は転移陣を使うことによってダンジョンの入口へと戻ってきた
そのままダンジョンの外へと出ると既に日は暮れており街では彼方此方からいい匂いがただよい、あちこちから食事をする人々の楽しげな声も聞こえてくる
それらによって俺はお腹が空いてきた
それにセリアとクロアも同じように思っているらしく俺を急かすような言葉は言わなかったが目がそう訴えてきたので歩みを早める
ちなみにリーニャはまだ寝ている
あんな戦場でも寝れてしまうのは大物なのか警戒心のない阿呆なのか判断が難しいところだ
俺はリーニャを背負ったままセリアとクロアを連れて昨日と同じで部屋を既にとってある宿屋へと向かう
普通の冒険者ならダンジョンから出た後は迷わずギルドへと向かうだろうが俺達にその必要はない
だってギルドですることがないから
普通は冒険者がギルドへと行きダンジョンで獲得した物や倒した魔獣から得た素材なんかを売りにいきそのお金が大事な資金となり食費や道具費、装備費などとなるだろう
その点俺達はお金に関しては全く心配がないし装備や道具類に関しては無料供給可能というバグ性能
なので今日はダンジョンで倒した魔獣からの素材は一切回収していないし見かけた宝箱もほとんど開けずに放置してきた
あまり高価じゃない素材を集めてもかさばるだけだしそもそも剥ぎ取る時間が無かったのが事実だ
また本来ダンジョンに挑む冒険者達はボスを倒したあとボスの素材は必ず剥ぎ取る
何故ならその素材がその階層までの攻略した証になり攻略がどれぐらい進んでいるかによって冒険ランクも上がったりするからだ
それに大抵ボスの素材の価値は高い
俺は冒険者ランクを上げるつもりなんて更々ないが冒険者ランクがあがると素材の買取額が上がったり受けれる依頼が増えたりとかなり待遇が良くなるらしいので他の冒険者達は冒険者ランクを上げることに熱中しているというわけだ
一応人間の中では最も多い職業で兵士の数よりも断然多い
だから魔獣に対抗する勢力として最も人間の中で戦力なのは冒険者であるのだ
まぁ全く冒険者らしくない俺逹はギルドなんかには脇目も振らずに即刻宿屋へと帰還する
そして受け付けに行き昨日と同じように部屋の鍵を渡してもらうとまずは汚れを落とすべく各自風呂に入ることにしようと思った俺は
「じゃあとりあえず部屋で装備や道具を片付けたら風呂に行こう、2人ともだいぶ疲れていると思うからゆっくり休んでくれ。風呂入り終わったら部屋に戻っていてくれたら俺が呼びに行くから夕食にしよう」
とセリアとクロアに言う
それを受け2人は
「「分かりましたロア様(主様)」」
と言うと俺は2人に鍵を渡してから自分のとっている部屋へと入る
そしてまずはリーニャを起こした後にお飾りで付けている剣をはずしたり道具類をほぼ全部かたし終えると自分とリーニャの分着替えと風呂に入った後に身体をふく布を持ってから部屋を出る
すると既にセリアとクロアは準備を終えていたのか俺と同じように着替えと入浴後に体を拭く布を持って部屋の前に立っていた
ちなみに俺の服は俺の手作りによって元の世界で俺が愛用していたユ〇クロの衣服を再現したものだが、セリアの服は最初に買いに行った時の物・リーニャの服はゼラス達から受け取った物・クロアの服はセリアの服と似せて色を黒基調にした俺の手作りの物だ
作る時に必要なサイズの情報はあれだ・・・・直感だ……
決して見ただけで分かるような魔法を作ったりはしてないから!
クロアの服が手作りだと知った時にセリアとリーニャから自分達のも欲しいとリクエストを受けたため二人の分も数着作ってはいるのだが着ているのを見たことは無い
2人曰く俺の作った服を着るのは俺とゆっくり過ごす日にと決めて大切にしているみたいだ
そんなこんなで俺はリーニャを2人に預けると俺達はそれぞれ別々の浴場へと入っていく
俺は少しダンジョン内で暴走してしまって疲れていたので昨日よりも長めにゆっくりと風呂を楽しんだあと先に出ていたセリア達を呼びに行った後、夕食をとるべく食堂へと向かった
夕食は昨日と同じようにバイキング形式で様々な料理があったが、料理の種類は昨日と半分ほど変わっており又しても色々な料理に挑戦した俺は天敵食材を尽く引き当て二日連続でナーバスな気分のまま食事を終えたことはこの世界にきて1番辛かった…
リーニャは昨日と同じようにごちゃ混ぜ盛モリの食事を取っていたがセリアとクロアはやはり体力をかなり使ったのかタンパク質がとれる食べ物を中心に結構な量を取っていた
それらによってまたしても他の食事をとっていた人々から注目を集めたのは言うまでもないだろう
そして食事を終えた俺はセリアとクロアに
「じゃあ2人とも今日は早めに休んでくれ、しっかりと疲れを取らないと明日に響くからな。それとなんでか今朝寝不足のように見えたけどしっかりと寝るように、寝坊も無しでな」
と言うとセリアとクロアは慌てたように
「大丈夫ですロア様、明日は寝坊しません!」
「わ、私もです主様!しっかり睡眠も取ります」
と言ったあとに
「「それではお先に失礼します!!」」
と言って2人してすぐに部屋へと入ってしまった
それを見てリーニャが
「2人共どうしたんだろうねーロア」
と言ってきたので
「さぁな、時々あの2人の行動はよーわからん」
と言うと俺はリーニャをつれて部屋に入った
そしてダンジョンで寝たことによって眠くない、暇だと煩く言ってくるリーニャと遊ぶはめになってしまった俺はリーニャが寝付くまで寝れず結果として人に注意したにも関わらず少し寝不足気味となってしまった
そして少し八つ当たりをしたくなった俺によるダンジョン荒らしが今日行われることが決定した
……To be continued →
一応修正完了しました<(_ _)>
それでも誤字脱字はあると思いますので見つけ次第その時々に修正していきます




